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アラフォーおっさんのSF無双記~最強コロニーとロボットをもらったので全宇宙を自分と美少女クローンの遊び場とする~  作者: 白銀天城


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コロニー対抗、スターダストロード開幕

 カイニスたちと別れて数日後。適当にドラグーンとか色々について調べてみた。今まであいつらが襲っていた連合のコロニーは、どれも軍事色が強く、一般人が住むようなものじゃなかったみたいだ。中立コロニーはほぼ襲っていない。本当に復讐のために動いていたんだなあ。


「復讐は終わり。見届けた俺たちも暇になる、か。さてどうするかね」


 連合の人体実験をリークしてみたが、どこもニュースにするだけで、ミームにはなっていない。つまらん。


「アイドルライブが決勝戦らしいですよー」


「まだやってたのか。誰が残ってる?」


「インフィニットフラワー、ステラリンクは通過していますわね。同盟軍のアイドルと、中立コロニーのグループが存在するようですわ。ここから会場コロニーまでレース形式で移動し、その模様を生中継するとか」


 全チームが同じ場所からスタート。スタート地点から会場コロニーまでのルートは複数用意されている。途中でチェックポイントがあり、到着順やパフォーマンスでポイント加算。とのこと。


「あんまアイドル関係なくね」


「チェックポイントでライブしたりするみたいですよぅ。ずっと配信するみたいですし、とにかく忙しそうですねー」


「これで莫大な賞品がどうなるのか、見ものですわね」


 色々もらえるが、新品コロニーとその宙域の権利はでかすぎるからな。そりゃ躍起にもなるだろう。面白い。3人でモニターの前に座る。開会式がもうすぐ終わりそうだ。ホログラムに巨大なカウントダウンが表示される。宇宙空間に浮かぶ4隻の宇宙船が、スタート位置に整列していた。


『イエー! それじゃ、コロニー対抗アイドル選手権・準決勝進出チームによるスターダストロードを開始すんぜえ! スタートまであと10秒! 9! 8!』


「実況のテンションがうぜえ」


「あまり馴染みがなくて新鮮ですわ」


「わたしもー。こういうノリなんですねぇ」


『3! 2! 1! スタート!!』


 信号とともに、4隻の宇宙船が一斉に加速した。推進器から青白い光が噴き出し、静かな宙域を切り裂いていく。


『先頭はステラリンク! 次いでインフィニットフラワー! その後ろを同盟代表ブレイズノヴァと、注目のダークホース、ツクヨミが追いかける! 最初に仕掛けるのはどいつだ!』


 モニターには、各船の現在位置がリアルタイムで表示されていた。序盤はほぼ横並びだ。


「意外と差がつかないな」


「スタートダッシュで無理をすると、後で燃料や機体に負担がかかるのでしょう。まだ序盤ですし、相手の出方を見ているのでは?」


「つまんなそー。もっと飛ばせばいいのにー」


 リリーがふんぞり返りながらポテチを頬張る。シオンは優雅に紅茶を傾ける。俺はソファに深く沈み込み、画面を眺めた。しばらくは特に何も起きない。普通の宙域を、4隻が一定の間隔を保ちながら進んでいくだけだ。小惑星帯もなければ、敵影もない。ただ静かに、星々を背景に航行している。


『現在、各チームとも安定した航行を続けてるな。最初のチェックポイントまで、あと約2時間。なーんか起きたりしねえのかい?』


「平和すぎて逆に不安になるな」


「妨害は中盤以降でしょうね。序盤から壊されては配信が成り立ちませんもの」


「なるほど。視聴者を引きつけてから派手にやるわけか」


 俺はあくびを噛み殺しながら、グラスの氷を鳴らしてコーラを飲み干した。しばらくはこのまま、のんびり観戦できそうだが、平和がいつまで続くのか、楽しみにしておこう。


「ノイジー、同盟とブレイズノヴァとツクヨミの情報は?」


「同盟軍選出アイドル、ブレイズノヴァ。3人組で活動歴5年。歌唱力に定評があり、アニメやドラマのテーマ曲多数。ツクヨミは中立コロニー出身ですが、プロフィールの多くが不明。2人で活動しているようです。表舞台に立つこと自体が少なく、配信メインで活動していますね」


