そろそろ施設もできそうだし鷹や梟の雛やアシカやカワウゾを入手しないとな
さて、吉原花鳥茶屋の新しい施設ももうすぐ完成するので新名物となる予定の鷹や梟にアシカやカワウソといった動物を手に入れないとな。
この時代でも鷹狩はまだまだ人気が高く鷹狩に使わる鷹の種類は色々だが最上級はハイタカとされる。
ハイタカは奥羽諸藩や蝦夷の松前藩で捕らえられたものが上物とされ、ハイタカの相場は一羽10両ほどするが、ハイタカは調教が難しくきちんと調教されたハイタカは希少なのでの扱う鷹狩で使われる猛禽の中では最上級とされた。
その次はオオタカで基本的に鷹と言えばオオタカを示す。
ちなみにヒバリやツグミなどの小鳥に対しては小型なハイタカを、キジ・ヤマドリ・カモ・ウサギなどには中型のオオタカを用いる。
小さな獲物しか取れないハイタカがオオタカより上というのも変な話だと思うだろうがそんなものだ。
その他には日本最小のタカであるツミやエッサイも使われるがオオタカやハイタカに比べてひじょうに気が強いので案外扱いは難しい。
またイヌワシやクマタカは身体が大きくて獲物を捕獲する能力は高く評価されているのだが、それ故に人間を襲うと危険であるという理由で江戸時代では鷹狩に使うのは禁止されている。
見た目も割りと地味で大型で維持管理、主に餌の入手が大変なのもあるな。
クマタカは非常に気が荒いが、より大型なイヌワシは比較的大人しく調教しやすい部類ではあるんだが。
で、ちゃんと人に慣れ調教した鷹は、むしろオウムやインコより大人しいので、いがいと手乗りにできたりもするし、鷹狩に使えるように獲物を狩らせるのではなく手乗りにするだけであればそこまで難しくはない。
餌付けさえちゃんと出来れば意外と猛禽は人になれるのだ。
梟も基本的には鷲や鷹、隼と同じで雛の時点から餌をやって餌付けすれば大丈夫だ。
尤も餌はどうするのかというと鷹の餌となる小鳥を専門に捕って鷹匠に売る「餌差」からかう。
餌差しはトリモチの付いた竹竿で小鳥を捕まえてそれを売ることで生活している穢多身分の者で「穢多」は、元々鷹狩の雛鷹に与える餌を取る「えとり」から生まれたらしい。
「鷹の雛は買うとして梟の雛は捕まえてくれるやつを探すしかないか」
梟のひなを捕まえてくれるように頼む。
「はあ、梟ですか?」
「ああ、木菟でもいいんだが」
「分かりましたやってみましょう」
梟は意外と飛ぶのが得意でもなくて基本ドンくさいらしい。
鷲や鷹と違って待ち伏せで昆虫やネズミを捕らえて食べるはずだが雛なら捕まえられるかな?
カワウソに関しては大川の浅草の対岸の辺りにカワウソがいるからそれを餌付けして捕まえてみよう。
カワウソは結構人懐っこくて捕まえること自体は難しくなかったりする。
だからカワウソの肉も鍋として領国なんかでは食われていたりするんだけどな。
アシカも東京湾にすんでいるものを捕らえてもらう。
アシカも人間や漁船が寄っても逃げないのんきな生物だったりするんだよな。
そうやって動物の手配をしてまずは鷹を手に入れた。
「うむ、目がくりくりしてて可愛いな」
餌は生きてるうずらの雛だったりする。
かわいそうと言えばかわいそうだがしょうがない。
殺して血抜きをしてしまうと栄養が不足するので生きたままを食べさせないといけないのだ。
その次に手に入ったのはカワウソ。
「おー、ちょこちょこ走り回ってるなー」
カワウソは水中でも地上でも割りと敏捷に動き餌を求めて走り回ったりする。
その次は梟で、厳密にはコノハズクの雛だな。
”ぴぎゃぁ~~~~っ!!”
「おお、腹減ってるのか?」
こいつにもやっぱりうずらの雛を食べさせる。
内臓も骨も血も大事な栄養だからそのままだ。
”ぴょげー!”
そんな感じで鳴きながら”んがんがぎょっくん”という感じで飲み込んでるが大丈夫かな?大丈夫だよな。
そして最後にアシカがとどいた。
「狭くてすまんな、でもちゃんとうめんどう見るからな」
”オウッ”
うん、アシカもかわいいな。
そして公開日にはみんな子どもたちに人気だったぞ。
「かわいー」
「かしこーい」
カワウソ自体は本来はそんな珍しくないとは言えやっぱりじっくりみられるという状況は珍しいしな。
これで吉原の来客が増えれば万々歳だ。




