第1話 変化の始まり
私が初めて書いた小説です。
まったり更新していきたいなと思います。
ぜひ、楽しんでご覧ください。
1話 変化の始まり
「なぜ、この世界はこんなふうになってしまったのだろうか」
あたりに響く銃の音、多くの人が争いで死にゆくこの世界の中、少女はただ自由を求めていた。
生活に不自由しているわけではない。
傭兵の仕事をしているわけで生きていくためのお金は十二分に持っている。
しかし、少女が本当に欲しいものはお金ではなく、自由な世界である。
「またでかい成果を上げてきたのか!」
この人はお世話になっている仕事請け負い人の酒場のマスターだ。いつもここで仕事をもらっている。
「そんな、大したことないですよ」
少女にとって成果などはどうでもいい。ただ今のところは生活できていれば十分なのである。
「なあ、なんか悩んでいることないか?」
マスターがいきなりこんなことを言ってきた。心の中を見透かされた気分だ。すごいなこと人はと思った。
「たいした悩みじゃないんですけど……」
「まあ、言ってみろよ。話は聞いてやるからさ」
やっぱりこの人は頼りになるな。
「自由が、平和が欲しいなって思って」
まさか、ただ悩みを言っただけでこんなことになるとは思わなかった。ここから少女(大嶺翠)の人生は劇的に変化することになっていくとは誰も知る由がなかった。
「ここか…」
マスターから紹介された場所にやってきた。どうやら世界の自由を目指して活動している組織らしい。
私の目的と一致する思想を持っている組織なんてあるわけがないと思ったので、興味が湧いて行ってみることにした。
「誰だ?」
奥から声がした。若い男の声だ。リーダーは若い男とマスターから聞いている。この人がここのボスなのか。
「酒場のマスターの紹介で来た。ここの組織は世界の自由を目指していると聞いている。話を聴かせてもらいたい。」
「そうかそうか!話は聞かせてもらってるよ!あんた強いんだってな!」
すごい元気な人だな。この人と一緒ならどんなことでも楽しそうだ。そう思った。
「まあ、それなりに…」
別に自分のことは強いとは思っていない。普通の傭兵「だと思っている。
「そうか…」
少しの間沈黙が続く。さっき出会ったなかだから仕方がない。翠は早くここから帰りたいなと思ってきていた。
「ところで!俺たちの組織に入らないか?組織はまだ小さいし、戦力も乏しい、だから君の力が必要なんだ!」
「はははっ」
本当に熱い男だな、この人は。入らない理由はない。自由のためにそろそろ仲間が欲しいと思っていたところだったからちょうどいいな。
「どうだ!?」
「お言葉に甘えて入らせてもらうよ。これからよろしく」
「おお!嬉しいなあ!歓迎するぜ!」
ここから新しい生活が始まると考えると、少し気分が昂る。
「今日から俺たちは仲間だ!俺は秦野迅。これからは迅って呼んでくれ!」
そういえばまだ名前を知らなかった。いきなり呼び捨てを勧められるのはなんともいえないな。最初は呼びずらい。
「俺はなんて呼べばいいんだ?」
迅が無邪気に問いかけてくる。
「翠でいいよ、呼び方は気にしてない」
「じゃあ、翠!これからよろしく頼むぜ!」
翠が苦笑する。適応能力が高すぎる。
「じゃあ、仲間になったっていうことで!アジトへ行くとするか!」
大層な自信だ。結構いいアジトなのか? 翠は迅のあとを追って行った。
アジトが見えてきた。どうやら洞窟をそのままアジトとして使っているらしい。そんなに人数がいるのか。気になることが山ほどある。
アジトに入ると数人が入り口付近で待っていた。見た感じは戦闘者ではなさそうだった。
「お前ら!新しい仲間を紹介するぜ!こいつは翠!腕効きの戦闘者だと聞いている!これからは俺たちの仲間だ、みんな仲良くしてやってくれ!」
迅が大きい声で叫ぶ。そんなに声を出さなくてもみな聞こえているとは思うが、それがここのセオリーなのだろう。
入り口で待っていた数人が寄ってきて
「翠さん、これからよろしくお願いします」
と言った。いきなり新しい人がきて動揺もせずに普通に接してくれている。迅はそれほど信頼されているのだろう。いい組織だなと翠は思った。
「ああ、これからお願いします」
とりあえずこちらも挨拶を返す。
「さきほど迅が、腕効きの戦闘者と言っていたのは本当なんですか?」
一人が疑問を口にする。一番気にするのはそこなのかとは思ったがとりあえず答えを返す。
「まあ、私的にはそんなに強くはないと思ってるんですけどね…ハハ みなさんも戦闘者なんですか?」
こちらからも疑問を投げかける。
すると
「いいえ、私たちは戦闘者ではありません。戦闘者の人はほとんどいないですよ。ここなら迅ぐらいです」
それを聞いて翠は少し驚いた。組織だから、みな戦闘者であると勝手に考えていたからだ。予想外の回答だった。そのせいで、会話の話題が尽きてしまった。気まずい空気が流れる。
そこへ迅がやってくる
「そんな固っ苦しいのはやめてもっとラフに話さないか?」
「確かに…」
よく考えてみればすごく固苦しい会話だったなと思う。
先程の疑問を迅に投げかける。
「そういえばここには戦闘者じゃない人が多いが、そういう組織なのか?」
迅が少し間をおいてこう答える
「ああ、うちには戦闘者はほぼいない。みな、平和を望んでいるんだ。そういうやつらが集まってこの組織ができた。」
迅がしっかり話してくれた。
「迅はほんとにいいやつだな」
つい本音が漏れてしまった。
「お、そんな事言ってくれんのか!嬉しいぜ!」
迅が晴れた笑顔になる。すごい爽やかな男だ。
翠が組織に入ってから数日が経った。翠はアジトに住み始めていた。
その理由は昨日に遡る。
迅にアジトで住むことを提案されたのだ。家からアジトまで毎日通っていくのは面倒くさかったので願ったり叶ったりだ。
そんなこんなでさらにいい日時が過ぎたある日のことであった。
ドガァァァァン!!
