偉い人.1
とりあえずひと段落して俺達は教室に戻った。
(ガラッ)
教室の中に入ると既にさっきの先生が待っていた。
「皆さん、お疲れ様です。とりあえず席に着いて下さい。」
(いや席にはもちろん着くけども、結局誰なんでしょうか・・・。)
三か月前にこの学園に入ってから、なんせ初めて見る先生だからな。
もしかしたら新人の先生かもしれんが・・・。
でも、新人の先生をナッグ先生の代理で学園側が頼むってのも何かしっくり来ないしな。
ふむ。とりあえず場の流れに身を任せるとしよう。
「先に自己紹介をすべきですね。生徒達の前に出るのは久方ぶりですから。」
(まぁ、そりゃ当然のマナーだよな。)
「では改めて、私はこの学園で副校長を務めさせて頂いているギルド=リィンです。しばらくナッグ先生は不在なので私が代わりにDクラスの教師として務めさせて頂くのでそのつもりで宜しくお願いします。」
(ふ、副校長だったのか。)
開いた口が塞がらないとはよく言ったもんだ。
俺も含めた5人全員が放心状態みたいになってるもんな。
セナの様子を見た感じセナも全く知らなかった様子だし。
っていうか、ユナ曰く大会前にはいるんじゃなかったか?
まぁ、今はナッグ先生の事を気にしても仕方ないな。
(ガタン!!)
「は、初めまして!お、俺・・・いや、私は東都市リュヘムからこの学園にやって参りましたペイル=ヴァンと申します!宜しくお願い致します!」
(うお。何だ何だ。)
突然席から立ちあがったと思ったら緊張しまくりの感じの挨拶だな。
いつものヴァンじゃないな。
「ハハ。元気のいい挨拶ですね。だが、ちょっと力を抜きましょうね。」
「は、はい!す、すみませんでした!」
って言われながら謝ってるけど、ヴァンの表情が見た事ないくらい嬉しそうな感じだな。
ヴァンの初めて見る態度がすごく気になるしコソっと聞いてみるか。
「珍しいね。ヴァンが緊張してるなんて。あの副校長知ってる人?」
「キ、キョウ。お前知らないのか?あの人は伝説の一人であり最強の称号を手にした人だぞ。」
「ご、ごめん。そういう話を聞いた事なくて。」
(ミコトどころかナッグ先生にも聞いてないしな。)
「伝説のメンバーである、ローランド様とクリス様、それにケオン様、そして今俺達の目の前にいるのがリィン様だ。」
(今めっちゃ気になる名前が出てきた気がするけど・・・多分気のせい・・・。)
「その中でもリィン様は俺が目指す王国属性者でもあった人だ。俺にとっては神も同然なんだ。」
ふむ。とにかくだ。ヴァンの言いたい事は何となく分かった気がする。
まぁカリスマ性もありそうな人だし、熱狂的なファンが崇めてる芸能人にでも会った時みたいな感じか?
う~ん。さすがに前世でもそういう経験はないから正直気持ちは分からん。
(まぁ、今のヴァンの話で気付いたのかペンもセナもラルドもリィン先生の事は知ってる様子だな。)
「し、知ってるわ。伝説の一人の英雄、ギルド=リィン様・・・。まさかこの学園にいたなんて。」
「この世界で最強の男じゃねぇか。マ、マジかよ。」
「ゆ、夢みたい・・・。」
四人共まるで小さい頃に感動して目をキラキラさせてた子供みたいな感じになってるな。
「私の事はよく知ってくれてるみたいですね。でもまぁ、昔の話ですからね。」
うわぁ。「そんな昔の話興味ないんです。」みたいな顔して。




