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割とどうでもいい世界で  作者: くまじ
11/40

11 あれ?この感覚は何?

カレンさんに案内されて到着した資料室は資料棚の向こうの窓側にテーブルと椅子がある部屋で、その内の一つの机には薬草本が数冊置いてあったソフィアさんが準備しててくれたらしい、カレンさんにお礼を言って机に向かう。


二人で本を読み始め薬草の種類の多さにや多様さに、最初は覚えられるのか?と思い、依頼ボードにあった名前の薬草を探して、先ずはその薬草の特徴、生育場所の特徴を覚える事にした、薬草を探し出して見つけた薬草の説明を読み、説明文と挿絵の薬草の特徴を覚える、すると覚えるというよりも思い出すといった感覚がする、知っていたが長い年月で忘れていた記憶が蘇るような感覚、奈津希も頭を捻っていた。


「干城なんか薬草の事を元から知ってたみたいな感じがするんじゃけど、なんで?」

「奈津希もそう?薬草の説明文や挿絵を見てたら、あ〜そうそうって感じになるんやけど」

「そう、それ、そんな感じ」

「呼ばれた世界の事なんて知る筈ないのに、なんか気持ち悪かな」

「もしかしたら知識チートなんかもしれん?」

「知識チートって前世の知識を使って成り上がる系じゃなか?」

「基本そうなんじゃけど、感覚的にはもの覚えがええとかとは違うよねぇ。思い出すって感覚じゃけぇ、知識として頭に詰め込まれとったんが封印されとって、今みたいに勉強したりするのがトリガーになって解放される、みたいな?」

「なんか筋は通ってる気がする」

「でも、それじゃったらこれまでの事が色々と辻褄が合うんよ」

「ていうと?」

「先ず、異世界言語は今もスキルとして持たんけど会話はできるし、字も読み書きできる、字なんて地球のどの国にもない文字やのに理解しとぅ、それに言語を理解してるんやったらスキルは要らん」

「次に、なんで剣士のスキルがあったか、それこそ城で剣士として立ち回ったから、ただ、あの時は突然降って湧いたようにな感覚で理解したから、今とは条件が違うかも」

「魔法もあり得んくらい簡単にポンポン覚えた、あんな簡単に魔法が覚えられるんじゃったら、この世界魔術士だらけや、あと何と言ぅてもインベントリ」

「あとこの身体な、12歳にしては力も体力もあり過ぎなんよ、今日だって村から走ってきて息切れもしとらん、身体強化って言ぅても元の体力をマルっと無視するんは流石にないと思うわ」

「最初はチートのない転生やと思ぅたんやけど、もしかして転生する時に神様かなんかに与えられた成長チート系かもしれん」

「転生した理由は違う事を考えてたけど、奈津希の考察が色々説明するのに筋が通ってるように思える」

「転生の理由?干城はどう考えとったん?」

「うん、この世界が地球と同じ環境とは限らんから転生したんじゃなかかと考えてた」

「環境?」

「そう、生物って動物でも植物でも水中生物でも、適者生存が大原則やろ?つまりこの世界の環境が地球と同じで、大気成分が概ね窒素4酸素1、重力が1G、気圧の平均が1013hpaとか、他にも、まぁ色々一致しとらんとこの世界で地球人の身体では生きられんからかもと考えてた」

「なるほどなぁ、宇宙人が地球で生きられるとは限らない理論じゃねぇ」

「それだと転生した理由だけにしか当てはまらないんだよ、でも奈津希の考察なら確かに全部に辻褄が合う」

「いうても検証しようがないんやけどね」

「それはそう、でもまぁ、それを立証して発表会を開こうって事でもない、自分達が納得できれば、それで良かとじゃない?」

「あと分からないのは時々変わる倫理観か」

「あ〜それがあったけねぇ、ゴブリン相手に日本基準の倫理観持った時」

「そうなんだよな〜、でも考えても分かりそうにないから、今できる事をやるか」

「それもそうじゃね、じゃあ薬草本を読んでしまおうか、時間があったら魔物本も読む?もしかしたら魔物の事も色々思い出すかもしれんよ?」


それから二人は薬草本、植物本、魔物本など資料室にあった本や資料を読み漁った。


そのあと二人はギルドの素材鑑定課を訪れて、薬草や植物を採取する際の注意点や採取方法などを質問した、それぞれの鑑定係はその熱心さに快く応じて、色々な知識を教えてくれた。


ギルドをあとにして、夕方まで少し時間があったので干城は奈津希に買い物に行く提案をした。


「少し時間ありそうだし、鍋とか食器とか買い物しようか」

「おん?自炊?野営用とかって事?」

「それはもう少し先でも良いと思うけど、木賃宿に竈門代を2リギル払えば自炊できるらしかっさ」

「ええんじゃない、持ってても先々使えそうで、収納あるから荷物にもならんし」


食器、鍋、包丁や調理道具を一通り買い、それを納める箱を買って、箱の中に格納して収納魔法に押し込んだ、そのあとは食材を買いに市場へ向かった、初めて見る野菜も多くどんな料理やどんな食べ方をするのか分からなかったが、その都度店の人に聞いて買っていった、市場を見て回っていると赤米が売ってあった。


「古代米か、炊き方を知らんしあんまり美味しくないっては聞いた事がある、食べた事はないから味は知らないな」

「米に郷愁は感じるけど、流石に古代米は身近とは言えんかったからねぇ」

「こっちは白米?あ〜、インディカ種っぽい見た目やね…香りはそがんなかか」

「その米買って炊飯用に大き目の鍋を買えばええんじゃない?」

「そうしようか」

「親父さん、この米、米か?これなんて言うの?」

「そいつは他所から仕入れたラデスって言うんだ、それは白ラデス、あっちは赤ラデス」

「ラデスですか、それでは、白ラデスを二袋売って下さい」

「はいよ、白ラデス二袋ね、坊主に持てるのか?」


袋は一袋20kgサイズくらいの麻袋だった。

干城は収納魔法に米…白ラデスを押し込んだ

「魔法か羨ましいな、荷運びが楽そうだ」


干城はボアの肉や鶏っぽいクコデューの卵を買い込んで、炊飯用の鍋を買って市場をあとにした。


木賃宿で竈門代を払い、早速白ラデスを炊いてみた、奈津希はクコデューの骨と野菜で出汁を作り始めた。


白ラデスを研いで40分ほど浸水させて20分ほど水を切ってから炊いたがふっくら感はイマイチだったので、千城は焼き飯にしようと決め、名前は知らないが見た目はネギを切って、ボア肉も小さく切って卵と白ラデスを一緒に炒めた。


奈津希はその間2時間ほどクコデューの骨と野菜を煮てアク取りをしながら取った出汁でボア肉と野菜のスープを作った。


出来上がった焼き飯とスープは、塩加減とかもう少し調整が必要そうだったが不味くはなかった、そこそこ多めに作ったので、他の宿泊者に自前の皿とスプーンがあれば食えると言って持参した者に配った、それなりに好評だった。





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