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真夜中の訪問

 「アイ……ネス………。」

 少し乱れた息を整えながらシュンは目の前のアイネスを見つめる。


 そこにはベッドの中で丸くなり寝息を立てているアイネスがいた。しかも、自分が置いていった有事シャツを着て。

 

 アイネスがお気に入りの寝間着を持って行ってたのは知っていた。だけど、今来ているのは自分の着ていたシャツ。

 その様子を見る限りはアイネスはシュンに愛想を尽かして帰ってきた訳ではなさそうだ。


 そう思えればホッとシュンは胸をなで下ろす。


 


 シュンはカイに言われてから内心気が気でなかった。

 

 別にアイネスを放って置いたわけではない。キチンと把握はしていた。それなりに対処もしていた。だけどそれはアイネスもおなじだっただろうか?


 ーーーーアイちゃんは君に会えてないんだよ?


 確かに……。

 アイネスには自分の行動について何も伝えていない。自分がどこで何をしていたか言わなくても解ってくれていると思っていた。


 だけど、今回のように何も言われずに行動を起こし実家に帰られてみると離れられたようで、愛想を尽かされたようでとてつもなく不安で可笑しくなりそうだった。


 否、自分は不安でおかしくなった。

 だからこんなに真夜中走ってグラウン家にまでアイネスを探しに来た。

 確かに、一言でもアイネスが実家に帰ると言ってくれていれば自分はこんなにも気持ちが焦り夜中に他家へ上がり込む無礼はしてない。止めたし、ダメでも自分はついてきていた。

 そもそも離れるような事はしなかった。


 ーーーー話さなければ思いは伝わらないんだ。シュン君…全てアイちゃんと君が同じ思いとは限らないんだからね。


 カイの言葉が頭の中で反芻する。

 同じ思いじゃなかったのか?


 アイネスは俺と一緒に居たくは無かったのか?


 いや、きっと違う。

 一緒に居たくなかったらこんな所で俺のシャツを着るわけがない。


 シュンはアイネスのベッドに腰掛けるとすやすやと寝息を立てている頬を撫でた。

 撫でられればくすぐったそうにアイネスはシャツの中に顔を埋める。

 その姿が可愛くてもう一度頬をなでる。

 

 「んん。シュン…。」


 寝ぼけながらも自分の名前を呼んでくれた。


 それがこの一ヶ月近くのシュンの我慢を崩しはじめる。特に今日は有事シャツを着ているせいで相乗効果となってシュンを誘う。


 「アイネス。」

 耳もとで囁き息を吹きかければ甘く鳴いて身をよじるアイネス。その拍子に大きいシャツの隙間から見える白い滑らかな肌。

 

 もっと見たい気持ちがアイネスを寝せて置いてあげたいシュンの気持ちを抑えつける。


 そっとアイネスがかけていた布団をハグと足元を隠していたものは無くなり大胆に露出する。


 シュンはアイネスを仰向けにするとアイネスの足を開き大胆にも太股の内側に触れるだけのキスを落とす。

 

 「ん…あっぁ。」

 突然の下からの刺激にアイネスは身を大きくよじって流石に目を覚ます。


 「やっ…なに…?え?シュン……?」

 

 アイネスの声にシュンは顔を上げてアイネスの唇にキスをする。

 

 もはやシュンの理性は完全に彼方に行ってしまっているためいきなり激しいキスが寝起きのアイネスを刺激する。


 何とかシュンを押して珍しく流されなかったアイネスは起き上がりシュンを見る。


 「シュン!なんで、ここに?」

 「アイネスがベッドに居なかったから。」

 「いや、あの…今……夜ですよね?」


 だから?とシュンも起き上がりアイネスに近づくとの首筋に顔を埋め首から鎖骨へ舌を這わす。


 「~~っ!あっ、……シュン!」


 またもシュンはアイネスに押し返えされ離される。

 「………。アイネス?」

 「……だから?じゃなくて!シュン、今は夜!」


 顔を赤らめて怒った様な表情をしているアイネスは余計にシュンを煽る。

 「だから?夜だからしたい。アイネスは朝もしたかったのか?」

 「そうじゃなくて!ここ家!私の部屋!」

 

 はぁ…。

 シュンはさも面倒臭そうにため息をついて自分を抑えている手を払いアイネスに近づこうとする。それなのに今日は頑なにアイネスは邪魔をする。


 「シュン!今日はダメ!やだ!」


 初めてアイネスにハッキリ抵抗されたシュンは狼狽える。

 「え?アイネス?」

 「シュンのバカ!」


 アイネスはポロポロと泣き出してしまった。

 「アイネス!?」

 「シュンに久しぶりに逢えたのに……。いきなりこんな事してきて……。ずっと一緒に居たのに、離れてからじゃなきゃ会えないのなんてもうやだ。」


 淋しかった…。


 そう呟き泣き続けるアイネスをシュンは抱き締める。

 

 ーーーーアイちゃんと君が同じ思いとは限らないんだからね。


 シュンの頭の中にカイの言葉が再び響く。


 「アイネス……ごめん。」

 アイネスの涙を優しく舐め取る。

 「寂しくさせるつもりはなかったんだ。ごめん。もうこんな風に寂しがらせる事はしない。」

 シュンはアイネスをさらに力強く抱き締めた。



 ここまでお読みくださりありがとうございます!


今日は不定期だけど、もう少しあげれたら良いなと思ってます!



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