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転生したら王位争いに巻き込まれたんだが~知識と力で全てをねじ伏せる~  作者: 東西南北


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6.王からの急な宣告

 それは、唐突なことであった。


 王宮内で一番広い場所である玉座の間。

 そこに集ったのは、ルークを含めた十八人の王子や王女たち。

 彼らが一堂に会することは滅多にない。

 彼らが集まる時は一人の人物に呼び集められた時だけ。

 

 全員が集まっても誰一人として言葉を発することはしない。

 いや、出来る筈がない。こんな殺伐とした雰囲気の中で。

 一秒経過する毎に、その場の空気が張り詰めていく。

 そんな空気を破るのは一つの足音。 

 静かな空間で響く足音は、玉座の前で止まった。

 

 足音の主が玉座に腰かける。

 それを見て、王子や王女が一斉に膝をつく。

 

「皆、面を上げよ。今日はよくぞ集まってくれた。変わりないようで何よりだ」


 その言葉を聞き全員が一斉に頭を上げた。

 そこに映るは玉座に座る一人の男。


 男の名はダブラム・フォン・アルバス。

 ルークたちの父親にしてアルバス王国の王である。

 

 ルークは何故このタイミングで集められたのか分かっていなかったが、それはルークだけではないよう。

 周りにいる兄姉たちも同じように不思議そうな表情を浮かべている。

 

「お前たちを今日集めたのは他でもない王位争いについて伝えることがあるからだ」


 王位争いについてと言われ、反応しない者はこの場にはいなかった。

 表情には出さない者、嬉しそうな様子の者、驚いた様子の者、不安そうにする者など反応は様々。

 

 そして王はこの場に集まった十八人に宣言する。


「今日より六年後に王選投票を行うことが決定した」


「「?!」」


 ルークは言いたいことや聞きたいことがあったが、言葉にはせず胸の内に留めた。

 それはルークだけではなく他の者たちも同様だ。

 それに、何かを言っても何か変わることはない。

 他の誰でもない王が言ったことなのだから。 

 

 王選投票について伝えられて、話はそこで終わった。

 家族団欒の話し合いなどなく順に帰っていった。

 

「お疲れ様でした。いかがでしたか?」


「想定外のことになった」


 自身の一室へと戻ったルークをミリィとギルバートが出迎えた。

 ギルバートがかけた言葉に素直な気持ちを吐露するルーク。

 二人はルークの言葉を聞いて、何が想定外なのかと不思議そうにしていた。

 そんな二人にルークは教える。


「六年後に王選投票が行われることが、父さんから直々に告げられた」


 それを聞き驚くギルバートと、未だ不思議そうにするミリィ。

 

「あの、それって何かまずいことなんでしょうか」


「ミリィは王選投票については知ってる?」


「はい、勿論です。この国の王様を決める大事なイベントですよね」


「そう、この王都だけじゃなく他の都市も含めて行われる一大イベントだよ。ミリィの言う通り、ここでの勝者がこの王国の王になる」


 王選投票とは、王国内に暮らす者たちが候補者である王子や王女たちにそれぞれ投票をするもの。

 そして、投票で一位となった者はそのまま王となる。 

 投票する者たちは、候補者の功績などを中心に投票先を考える。

 だからこそ、王位争いでは知名度や実績が必要になる。

 名前が知られていなければ勝負にすらならないということだ。

 王選投票によって王を決めるということに関してはルークは何の違和感も抱いていない。

 王選投票事態は過去の王位争いでも同様に行われていた。

 ルークたちが驚く理由、それは…


「早すぎる」


「え?何がですか?」


 ルークの言葉に静かに頷くギルバートと、理解の及んでいない様子のミリィ。

 そんなミリィのルークは説明をする。


「過去の王選投票は、こんな六年も前から宣告することはなかったんだよ。どれだけ早くても二年前に宣告を行っていた。だから、六年という期間は今までのことを考えれば異常なんだよね」


「つ、つまり何かがあったということですかね?」


「そこらへんは僕にも分からないかな。あくまでも前例がないってだけ。父さんが何か考えてそうしたんだろうけど、流石に今の段階では何とも言えないね」


 こうなったしまったら王選投票について考えるしかない、とルークは割り切っていた。

 何故こんなことになったのかは気になるとことだが、今のルークにそんなことを考えている暇などない。

 

 何と言っても、ルークは現状で見れば最下位になるのは誰の目から見ても明らか。

 今のルークにはこれとった実績が何一つとしてない。

 この六年で他の兄姉と渡り合うには並の実績では不可能だろう。


「ただ六年もの時間があることは幸いと捉えるべきでしょうな」


「そうだね、ギルバートの言う通りだよ。当然、兄さんや姉さんたちもこの六年で更なる実績を積むだろうけど、六年という時間があれば追いつくのは不可能じゃない」


「そうなると、暗殺などが起きたりする可能性もあるのではないでしょうか」


「僕はそんな手を使うつもりはないけど、間違いなく増えるだろうね。日を追うごとに、その手法はより過激になるかもしれない」


 今までもそういったことはあったが、それが可愛く思えるくらいのことになるのかもしれない。

 それと、確かなことが一つ。

 この日を境に、王位をめぐる争いはより激しさを増すことになっていく。

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