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DUST & CREDIT  作者: てきてき@tekiteki


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第28話 ダンスバトル認証!?

 白い光の中から、Anneが戻ってきた。

先ほどまでの重厚な扉は、静かに開いたままだった。



Yajii「Anne!」


Anne「はい」


Yajii「大丈夫か?」


Anne「問題ありません」


Kitterr「何があった?」


Anne「分かりません」


Yajii「……」


Kitterr「だろうな」



Anneは二人の前まで歩いてきた。

その時だった。


 ピッ。


研究所のどこかで、小さな電子音が鳴った。

Anneが振り返る。


 ピッ。


今度は、Anneの胸の六角形が光った。

研究所の壁にある小さなランプが点灯する。


 ピッ。


Anneの胸が光る。


 ピッ。


壁が光る。



Yajii「……なんだ?」


Kitterr「知らねえよ」



博士は黙って見ている。

Josiahも動かない。


Anneは壁を見る。

そして、右手を上げた。


 ピッ。


壁が光る。

Anneが左手を上げる。


 ピッ。


別の場所が光る。

Anneが一歩下がる。


 ピッ。


研究所の奥が光る。



Yajii「おい」


Kitterr「何やってるんだ?」



Anneは答えない。


右手を上げる。

左手を上げる。

身体を少し横へ向ける。


そして、突然。

両手を胸の前で交差させた。


 ピピッ。



Yajii「……」


Kitterr「……」


博士「……」


Josiah「……」



Anneがそのまま静止する。



Yajii「あれ、なにやってるんだ?」


Kitterr「雨乞いかなにかじゃねえか」


Yajii「なんで地下で雨乞いするんだよ」


Kitterr「黒いドロドロが増えるようにね」


Yajii「嫌だな、それ」



Anneが突然、身体を回した。


一回転。

二回転。


そして、妙な姿勢で停止する。



Yajii「ダンスバトルか?」


Kitterr「そんなに高度な動きも……」


その瞬間。

Anneが両手を床についた。

身体を回転させる。


 ぐるん。


 ぐるぐる。


そして、ウィンドミル。



Yajii「……」


Kitterr「……」


博士「……」


Josiah「……」



Anneは何事もなかったように立ち上がった。



Yajii「ダンス会場なんだな」


Kitterr「どこからそういう結論になるんだよ」


Yajii「音楽が無いのが残念だ」


Kitterr「地下研究所に何を求めてるんだ」



Anneが首を傾げた。



Anne「音楽……」



その瞬間。

研究所のどこかで、


 ピコ。


と音が鳴った。



Yajii「お?」


 ピコ。


 ピコ。


 ピコピコ。



Yajii「おお!」


Kitterr「いや、ただの電子音だろ」



さらに音が続く。


 ピコ。


 ピコピコ。


 ピ――。


突然、音が途切れた。

そして、警告音が鳴った。



ピィィィィィ――。


 『警告』


ピィィィィィ――。


 『警告』



Yajii「……」


Kitterr「……」


博士「……」


Anne「……」


すると……。


 『警告、警告、警告――』


ケケケケケケケケ――。



音声が細かく切り刻まれた。


さらに。


 ピコ。


ケケッ。


 ピコピコ。


ケケケケ――。



Yajii「なんかかっこいいなあ」


Kitterr「何でだよ!」


Yajii「ほら、DJみたいじゃん」


Kitterr「警告音だぞ!」


Yajii「でも、ほら」



ケケケケケ――。



Yajii「いい感じだろ?」


Kitterr「知らねえよ!」



Anneは音を聞きながら、しばらく考えていた。

そして。


Yajii「チークタイムはありますか?」


Kitterr「あるわけないだろう!」


Yajii「まあ研究所だもんなあ」


Kitterr「そういう問題じゃねえ!」



Anneは二人を見る。

そして、静かに首を傾げた。


やがて。


 ピッ。


最後の電子音が鳴った。


Anneの胸にある六角形が、ゆっくりと光る。

今度は、研究所の奥からも光が返ってきた。


 ピッ。


 ピッ。


 ピッ。


まるで何かが確認を続けているようだった。


Anneは動かない。

研究所も動かない。


数秒。

さらに数秒。


そして。



Anne「認証終わりました」


Yajii「え……?終わったの?」


Anne「はい」


Yajii「ダンスは?」


Anne「ダンス?必要ありません」


Yajii「……」


Kitterr「なんかさ、残念だったな」


Yajii「うん……」



KitterrがYajiiの肩を軽く叩く。



Kitterr「また次がある」


Yajii「何の?」


Kitterr「知らねえよ」



Josiahは、まだ呆然としていた。

博士も何も言わない。


ただ、研究所は静まり返っていた。


先ほどまで鳴っていた警告音も。

ピコピコという電子音も。


すべて消えている。


Anneの胸の六角形だけが、一度。


 ピッ。


と光った。


誰も動かない。

何も起こらない。


その時だった。

研究所の奥から。

低く、落ち着いた電子音声が響いた。



system「研究室のカスタムを開始します」


Yajii「……え?」


Kitterr「……なんだ、それ」


博士「カスタム?」


Josiah「……」


Anne「……」



誰も、意味を理解できなかった。


そして、研究所の奥で。


 カチリ。


何かのスイッチが入った。

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