次の行き先決定、軽トラ女子
無性にガトーショコラが、食べたくなって買ってきました。
小さめのホールで税込500円
良い買い物したなぁ。
「そっかぁ、今日ルーゼンから旅立つなら来て正解だったね。」
「そうですね、助かりました。」
ジュリアさんとコーヒーを飲みながら他愛ない会話を続けていた。
ジュリアさんは午後からのお仕事だそうで、トリノスでまったりした後に直で南門に向かうと言っていた。
「次は何処に行くの?」
「そうですね……この大陸を隅々見たいので、次は南東の門からその果てを目指してみます。」
「南東ならリゾート地だね。お金持ちとかお貴族様なんかがよく遊びに行ってるよ。」
え、リゾートとか興味ない。
よく『沖縄旅行に行ってきたの、リゾートホテルでずーっと過ごしたよ』って聞くけど、ホテルから動かないなら何処のリゾートホテルに行っても変わらんのでは?と思う。
「リゾート以外には何も無いんですか?」
「南東の村では工芸品の生産が盛んだ……。質が良い物を仕入れて来てくれりゃ買い取るぜ。」
「あ、昨日私にテキーラ勝負で負けて専属契約を完全に断られたリバイゾさんだ。」
「姉ちゃん、あんたどんだけ酒に強いんだよ?俺ぁ気を失うなんざ、初めてだ……。アリーちゃん、水くれ。」
まだ頭が痛いのか、リゾートさんはふらふらと勝手に同じテーブルの席についた。
「うわぁ、ケーコさんって酒豪なの?」
「酒豪なんてもんじゃないよ、この娘は。」
「いやぁ、それほどでも……。」
「何照れてんだい?誉めてないよ……。はい、水。400イェン。昨夜の飲み代と宿泊代に追加して請求しとくよ。」
「水くらいサービスしてくれよ……。」
アリーさん、強い。
いくら私でもそこまで搾り取れない。
水を口に含んで少しずつ嚥下しているリバイゾさんをちらっとみながら、流石にやり過ぎたと反省。
「年には勝てないってことですね、クトレー商会の会長さん。」
ジュリアさん、それ追い討ち!
「ぐっ……。俺もあと10歳若けりゃ、有能な収納師を囲い込めたのに。」
囲い込むとか言うな、心配して損した。
「姉ちゃん、アンタ地図は持ってんのかい?」
「いえ、すっかり買うのを忘れてました。」
「ケーコさんって、大物なの?ただのぼんやり?」
「行き当たりばったりなんだろうさ。」
そのとおり。
計画性ってのが足りないんだよなぁ、私は。
一応、考えてはいるんだよ。
思い付かなかったり、忘れたりするだけで。
「出発する前に買いに行くかな、地図。」
「だったらやるよ。専属ってのは諦めるが、お得意様ってとこでケリつけようや。」
「まぁ、優先的に売買するのは吝かではありませんね。」
「おぉ、これがルーゼン商業界の歴史的瞬間とか言われるようになるのかな。100年後とかに。」
「商会の地図は、それだけで通行証になる。姉ちゃんに渡すのはクトレー商会と対等に取り引きしてる商人の証だ。どこに行っても無下にはされねぇ。」
それは助かる。
冒険者ギルドで登録しなかったし、身分を証明する物は何も無かったからね。
「リバイゾさん、ありがとうございます。」
「おぉよ。良いもん沢山仕入れて売ってくれや。」
軽トラちゃん「ご主人って、大人になってからお酒飲み始めたんだよね?」
ナビちゃん《……そうだと良いですね》
軽トラちゃん「もしかして、ご主人のお父さんとお母さんもお酒強いのかな?」
ナビちゃん《その説でいきましょう、コンプラ的に》
軽トラちゃん「コンプラ?」




