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(クラスメイト視点)

すみません。またまた間があいてしまいました。頑張ります。

ほとんどが持ち上がりの人で占められているこのSクラスに、編入生が来ると聞いて、正直ほっとしていた。

数少ない編入生のほとんどが特Sクラスに入るし、正直期待してなかっただけに、その編入生が女の子だということに更に喜びが増した。

だって、これで一年間の“最下位”は決まったと思ったんだもの。




女子の社会は、序列でできている。

しかも、その序列が決定してしまえば、覆すことはかなり難しい。

そんな中で、中等部から編入してきた私は、女子の序列最下位だった。

家は、裕福だったが、この学園でいえば、かなり下の部分。

顔も普通だし、勉強は頑張っているけれど、Sクラスに入るのがやっと。

センスがいい訳でもないし、誰かに自慢できるような恋人がいる訳でもない。

友達づくりもうまくいかず、無視されている訳ではないけど、かなり影の薄い存在だと思う。

どこかのグループに属せた訳でもないので、グループに別れなきゃいけないときはいつも辛かった。

三年間、友達らしい友達もできず過ごしてきた。


でも、今日からは、その編入生に声をかけて、一緒に過ごせばいいと思った。

幸い、顔立ちは普通だったし、持ち物を見ても、家柄がいいとは思えなかった。

だから声をかけて仲良くなろう、そう思って、私にしては勇気を振り絞って声をかけたら笑顔で返してくれて本当に嬉しかった。



それなのに!




「綾香さま、おはようございます!」

「おはようございます、綾香さま!」


「ああ、麗香様に桜子様。おはようございます。」


このクラスというか、この学年での女子のトップクラスの麗香様と桜子様が親しげに声をかけて、綾香ちゃんに抱きついた。


このお二人は、クラスこそ特Sではないけれど、特Sの女子が編入生しかいないこともあり、確実に一年生女子のトップ。

どうして、 綾香ちゃんと関わりがあるんだろう?



そのあと、綾香ちゃんから麗香様と同室だと聞いたけど、それにしても、お二人とも綾香ちゃんが好きすぎると思う……。

私が綾香ちゃんに話しかけると、綾香ちゃんに見えないように睨んでくるし、私の“綾香ちゃん”呼びを非難してきたりした。

それでも、やっとできたお友達だったし、頑張って綾香ちゃんに話しかけていたら、お二人も認めてくれたようで、四人で行動することが多くなった。

といっても、綾香ちゃん好きが、綾香ちゃんの周りに集まっている感じだったけど。


最初は打算から綾香ちゃんに声をかけたけど、今では綾香ちゃんのことが大好きだ。

綾香ちゃんも私のことを大事な友達っていってくれてるし。

幸せ~。

麗香様と桜子様にも「ライバルとして認めますわ!」と認めてもらって、いい関係が築けてきた……と思っていたのに。



……いつのまにか綾香ちゃんを大好きな人が増えていた。



今度は生徒会副会長の宮越ほのか先輩と監査委員会委員長の花森あやめ先輩。


ほのか先輩とあやめ先輩も交えての六人で、朝食をとる食堂に集まって行動するようになり、朝の弱い綾香ちゃんのために、みんなが動いている。

食事を用意したり、綾香ちゃんの髪の毛をしばったり……それを嬉々としてしているものだから、私たち六人は仲良しグループとして周囲に認識されたようである。



そして、二年生女子のトップであるお二人が綾香ちゃんのことを大好きになったおかげで、自動的に、この学園の女子トップが、ほのか先輩、あやめ先輩、麗香様、桜子様、綾香ちゃん、わ…私の六人グループになっていた。


ちょ……ちょっとこわいけど、でも綾香ちゃんから離れるつもりはないし、頑張らなきゃ!



『ありがと、朋ちゃん。大好きよ。』



えええええーーーーー!!!!!?????


は……初めて聞いた綾香ちゃんの特別な声に腰砕けになりそうだったけど、なんとか耐えきった。


「私も大好きだよ!綾香ちゃん!」


……綾香ちゃんってこんな素敵な声してたんだ……。

後ろであやめ先輩が真っ赤になっている。

気持ちはわかる……。

この声も含めて大好きだよ!綾香ちゃん!

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