迎撃、軽トラ女子
セブン◯レブンさんのバターチキンカレーとナンが美味しい。
2つあわせて買っても500円しないんですよ、奥さん。
リューツァさんとふたりで夜道を歩く。
なんと今夜はリューツァさんのお宅にお泊まりとなった。
出会った当日にお泊まりとか、どれだけ人が良いのだろうか?
宿を決めてなくて良かった。
大通りは鐘6つを過ぎても明るい。
街灯が等間隔で建っているためだ。
でも裏通りは予想通りの真っ暗け。
店や家の窓から漏れる灯りでやっと歩ける程度。
「その時のリバイゾ叔父様ったら、本当に得意げなお顔でしたのよ。」
「うわぁ、何か想像出来ます。」
話のネタはクトレー商会の長、リバイゾさん。
テキーラ勝負をしたことを話したら、過去の面白話を教えてくれた。
《戸倉様》
突然、ナビちゃんが私を呼んだ。
どうやらリューツァさんには聞こえていないみたいだから、頭に直接話掛けて来ているんだろう。
何、ナビちゃん?
《武装したチンピラが2人、後をつけてきています》
そっか。教えてくれてありがとう。
《足止めしますか?》
いや。ただの破落戸か、それともあのアホンダラの関係者か知っときたいからもう少し泳がせる。
《畏まりました》
もし声も掛けずに襲ってきたら、私の左手に杖を出して。
《はい》
ミニカー軽トラちゃんをポケットから出して右手に持つ。
親指で2回撫でるとフロントライトを点灯してもらえるように、前に合図として決めていた。
「暗くてよく見えないので灯りを点けますね。」
「まぁ、とても小さいのになんて明るいのでしょう。魔道具ですか?」
「んー、私の相棒みたいな子です。」
パカパカパカパカ
「あら点滅してますね。」
「可愛いでしょ?」
「えぇ、そうで……」
《祝福されし杖を排出します。ご注意下さい》
しゅと!
がしぃ!!
ぶぅぅぅん
「てりゃあ!」
ナビちゃんのアナウンスが聞こえ、お願いしたように左手に杖が現れた。
瞬間。しっかりと握り、振り向きざまにスイングする。
「ぐあああっ!!」
お、届いた。
リューツァさんも振り返り襲撃者を睨む。
「貴方達、強盗ですか?」
「ただの強盗なら先に声を掛けて、金品を要求しますよ。」
杖を構え、左足を半歩下げる。
「誰かに頼まれたのか?……例えば、どこぞの商会のアホンダラとか。」
「うるせぇ、大人しく死にさらせえぇ。」
図星か。
もう1人の男がダガーを振り下ろそうとしたが、んなもん誰が喰らうか。
私は逆に相手に飛び込み鳩尾を突く。
「ぐぇっ。」
すかさすナイフを、持つ手の指を杖で殴る。
「てめぇぇえ!」
返す流れで更に踏み込み左側頭部を殴打。
そのまま相手の右に回り込み膝裏を思い切り蹴ってやった。
「ぐはぁっ!」
本当なこのまま足を折るか、金的で男としての尊厳そのものを木端微塵にしたい所だが我慢。
杖に後ろ手を絡めて全体重を掛けて地面に抑えつける。
脱臼するかも?
刃物持って襲ってきたヤツの心配なんぞせん。
少し離れた場所ではリューツァさんが、最初に私が殴ったヤツにハンマーロックを極めていたし。
きっと、同じ考えなんだろうな。あの技もエグい。
軽トラちゃん「ボクはちょっと大きくなって、照明係をしていました。」
ナビちゃん《大切なお仕事ですよ》
軽トラちゃん「あとね、下僕召喚して他の人が来ないように見張ってたの。」
ナビちゃん《よく気が付きましたね》
軽トラちゃん「そろそろアイツら収納しちゃう?」
ナビちゃん《もう少し様子を見ましょう》




