入学式で観察しましょう
「…勉学に、運動に励むように。」
……乙女ゲーム?
入学式の挨拶で壇上に立ったのは、思わずそう思ってしまいそうな、生徒会の方々でした。
この学校では、生徒の自主性を育て鍛えるとの目的から、生徒に自治を行わせているそうです。
必然的に、生徒会や、監査委員会、風紀委員会の権力が大きくなっています。
教師と同等の発言力、決定権があるってすごいですよね。
ですが、良家の子息である以上、いずれは人の上にたち、人を動かしていかなければいけないので、経験を積み、自覚を持たせるという意味では、当たり前のシステムなのでしょう。
役員は、年に一回の選挙で決めるそうなのですが、今期の役員はどこも素晴らしく、能力も家柄も容姿も、歴代最高らしいです。
……こんなのは、漫画か小説か乙女ゲームの中だけかと……。
だって!全員がイケメンもしくは美人なのですよ!?
本当に能力で決めたのかと疑ってしまっても仕方がないと思います!
投票は投票でも、単なる人気投票になっているのではないかと危惧しました。
だって、下手な方々に自治されては、私の楽しい学校生活に支障がでるでしょう?
でも、麗香さまや桜子様の話を聞くと、本当に優秀みたいです。
家柄がよく、学業も優秀。まあ、同条件の方はほかにもいたそうですが、見た目って大事ですもんね。能力が同じなら、見目麗しいほうが選ばれるのは当たり前ですね。
……それならそれで、利用させていただきましょう?
しばらく観察を続けた結果、生徒会長である橘龍一郎。副会長の宮越ほのか。
監査委員会委員長の花森あやめ。
風紀委員長の橘玲一郎。風紀副委員長の松浪雅信。
以上の五名に堕ちていただくことにしました。
生徒会長が味方ですと、色々と便利そうですし、会長の家は日本有数の財閥。
お金持ちの人ってたーくさん貢…いえ、プレゼントしてくれるので嬉しいんですよね。
テンプレ通りに俺様なので、プライドが高そうです。
プライドが高い人って自分から『好き』が言えないので都合がいいんですよね。
副会長の宮越ほのかさんは、大病院のお嬢様。
大変美人でセンスもよく、売れっ子のモデルもしています。
そんなこともあり、学園の女子を束ねる方でもあります。
女子は階級意識が高いですからね。
この方を味方につけてしまえば、そうそう私に手出しはしてこないでしょう。
花森あやめさんは、警察の上層部に親御さんや親戚がたくさんいらっしゃいます。
本人も、可愛らしくて、ちょっと幼い外見からは予想もできないほどの武道の達人です。
この方がいれば、うっとうしいストーカーや盗聴などの犯罪の煩わしさから逃れられるでしょう。
風紀委員長のお家は芸能一家です。
本人もとても美しいです。
ともすれば女性的なその美貌が、男性的に見えるのは、鍛え上げられた体躯のせいでしょう。
スポーツも万能だそうで、女子の憧れの的です。
松浪雅信さんは、唯一の一年生です。
入学したてで風紀!?とも思ったのですが、伝統的に、中等部の生徒会長と風紀委員長は、生徒会と風紀にすぐ入ることになっているのだそうです。
元生徒会長は庶務として入っているのに、松浪さんは副委員長を任されているあたりからも、本人の能力の高さが伺えます。
さ~て、誰から私に堕ちて貰いましょう?




