もやもや
部屋割は氷河様と水奈様、穂乃香様とフィサリス、美鈴様と統也様、そして――
「ラミウム様。どうかなさいました?」
――ロータスと私。
ベットを私に譲り、イスで寝ると言う彼を私がベットに招き入れた。
そうなれば彼の感情が爆発してしまうかもしれないと分かっていて。
2ヶ月牢に居た彼の私への思いは溜まりに溜まっている。
2ヶ月牢に居た彼をイスで寝かせるなんて事はできない。
私と彼は今夜、体を交じ合わせるかもしれない。
彼はこんなにも純粋に私だけを愛してくれているのに、私がこんな状態で彼から愛されれも良いのでしょうか……
「……ラミウム様……」
彼の指が私の体をなぞる。それだけで私はこんなにも幸福に包まれる。
あぁ……駄目です。だからこそ、このままでは駄目なのです!
「ロータス……聞いて下さい。私は貴方が好きです、愛しています! これは、ずっと変わらないのです……! ……でも、でも私は……私は、氷河様も好きになってしまいました……私は、貴方に愛される資格が、もう無いのです…………」
「…………ラミウム様……例え貴女様が他の方を好きになろうとも、私を嫌いになろうとも、私が捧げるこの忠誠心、この愛情になんら揺るぎありません」
そこまで、そこまで私を思ってくれる貴方を、どうして嫌いになれましょうか……!
嫌いになるハズなど無いではありませんか……!
「ラミウム様は素晴らしきお方。異性を惹きつけ好意を持たれる事も多いでしょう。そしてそれが分かってしまうラミウム様は、そのうちの異性に惹かれてしまう事もあるだろうと思っておりました……ですがね、ラミウム様」
「きゃっ、ロ、ロータス……?」
「私がその内の一人である事は事実ですが、月島様に嫉妬を覚えたのもまた事実。であるならば私は、ラミウム様が他の殿方に現を抜かさぬよう、愛しつくさねばなりませんね」
ロータス……貴方が嫉妬してくれる事に喜んでいる私は……手遅れなのかもしれません……
「ラミウム様……今だけは、私だけ見ていて下さい」
水奈と同じ部屋になった俺は、水奈と手を繋いでベットに横になっていた。
夜のレベリングは禁止されてしまった。ちゃんと睡眠を取なさいとのお達しだ。
まあ、無事戦力としてフィサリスとロータスが加わったから、少し余裕は出来ている。
あの二人が戦力として加わらなかった時の事を想定したレベリングだったから、今後は昼だけでも大丈夫だろう。
穂乃香とフィサリスが同じ部屋と言うのは心配だ。変な事にならなければいいが。
神奈と日坂はよろしくやってるだろう。神奈は既成事実作る気満々だったからな。
ラミウムとロータスもよろしくやっている。ここは元々そういう関係だからな。
……そう、元々のあるべき姿であり、望ましい形だ……
……なのに……こう、もやもやするのは何でだろうな……




