状況
「ん…」
意識が朦朧としているユウタは少しずつ重たいまぶたを広げていった。
鳥のさえずりが遠くから聞こえた瞬間、
自分が寝落ちしてしまったことに気がついた。
パソコンも当然つけっぱなしである。
と思ったのだが、パソコンが見当たらなかった。
それをきっかけにユウタは今自分がいる場所が自分の部屋ではないことに気がついた。
学校の教室くらいの大きさで床、壁、天井全てが真っ白の部屋だ。
窓は一切ない。
また別の1面には1つだけポツンと木製の扉が取り付けられている。
そしてその扉の上には『広間』と書かれた札が貼ってある。
単純にこの殺風景な部屋が『広間』ということである。
また別の1面に学校にあるような地味なアナログの、時計が1つだけ壁にかけられている。
針は午後2時半を示している
部屋の中央には一台のアナログテレビがあり、
その正面に円になるように椅子が10つ並べられている。
それぞれの四隅には監視カメラが設置されていた。
そして何よりこの状況に置かれているのはユウタだけでないこともわかった。
この部屋にはユウタを含め、10人の男女が床で横になっている。
今のところ意識があるのはユウタだけだ。
皆自分と同じ主催者側から着させられた同じ柄の上下ジャージで
男性は澄色、
女性は水色だ。
自分で確認したが、ジャージの下には真っ白なTシャツが着せられていた。
春寄りの今、ジャージで丁度いいくらいだ。
それぞれが起きるまでそっとしておくことにしておき、部屋にある優いつの扉を調べた。
鍵もなく、楽々と扉は開いた。
この部屋の外は一本の廊下になっており、
この部屋から出て右にはホテルの小部屋のような扉が数々とりつけられている。
左にも同様な扉がついているが、
突き当たりはロビーになっていて、
この建物の出入口と思われる固そうな鉄製の扉があった。
開けようと試みたが、全く動かない。
状況からすれば当然か。
あとはトイレや洗面所、食料などがあるくらいで、
必要最低限のものは一切ないように思える。
広い部屋に戻ってみると、既に全員意識があるみたいで、
状況を確認しあっていた。
ユウタの存在に気付いた独りの男性が近寄った。
「おい。ここどこだよ。目的はなんだ」
ユウタは冷静に答えた
「いや、待て。俺も気づいたらここにいたんだ。今この建物を調べてたんだ」
するとその男性はガッカリしたように座った。
「そっかー。疑ってごめんな」
「いや、こんな状況だ仕方ない。それよりとりあえず皆を集めよう」
「そうだな」
とその男性は立ち上がると、皆に呼び掛けた
「皆ちょっと集まろう」
皆不安だが、なす術がなく部屋の中央にある円になっている椅子に適当に座っていった。




