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50 大戸15

50 大戸15


 親子の感動の再開シーンが展開された。


「母ちゃん、父ちゃん!」


「鉄輝っ、よかった、すれ違うかと思ったぞ」


「迎えに来るの遅れてごめんね」


 うん、良かった良かった。その後、大戸の方へ移住するらしい。


「…水を差して悪いが、私はギルドの者で華代と言う。少し話を聞いていいだろうか?応じてもらえれば、多少心づけをしよう」


 少し遠慮がちに華代さんが割って入った。この両親は魔物の襲撃の時に、周辺の測量の為に村の外に出ていたらしい。


「その時の様子はわかりませんが、魔物達がどちらから来たかは分かります。私たちはこういう回り方で測量をしていたので、恐らく北東から来たのかと」


「ふむ、なるほど…これはこれで参考になった。大戸の方へは私が手配しよう。その…達者でな」


 親子が大戸へと帰って行った。えーと、私たちは何してたっけ?そうそう、お店の準備してたのか。




「朧殿、少しいいだろうか」


 え、やだよぅ。今日は休むんだ。


「なに~?」


「狭い仮設ギルドだが、あちらで話をしよう」


 なぜか学園組も含めた一同がギルドへ、食堂兼酒場兼カフェな一角、というかテーブルと椅子があるだけの場所に来た。昨日に比べ、更に転移者らしき人物が増えている。シエラの膝に乗せて貰う。あ、巫女さん発見。


「すまない待たせた。朧殿、率直に言って、村の開拓を手伝って頂けないだろうか」


 ギルマスの部屋で何か用事を済ませた後に華代さんが慌ただしく席に着くなり切り出した。


「私、ここで雑貨屋がしたいの…体が弱いから、魔物に襲われたら私死んじゃうよ?こわぃよぅ……」


「む……そうか……。では、開拓村近辺の採取などはどうだろう。ギルドで便宜を図るので、朧殿は好きに採集をしてくれて構わない。珍しいお花とかちょっと取ってくる。そんな感じだ」


 椅子に座っている全員分の飲み物が運ばれてきた。給仕さんは割烹着と鎧が融合した様な服を着た冒険者の人だ。び、微妙。


 …華代さんの申し出について考える。こちらに何か義務が発生するわけでもないし、素材採集はしてみたかった所だ。悪くない。それなら、まぁ。


 というか演技が全く通用しない。棒読みがいかんのか?


「うん、本業にはしないだろうけど、それでいいなら」


「そうか、では後ほどこの周辺の地図の複製を渡そう」


「そんなの貰っちゃっていいの?」


「誰彼構わず渡している訳ではない。朧殿を信頼しての事だ。気に病まないで欲しい」


 相手に「信頼してる」と言う奴ほど信用ならないことは無いよね。華代さんはホントにそう思ってるだろうけどさ。


「ありがとう、貰うね。その地図、他人に渡さない様にした方がいいよね?」


「むやみに広めなければ大事ない。この近辺の地図は日々書き換わるから、悪用もしづらいだろう」


 なるほど確かに。大戸の詳細な地図なら軍事機密的に管理されるべきだが、開拓村周辺の地図はそこまででも無いのか。最新の地図はそれでも重要だとは思うけど。


「うむ、ではアカデメイア学園組はこのまま輸送を頼む。拙者は情報整理でここを動けないのでな」


「ツカサ、後で私のお店に来て。お守りの棒を貸してあげる」


 いっつもうーたんを貸し出せる訳ではない。聖剣ヒノキボルグを貸しておこう。防御に関しては最高の性能と言ってもいいからね。私とシエラとスズカは先に店に戻った。


「朧先生、お守りの棒ってもしかしてそこの棒ですか?」


「そうだよ、私が作った聖剣ヒノキボルグって言うの!言っておくけど、めっちゃ強いよ」


 レジの脇に立てかけてある棒キレにお会計判子を押してからツカサに投げ渡す。


「軽い。超硬い。振ると光る。素振りをすると空気弾が飛ぶ。殺傷力は低いけど、防御には向いてるよ。貸すんだからね」


「朧先生、ありがとうございます。お借りします」


「さぁ早く行った行った。私ちょっと眠くなってきたから」


 休日の予定だったのに色々あって眠くなってきていた。ツカサを追い出して一息ついたらもう瞼が重くなってきていた。生活リズムがおかしいかな。


「ふぁ~。。。スズカ、私ちょっとお昼寝してくるね」


 応接間のソファーまで歩いたところで、もうここでいいやと思い寝転がる。


 ……。


「おはようございます。今はこちらの時間で午後二時程です」


 毛布をめくって体を起こし、ソファーに座り直す。シエラが乱れた私の服装を正してくれる。


「ありがとう、シエラ」


 お店の方に行ってみる。スズカは店番を手伝いながら、魔道具の魔法式を調べているみたいだ。勉強熱心だね。

 スズカのユニークスキルは【魔法言語適正】これは魔法言語の理解に才能を発揮するスキルのようだ。確かに魔道具を作るのは適正あると思う。



 何と言うか、皆はこの世界で生き生きとしているのに、私は強力な魔法があるからか、どうにも充実した異世界ライフを送っている気がしてこない。理の神から言われた『世界のバランスを保つ』と言う目的は、そもそも世界の外側からの考え方だろうと思う。


 かと言って、本気で何かやろうとすると異世界がめちゃくちゃになる様な気がする。というか確実にそうなるよね。


 物事を大きく見すぎていて、道に入っていけてない感じだな。よし、昼下がりはこの周辺をぶらぶらしながら山菜取りに出かけよう。犬も歩けば棒に当たれる。


「スズカ、私はちょっとお散歩してくるけど、一緒にくる?」


「あ、朧先生おはようございます。そうですね、ご一緒してもいいですか?」


「うん、じゃあ一緒にいこ~」


 茶うーたんズも引き連れて出発である。っと、地図くれるんだっけ?まずはギルドに寄ろう。


これで50話ですね。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

これからもマギ・ヘイズを宜しくお願いします。

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