洞窟の入り口の方からすごく大きな音が聞こえた。
「何事だっ!?」
アジトのみなが一斉に入り口の方を振り返る。
「ここかぁ?ターゲットの組織は?」
入り口から男の声が聞こえてくる。明らかに味方ではない。攻撃を仕掛けに来たのだろうか。翠は一気に警戒心を高める。
「いきなり入り口をぶっ壊して誰だお前。何をしに来た!」
迅がその男に怒りを滲ませながら問いかける。
「何をしに来たも何もこの組織をぶっ壊しに来たんだよ。依頼でな。」
男が気だるそうに迅の質問に答える。どうやら話してわかる相手ではなさそうだ。
「…もういい。俺の仲間を傷つけようとするならば倒すまで!」
迅が一気に戦闘態勢に移る。
この世界での戦いはほぼ全てバトルスーツと呼ばれるものを装着して行われる。
バトルスーツには様々な種類があり、剣や銃などもある。
スーツによる補正もあるが、戦闘は本人の身体能力にほぼ依存する。
迅のバトルスーツの武器は鎌だ。遠距離にも近距離にも対応できる万能型の武器だ。
相対する男もバトルスーツを装着する。どうやら相手のバトルスーツはチャクラムらしい。チャクラムも鎌と同じタイプでどっちにも対応できる武器である。
ちなみに翠のバトルスーツはライフルである。良く手に馴染んだ武器だ。
「うおおおお!!」
迅が一気に距離を詰める。鎌とチャクラムがぶつかり、激しい火花が起こる。力はほぼ互角程度だ。軽い分、迅の方が少し有利か。しかし、相手も手練である。迅の攻撃を完璧に受け流している。
「動きが単調すぎるんだよ!」
男のチャクラムが迅の鎌を弾いた。鎌が地面に落ちる。そして足が続く、しっかり入ってしまった。
「がっ…!」
迅が少しの間動きを止める。そこを見逃すはずがない。男のチャクラムが迅に向かって振り下ろされる。
「させないっ!」
翠が男に向かってライフルを放つ。だがなんと男は反応した。翠が放ったライフルは空を斬る。
「ずっと狙ってきていたのは見えてたんだよ。見えてたら当たるはずがねえ」
(戦いながらそんなところまで見えていたのか…)
凄まじい洞察力だ。翠の顔に少し焦りが見えた。ここまで強い相手とは戦ったことがなかった。迅と息を合わせなければならなそうだ。
「迅、こっちへ来い!」
翠が迅を呼び寄せる。
「何か作戦があるのか?」
迅が小声で問いかける。
「こそこそしてないで早くかかって来いよ。めんどくせえんだ。早く終わらせてくれ。」
男はまだまだ余裕そうだ。絶対勝てるという自信があるのだろう。それを見ると一気にやる気が出てきた。
(絶対に勝つ!だが、こいつは強い。どうすれば勝てる…?)
「迅、作戦がある。」
「なんだ?」
「私を囮にしてあいつを倒す。」
迅が驚く。
「おい、まじで言ってんのか?そんなの無理だろ!」
「うるさい、静かにしろ」
「すまん…」
「私が囮になって相手に銃を放つから、迅はそのまま突撃してくれ。」
「行けるのか…?そんな作戦で」
「私が出ることを読んでいるだろうから、その裏を書くんだ。」
「なるほど…」
「合図を送ってくれ。その後に続いて飛び出す。」
「わかった、3.2.1……いくぞ!」
迅が一気に飛び出す。
「やっと出てきたか、早くかかってきやがれ!」
男がチャクラムを構える。
翠が飛び出して銃を乱射する。
「見えてるわ!」
男がチャクラムを構えて防御の態勢になる。
迅が一気に距離を詰める。一気に相手の懐に入った。
一気に鎌を振り上げる。
「オラアアア!!」
「クソがっ!」
バトルスーツが破損して一気に機動力が落ちる。このチャンスを逃さないはずがない。
翠も銃を撃ち込む。頭を撃ち抜いた。
「がっ……」
男が地面に倒れる。
「ふぅ…やっと倒したか」
迅が汗を拭きながら言う。
「ああ、そうだな」
翠もその言葉に同意する。
「しかし、強かったな。なかなか」
翠が少し安堵した様子で話す。
「ああ、それに、気になるところがある」
「依頼、ということか?」
迅が少し考えながら言う。
「ああ、裏で手を引いている者がいると言っていいだろう。移動した方がいいのかもしらないな。」
「ああ、まだ敵がいるかもわからない状況の中、ここに残るのは少し危険か。」
敵からの襲撃を退けた翠達だったがまだ倒すべき敵の組織の全貌は掴めていない。果たして翠は自由を手にすることができるのだろうか———
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