生と死の大会.2
もしかしたら俺だけかもしれんけど、今さら大会の参加するかしないかとか訳が分からん。
まぁ、この大会に関しては正直他の生徒達に比べて理解できていない自信だけはあるし大人しく話を聞こうかな。
「知っている生徒もいると思うが、これから始める試合は下手をすれば死ぬ危険性が伴う。ここで潔く辞退するのも一つの経験だ。考える時間を与える。15分待つ。」
っと言うとゴーラン先生は一歩後ろに下がった。
(マジか。それなら辞退してもいいんじゃないか?)
こういう異世界で前世とは違い能力を使った戦いをもっとしてみたい気持ちはあるけど、転生して早々に死ぬのも怖い。かと言ってここで辞退するのは一生懸命鍛錬に付き合ってくれたユナに申し訳ないし。
ー10分経過・・・。
(さてどうしたものか。)
周囲を見ても、誰も辞退する気配がないぞ。
これは全員覚悟の上って事だよな。
まだ子供だってのに胆が座ってるな。
とりあえずヴァン達に確認をしてみるか。
俺はDクラスのメンバーに自分から聞いてみる事にした。
「皆、後5分しかないけど参加するの?」
っと俺が言うと、今まで黙りこんでいたヴァンが口を開いた。
「俺は王国属性者になりたいからな。この程度の大会で逃げ出しては命の危険が常にあるとされる王国属性者になんてなれるはずもない。だからこそ参加する。」
(ふむ。いい事を言う。)
「ふん!参加するに決まってるだろ。」
(まぁラルドはそうだわな。)
「私ももちろん参加するつもりよ。学園職員を目指す私にとって学園の行事は絶対にやらなければならない事だから。」
(セナも本気か・・・。)
「ぼ、僕は・・・。」
(おや?)
てっきり辞退する気配がないから、このまま参加するのかと思ったけどそうでもないのか?
ペンの性格を全部知ってる訳じゃないが、このメンバーの中で一番優しく一番大人しい性格なのは間違いない。
「ちなみに俺も参加するよ。自分の力がどれくらいなのか知りたいし、ユナ先輩との鍛錬を無駄にはしたくないからね。」
っと、とりあえずペンよりも先に俺からDクラスメンバーに俺の気持ちを伝えた。
「僕は・・・冒険者になりたい。だけど、正直怖いんだ。」
ふむ。その気持ちはよく分かるな。俺だって怖いし多分だけどヴァンやラルド、それにセナだって怖くない訳がない。
命を懸けなくてはならない状況だと普通誰でも嫌がるだろうけど・・・。
「でも皆が参加するのなら僕も・・・。」
「ペン!!」
っとペンが話してる所に突然セナが大声で口を開いた。
もちろんその声に反応して他の生徒や先生もセナに注目した。
「この大会は皆真剣に望んでるの。誰も怖くないなんて思ってる人もいないわ。それなのに皆が参加するならってどういう事!皆じゃなく貴方自身の気持ちがあるでしょ!貴方の!貴方だけの想いで決めなさい!」
セナがここまで大声で怒鳴って言うなんて。
セナの手を見ると震えてる。セナ自身、自分に言い聞かす為でもあるんだろう。
だが、セナの言い分は間違ってない。
オッサンの俺なんかよりもセナの方が一生懸命生きてる大人だな。
俺も気持ちを切り替えなきゃな。
ただ、できれば一つだけ言いたい。
「お前達全員本当に13歳の子供なのか!」っと・・・。
どういった環境で育ったらこんな大人みたいなのになるんだよ。
・・・15分経過。
そうこうしている内に時間が来てしまった。