 モニターに続々とプロフィールや、この大会を通して何をしていたのかが表示される。


「独自に戦闘記録と活動宙域を調べておきました」


「よくやった」


 するとシオンが何かに気づいたようだ。


「ツクヨミのこれは……アイドルというより、妨害で上り詰めたようですわ」


 戦闘記録がかなり多いな。ツクヨミ自体の人気もあるんだろうが、ライバルを戦艦で倒してのし上がっているように見える。


「おぉ、配信始まりましたよ」


 4チームの配信がそれぞれ始まる。インフィニットフラワーは相変わらず、元気なセンターをおしとやかな子がフォローしつつ、金髪の年長者が引き締めて進行していく。今は配信ルームのソファーからお届けされていた。


『というわけでレースだよレース! ここまで来たら絶対勝とうね!』


 元気だねえ。俺も若い頃は……いやあんなテンション高くはなかったな。


『ふふっ、スタートから全力では、後半もちませんよ』


『まだまだ先は長いわ。体調管理だけはしっかりしていきましょう』


 ファンのコメントも安定しているみたいだし、ここは問題も起きないだろう。


『はーい! じゃあさっそく歌っちゃいますか!』


『急がないでと言ったばかりでしょう。もっとのんびりトークしていましょうね』


『のちほど歌のコーナーもあるから、みんな期待していてね。それじゃあ最初のトークテーマは……』


 普通すぎるので違う配信へ。ステラリンクを見てみる。5人でテーブルを囲み、座って何やら話している。


『……さてなんとか決勝まで残れたけれど、ここからはさらに厳しくなる。勝ち抜くために私たちに欠けているものはそう、団結力よ!』


『そうね、みんなソロで一定の人気と実力を持っていた。歌・ダンス・表現力・曲構成ができていたわ』


『反面、結成期間が短いため、メンバー間の深い絆やファンとの積み重ねた関係性は薄い。ソロの寄せ集めという感想を抱きやすい』


『そこで! みんなで色々やって、ステラリンクとして完成すべし! わー!』


 5人の前に鍋セットが設置されていく。鍋を食べながらトークしていく流れらしい。しかし豪華なセットだ。こっちも晩飯は鍋にしようかな。


「なるほど、弱点を理解していたか」


「まあ寄せ集めじゃ優勝は厳しいですよねー」


「仲良くなる過程まで見せるとは、思い切りましたわね。中々の戦略ですわ」


 コメント欄はそれぞれのファンが、好きな相手にコメントしている。中にはこれまでのステラリンクの活動からか、配信内でのお約束っぽいものも見られる。つまり完成はしていないのだ。


「完成が間に合うかどうかが鍵だな」


 他2チームは早速歌っていたり、今回のレースについて話している。まだまだ妨害は起きないだろうし、しばらく寝るか。


「なんか起きたら起こせ。寝る」


「おやすみなさいませ」


「こっちで見ときますねー」


 仮眠を取って数時間。ついに何か起きたようだ。


「どうした?」


「なんかキラキラした場所に入っていきますよ」


『さーあ最初の難関。光の迷宮だあ! この宙域は光が乱反射し続ける、厄介な環境だ。特殊な鉱物の影響で光やセンサー波が鏡みてえに反射するぞ。目視が当てにならない。しょぼいセンサーじゃ一部誤作動を起こす。自分たちの位置すら正確に把握しにくくなるぜー! けどそれでも動画映えを狙ってくのがアイドルだ! このキラキラを利用してもっと輝いてみせやがれ!』


 大小様々な流星群と小惑星が漂っている。非常にゆっくりだが、動いているようで、光を反射して輝いていた。うっすらと、オーロラや蜃気楼のように、宇宙船が浮かび上がったりしている。


「ほほう、面白いな。ノイジー」


「問題ありません。楽園の科学力なら、すべてを追跡可能です」


「よし、こっそり移動してついていくぞ」


 さて最初は誰がどう出る? 楽しみだ。

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