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アラフォーおっさんのSF無双記~最強コロニーとロボットをもらったので自分と美少女クローンだけの楽園を築く~  作者: 白銀天城


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地球外生命体を見たい

 雪国から帰って数日後。今日は暇潰しに射撃訓練をしている。使っているのは最も普及しているハンドガン。これがなかなか楽しい。


「ふう……そこそこ当たるようになってきたな」


 この世界ではまだまだ実弾メインで銃が出回っている。ロボットに持たせるならまだしも、人間が持つほど小型化にはほぼ成功していない。持っているのはガンマニアか、軍の特殊武器実験部隊とかそういう連中だろう。なので実弾の練習もしておく。


「ほぅほぅ、やりますねぇ」


 リリーが暇そうにしながらこちらを見ている。椅子にもたれかかりながら、チョコ菓子をもぐもぐして観戦中だ。


「やってみるか? どうせうまいんだろ?」


「ふっふっふー、やったりましょう」


 妙に自信があるみたいなのでやらせてみよう。武器はハンドガンだ。


「それそれそれ~」


 気の抜けた声とは裏腹に、どんどん当てていく。反動も気にせず連射できているし、体幹と筋力もちゃんとあるようだな。


「おぉー、うまいもんだ」


「ふへへへ、シオンレベルじゃなくても、当てるくらいはできますよ~。さあリリーちゃんを褒めましょう。優しい言葉をかけてあげてくださいな」


「えらいえらい、すごいぞー」


 普通に褒めて撫でてやろう。褒めて伸びるタイプかも知れないしな。


「どやあぁ……」


「リリー、訓練の邪魔しないの」


「してないもーん」


 シオンがアイスティーを持って来てくれた。冷たくてうまい。みんなで飲みながら休憩する。


「ねえねえ、シオンもやってみれば?」


「いいね、やって見せてくれ。どんなもんか把握しておきたい」


「ハヤテ様がおっしゃるなら」


 同じようにハンドガンを渡す。姿勢がきれいだな。そのまま正確に中心にだけ当てていく。次の的に当てるまでの時間も短い。


「はえ~、やっぱ同じクローンでも特技とか違うんだねぇ」


「凄いぞシオン。やはり射撃はシオンだな」


「ありがとうございます」


 どことなく自信が見え隠れする笑顔だ。得意げでかわいいのでちゃんと褒めてあげよう。


「よしよし、凄いぞ。ついでに俺に教えてくれよ」


「ではまず持ち方と姿勢から……」


 シオンが後ろからくっついて手を添えてくる。自然と姿勢が正されて、ゆっくり集中力が上がっていく。ターゲットへの銃の向け方から改善していった。


「シオンがくっついてるー、ずるいぞー」


「もう、そういうのじゃないわよリリー。違いますハヤテ様」


「別にくっついてもいいぞ。嫌じゃないからな」


 シオンは遠慮がちだし、こっちから問題ないと伝えてあげよう。楽園の生活で我慢とか不自由を与えないようにしてあげたい。


「わたしたち以外誰もいないんだし、気にしなくていいと思うよ」


「そうね、少し素直になってみましょうか」


「それでいい。楽しくやろう。とりあえず腹減ったからここまでだ。ノイジー、今日の昼飯は?」


「釜揚げしらす丼です」


「また知らない料理だー」


「楽しみです」


 昼飯はとてもうまかった。そしてニュースを見ていると、新種の地球外生命体捕獲の特番をやっていた。そいつは3メートルくらいの獣で、赤い体毛と牙が特徴だ。6個の赤い目と長い尻尾もある。ニュースでは輸送船の檻の中で、四足歩行している映像がわずかに流れる。


