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44 大戸11

44 大戸11


 うーん、今日のベッドは硬いな、枕は高いし…


「お早うございます、お嬢様」


「ふぎゃっ」


 起き上がろうとして長椅子から落ちそうになった所をシエラに支えられた。鍛冶が終わってみんな寛いでいるようだ。が、私が起きたことでこちらを一斉に見てる。


 なんかドッキリされたみたいで恥ずかしい。


「装備の整備は終わったの?」


「みんな終わったにゃ~」


 じゃあここで何してるんだろうか、聞いてみよう。


「みんなは何してるの?」


「朧殿、そのことなのだが、この建物のどこでもいい、冒険者の何人かを泊めて貰えないだろうか」


「うーん、泊まれる部屋はいくつかあるよ。タダだと外聞悪いから家賃取るよ?」


「おお、宿用の部屋があるのか、どのくらいの部屋か聞いても?」


「このくらい?」


 幼女がこのくらい~って手を広げてもダメかな。風魔法で半透明なブロック陽炎でなんとなく部屋を再現する。ホログラム的なやつ。比較対象はうーたん。


 普通に部屋見せればよかったわ。


「こんな感じだよ~」


「ビジネスホテルだな。ベランダ付きか」


 リュウゲンが地球知識チートを発揮した。そのとおり、でもユニットは無いからね。水回りは一階です。


「みんな泊まるの~?」


「五人程泊めて貰えれば、残りはギルドの部屋で足りるだろう」


「じゃあ学園組でいいかな?客室は丁度五部屋あるから」


「頼めるか、明日は早めに出立したいのでな。一人金貨一枚でどうか?」


「いいよ~」


 シエラが不安げにこちらを見ている。分かってるって。


「私とシエラが泊まる部屋が足りないから、私たちは転移門で移動してマルタの学園で寝るよ~」


「重ね重ねすまない、宜しく頼む」


 幼女と一緒のお風呂に入っるなんて犯罪だからね。ツカサあたりはラッキースケベ補正値が高そうだしな。

 流石に意識過剰か、6歳幼女に欲情するなんて変態はそうそういないだろう。普通にお兄ちゃん面するに違いない。でも体を洗う時にジロジロと観察したり、ちょっと元気になったりしちゃうんだろうどうせ。やーんダメダメ!シエラに壁の染みにされてしまう可能性が高い。


 っというわけで店番うーたん達の仕事に宿経営が追加された。うーたんの暴動とか革命が起きないか不安だが、なぜか嬉しそうに『うー、うー』と鳴いている。逞しいなぁ、そしてかわいい。

 手頃なうーたんに抱き着いてぎゅーっとする。もっふもっふやぞ。


「じゃあね、みんな、うーたん達に迷惑かけちゃだめだよ?」


 まぁ問題ないだろう。制御室にある転移門を回転させてマルタにある銀の塔10Fの私のフロアの実験区画に転移した。

 実験区画を出て窓から外を見ると、うっすらと空が白んでいた。徹夜からの夜明けコンボを見ると一気に疲れるんだよね~。

 まぁさっきまで寝てたんだけど。早く二度寝しよ。シエラに寝る準備を手伝ってもらい、ベッドに潜りこんだ。ここのベッドは最高だ~、ネグリジェとフカフカベッドを体で挟んで堪能して、ぎゅ~…。




「んあー、シエラぁ、おはよー」


「お早うございます、お嬢様。時刻は正午です」


 結構寝たね。ガバッと起きてぼーっとする。通常通り身支度を済ませて一階の食堂へ。


「これは朧嬢、ご機嫌麗しゅう」


「おはよ、シーゼル」


「昨日は夜遅くまで…ああ、大戸との時差ですね。ご自愛ください」


 いちいち要らん気を回すイケメンだな!あざとい、実にあざとい。しかも女生徒を侍らせている。何してるんだろう。


 へんとうしだいではコロすぞ。


「シーゼルは今何してるの?」


「塔で学生を交えての魔法研究を始めました」


 これ完全にエッチぃレッスンとか補習とか魔法とかでドロドロしちゃう奴だよね。淫紋?良くわからんけどそういう感じのなんかえっちっぃやつな。しーぜる最低だな。


 ほらぁ、シーゼルはもう枯れてる魔法バカだとしても、女生徒は完全に寝技かける気だよ?大丈夫かなぁ……。


 五人いる女学生のうち二人程こちらに虐めっ子目線を送ってくる。完全に狩場に紛れ込んだ同業者を見る眼だわ。こちとら6歳やぞ。ヤメテヤメテェ!コワイよぉ~。


 そして一人は目がハートになってこちらを見ている。あれ?シーゼル目当てじゃないのか?この娘が一番怖い。身の危険を感じる。ぶるぶる。

 残り二人はシーゼルにここぞとばかりに笑顔を振りまく。難儀やねシーゼルさん。

 外を見るとお兄さんお姉さん達がこちらを『キィ―っ』って音が出そうな顔でこちらを見ている。なんだかよく分からないけど隣に異性が居るじゃん。いや、リア充は爆発しろ。そのままでよし。春を待ち焦がれて凍死しろ。




 ナポリタンを二人で食べ終えて、私は天界ネクターを飲む。あ、そういえば兎蔵(ウーストア)の商品の在庫ががっつり無くなってたんだった。


[朧幼女]『うーたん、こっちに何匹か転移してお店の仕入れできる?』


[うーたん]『うーうー』


 ブルーチームが来た。二班に分けて白金貨をそれぞれ5枚配って前回と同様にマルタの街に送り出す。私はそろそろ向こうに戻らないといけないので、勝手に数時間ぶらぶらと買い物をして帰ってくるように指示しておいた。


 そうこうして東列島のう~ストア一号店に戻ってきました。


「朧先生、お早うございます」


「おはよー」


 ツカサ達は既に起きている様だ。更に冒険者装備になっている。


「もう出発するの?」


「後、半刻ほどしたら出発する予定ですよ」


 私はお店でのんびりしたいので、今日は黄色うーたんを三匹随伴させる。私が遠隔操作をしないこと以外は昨日と同じである。さてどうなってるかな、普通に更地になってるかな~、…後始末は任したよ~。

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