一緒に
もう既に朝日が昇りかけまどろみの中シュンがアイネスを抱き締めながら質問する。
「そう言えばアイネスはどうして実家に戻ってしまったの?」
「あれ?カイさんに伝言頼んだのに聞かなかったの?お父様の具合がちょっと悪くなってお母様が倒れてそれで仕方なくって……伝えて置いてくださいって。」
「………。」
シュンは少しホッとした気持ちとカイへの恨みとで若干渋い顔になる。
「知らなかった。それで、旦那様は?」
聞けば今度はアイネスが渋い顔になり、ため息をつく。
「アイネス?旦那様具合が悪いのか?」
「………違うわ。その……倒れた理由を口外するのが恥ずかしくて。その……なの……。」
小さな声でアイネスが呟く。
それを聞いたシュンは何とも言えない顔をする。
ーーーーー痔……か。
部屋は甘い雰囲気から何故か気まずい雰囲気へと変わり果てていた。
ーーーーー
朝日が完全に登り切ると2人は起きてしたくした。今日は学校はお休みなのだが、久しぶりに2人で過ごせると言う思いが2人をソワソワさせる。
もちろんソワソワしていても支度が終われば一応床に伏せっている当主を見舞うことは忘れていなかった。
そして、きちんと当主に見舞いを済ませて2人は再び部屋に戻ってきた。
「あ、あのさシュン。1つ……お願いがあるんだけど…」
「なに?」
「あのね。邪魔にならないようにするから結婚式の準備とか私にも一緒に考えさせて。少しでもそれでシュンの仕事が減れば……って」
小さくアイネスは悲鳴をあげた。
シュンがアイネスの腰を強引に抱き寄せたからだ。
「アイネス。うれしいよ、一緒にしよう。是非お願いしてもいいか?一緒に。」
「え?あ、うん。」
一緒にをやたら強調して満面に笑みを浮かべるシュンに思わずアイネスは少しだけ引いてしまった。
ーーーーー
その後3日ほど2人はグラウン家に滞在し、両親が落ち着きを完全に取り戻した頃再びバース家に戻ってきた。
「アイちゃんシュン君お帰り。」
ニッコリと微笑んでカイは出迎えてくれた。
「ただいま帰りました。」
つられてアイネスは微笑む。
カイに経過を報告して一旦部屋に戻ろうとしたときカイはシュンに囁いた。
「ちゃんと話し合えたシュン君?」
アイネスには聞こえないやり取り。
「兄さん……伝言はちゃんと伝言してください。……まぁ、ありがとうございます。」
ブスッとした顔で、それでいてちゃんと律儀にお礼を言う弟にカイは苦笑いを浮かべていた。
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欄外編 有事シャツ
「ところで、シュン?いつまで貴方はここにこのシャツ置いておくの?」
「さぁ?いつまででしょうねお嬢様。貴方に手がかからなくなったらいらないのでは?」
「むー。……ところで、なんでバース家には有事シャツないの?」
「………アイネスが寝てる部屋は誰の部屋だったでしょう。」
質問が質問で返される。
「……シュンの部屋?」
「なぜ、疑問系?」
「でも、それとこれと何か関係あるのかしら?」
シュンはため息をつく。
「俺の部屋って事は、全てが俺の私物って事だ。クローゼットの服もね。」
そこまで言われてアイネスは気付く。
「あら!じゃあクローゼットの中身が全て有事シャツね!」
クスクスとアイネスは笑い出す。
「それならまたここにこれは置いておこうかしら。あ、でもこのシャツそろそろシュンの匂いが薄れてる気がする。」
うーんとアイネスが首を傾げているとシュンは苦笑いしてしまう。
シュンはそれならまた匂いをつけとくよとアイネスに囁いてキスをした。
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ここまでお読みくださりありがとうございます!
昨日あげれなくてすいませんでした。
ちょっとお盆が近づいて来たため更新がトロトロになりますが、出来るだけ頑張りますのでよろしくお願いします!