「ほほう、この世界はそういうのもいるのか。楽しいな」


 未知の生命体というのは、ちょっと興味がある。見た目も凶暴そうだが、なかなかかっこよかったように見えるし、少し調べてみよう。


「ノイジーあれどうなっている?」


「完全に未知の生物です。どの星のどのような生物かも不明。本当にごく最近見つかったようですね。輸送船で運ばれている映像しかありません」


 さっきのものしかないらしい。ますます見たくなってくる。こういうわくわく感を楽しむのも、異世界さんの醍醐味だろう。


「映像検証開始。映像内に地球連合のロゴを発見。軍の輸送船です」


「よくやった」


「船名も特定可能ですが、絞り込めるのはそこまでです。地球に送るのは無策過ぎますから、研究コロニーに送ると予想します」


「候補多すぎない?」


「生物研究設備のあるコロニーというだけでは厳しいわね」


「生物側の特定完了」


「どうやったの?」


「政府が公表しています。さらに裏の動物売買サイトに写真付きでありました」


 なんでも裏の金持ちが超高額でペットにするらしい。最近裏で人気の種族で、まだ星からの持ち出しも星への立ち入りも禁止されているため、高額取引されるのだとか。人間はアホだねえ。そっとしといてやれよ。


「現在の仮称はクリムゾンラプター。柔らかく流れるような毛並み。6個の目のうち上の2つは赤く発光する複眼で暗視・熱視覚担当。真ん中の2つは通常の視覚、下の2つは動体視力特化。頭は狼とワニをあわせたようなもの。 筋肉が発達しており肉球あり。温和な性格らしいです」


 動物の情報がわかるのはありがたい。裏サイトはクソだけどな。ホログラムには、しっかりと情報が流れていた。かっこいい路線の生き物だな。


「裏で取引されることを懸念して、いっそ大々的に報道して禁止してしまおうという流れです。未知の生物でごまかされるより、立入禁止の惑星の生物であると周知させて犯罪を減らす作戦ですね」


「なるほど~。人間ってやつは迷惑ですねぇ」


「本当にな。ノイジー、船の名前がわかるなら、航路もわかるか?」


「既に検索済みです。向かいますか?」


「頼む」


 そんなわけで楽園ごと移動開始。俺の世界にあんな生き物はいなかったし、近くで見たら迫力あるだろう。だが同時にラプターに同情してしまう。


「難しい顔してますねぇ」


「なにか悩み事ですか?」


「考えてみりゃ、あいつらもかわいそうなやつだよな。星で暮らしていたら、人間が勝手に捕まえに来て、見世物か解剖に回されるだろう。ろくな未来じゃない」


「確かにかわいそうですわ。ですが、私たちにできることはあるのでしょうか」


 星に帰してやるか。それではまた捕まるだけだ。持ち出し禁止でも、政府が調査するという名目なら別だろう。どうしても少数の犠牲が出そうだ。


「関係者を全員殺しても、今度は密猟者が出そうだな」


「立入禁止のまま、見張りとして政府を使うしかないですかねー? けど解剖されるのはかわいそう」


「とりあえず行ってから考えるか」


 簡単に答えは出そうにない。ベッドに寝転がりながら考える。

 立入禁止の惑星になるにはいい方向だと思う。生態系を壊したり、星を死滅させるほどの略奪を防げる。だが密猟者のような違反者は必ず出る。政府という例外は絶対に現れる。人間とはそういうものだ。


「報告。輸送船の航路に海賊船あり。目的は言うまでもないでしょう」


「面倒を増やしやがって……皆殺しだ」


 輸送船を刺激してはいけない。俺たちは先回りして海賊を潰すことにした。

 しばらくすると、茶色いボディの宇宙船が見えてくる。


「海賊の中型宇宙船1。内部にバトルフレームアーチャー3。セイバー4。戦闘機5。金に目がくらんだ小物ですが、裏で依頼を受けているようですね」


「どっかの金持ちか。そういうやつらは消していかないとな」


 全員機体に乗り込んで準備完了。今回から試験的にマントで機体をくるんでみる。ステルス以外の隠し方も模索していこう。


「許すまじ海賊。正義の刃でお仕置きだー!」


「海賊などという下賤な輩に命を奪わせはしません。出撃します!」


 全員で一斉に出撃。まずはシオンが射撃で戦闘機を撃ち落とす。


『敵襲! 各機対応せよ!』


 難しいことは後回しだ。暴れてストレス発散してやる。

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