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キョウナの料理教室 2

 「アイネス!」

 「クレン!またよろしくね!」

 

 アイネスの姿を見るなりパァァアと光り輝くその姿は、愛おしい姫に会った王子様さながら。


 本当に王子様がいたのね。


 キョウナは心の中でトキメク。そんなキョウナと真逆で腕からスリルと愛しの姫を逃がしてしまった黒い悪魔は王子様を射殺さんばかりの顔で睨んでいる。

 なんて器の小さい……。

 

 「初めまして、僕はクレンといいます。」

 「こちらこそ初めまして。私はアイネスの友人のキョウナ・タガスと申します。」

 「堅苦しいのは苦手なので、キョウナとお呼びしてもよろしいでしょうか?」

 「ええ、もちろんかまわなくてよ。」


 クレンがアイネスと一通り再開を喜んだ後キョウナの元にきて挨拶を交わした。

 「さて、料理教室はアイネスとキョウナの参加だとお聞きしましたが、そこの殿方は……ええっと大変失礼ですがお名前をもう一度伺っても?」

 

 あら?


 「えぇ、大丈夫ですよ。お若いのに短期間で名前を覚えられないのは大変ですねクレンさん。私はシュン・ロネスタ・バースです。アイネスの夫となるものです。」


 あら……。


 キョウナの近くでお互い青筋を立てて火花を飛ばしている二人をみてキョウナは気付く。

 これは恋のライバル同士?

 ふっとアイネスを見れば二人の火花には見向きもせずにテーブルの上のマカロンに釘付けになっていた。


 「ねぇねぇ、クレン!これマカロンでしょう?どうしたの?」

 「ん?あぁ、アイネスに食べて貰いたくて作ったの。この間二人っきりで一緒にデートしたお店でアイネス見てたでしょ?」

 

 シュンから目をそらしてクレンがやたらデートやら二人きりを強めて答える。

 もちろんその言葉はシュンにあてているのだろう。案の定悪魔は魔王に進化しようとしている。


 「食べて良い?」

 「もちろん、アイネス?ほら。」


 クレンはアイネスを抱き締め口元に自らの手でマカロンを運んで食べさせる。その突然の動作にアイネスは顔を赤らめながらもマカロンをしっかり口に入れて堪能している。


 それが悪魔を完全に魔王に進化させ、進化した魔王はクレンからアイネスを一瞬で奪う。そしてまだマカロンが口に入って居るだろうアイネスに深い口づけをする。


 

 一瞬で顔をボン!とまっ赤にさせたアイネスは驚いたのか、苦しいのかバタバタと抵抗するがむなしく……。魔王から離される時にはぐったりしていた。


 「…っ!」

 アイネスとシュンのキスをみてクレンはワナワナと震えている。



 シュンに軍配ね。

 3人のやり取りを虚ろな目で見ながらキョウナはおもった。




 

 その後なんとかアイネスがシュンをキッチンから追い出してなんとか事態をおさめ、料理教室は開始した。


 

 料理教室を開始すると直ぐにキョウナに変化が訪れる。

 クレンの教え方がとにかく優しく、上手いのももちろんあるがキョウナはメキメキと料理のコツを掴んでいく。

 アイネスがあんなにも無残な玉子の山を作った初回に対してキョウナは1度言われたことはすんなりと出来、盛り付けのセンスもコツを掴むとハイセンスを惜しげも無く発揮した。

 これにはクレンも教え甲斐があったのかアイネスが数ヵ月かけて学んだことをあれよあれよと指導していく。


 「………キョウナ!凄い!君のセンスは凄いよ!」

 「クレンの教え方が絶妙だからだわ!料理って楽しいのね!」


 3人の眼前には、キラキラと輝く料理のフルコースが並んでいた。

 御行儀が悪いのを承知でアイネスが料理をつまみ食いすれば一瞬で口の中は幸せで包まれる。


 「美味しい!!!キョウナってすごいね!!クレンが料理の王子様なら、キョウナは料理のお姫様だわ!!」

 アイネスも満面な笑みでキョウナを褒め称える。

 

 



 その後は3人のでフルコースを平らげ解散することにした。


 「クレン。私もまだここに滞在しているのでお邪魔じゃなければ通ってきてもいいかしら?」

 「もちろん!でもこんなに一気にスキルアップしちゃうと僕も教えられないかもね。」

 「まぁ、ご冗談を。料理がこんなに楽しいと思わなかったわ。私は料理をまだ深めたいのよ。」



 クレンとキョウナはすっかり意気投合したようだった。






 「キョウナが料理教室を気に入ってくれて良かったわ。」

 そんなキョウナの様子を見てアイネスが微笑めば、さっさとアイネスから手を引いて彼女に気が移れば良いのにとシュンが呟く。

 

 「それより、アイネス?」

 「ん?」

 「アイネスはどこまで料理の腕があがったんだ?」

 「………。帰ろっかシュン。」




 ーーーー実はアイネスは既にキョウナに腕前を抜かれ、ハイレベルなレッスンについて行けず今日は食べることに徹していたことはシュンには秘密。




ここまでお読みくださりありがとうございました!




キョウナさんの才能開花。


キョウナさんはミドルネームがありません。

お国の違いです。




ブックマークはもちろん断然嬉しいですが、評価、コメントもお待ちしています。

厳しい評価も文を成長させてくれるエネルギーなので皆様のエネルギー注入お待ちしています。


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