表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

176/317

碁や将棋や麻雀を打てる場所を作ろうか

 さて、この時代だと囲碁や将棋は一般の町人にも広まっている。


 囲碁も将棋も元は中国から伝わってきたもの。


 囲碁は中国の春秋戦国の時代にはすでに生まれて、漢の時代にはそれなりに広まっており唐の時代にはかなり一般に普及していたようだ。


 日本でも奈良時代にはすでに囲碁はつたわって、平安時代には貴族や僧侶のたしなみとして盛んに打たれた。


 室町時代に入ると武家の間でも広まり戦国時代に入ると、戦のシミュレーションとして大名に好まれて、武田信玄・織田信長・豊臣秀吉・徳川家康なども好んで打った。


 で、平和な江戸時代になるとそれが町民などにも広まっていくわけだ。


 一方の将棋は元は古代インドで生まれて西洋に伝わったものはチェスとなり、中国に伝わったものが象棋となって日本に更に伝わって将棋になったらしい。


 ただ、将棋がいつ頃日本に伝わったのかは囲碁と違ってはっきりしない。


 まあ、奈良時代中期から平安時代には間違いなく伝わってきたようで、平安時代には既に平安将棋と呼ばれているものがある。


 鎌倉時代には平安大将棋に駒数を増やした大将棋・天竺大将棋・大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋なども生まれたがさほど実用的ではなかったらしく、これらの将棋はごく一部を除いて実際に遊ばれることはなかったようだ。


 大局将棋は使用される盤が36×36、駒の数は敵味方を合わせると、なんと209種類804枚にもなった。


 まあこれじゃ遊ぶにも時間がかかりすぎるよな。


 一方大将棋の飛車・角行・醉象を平安将棋に取り入れ簡素化された小将棋も同じように考案された。


 室町時代には複雑になりすぎた大将棋のルールを簡略化した中将棋が考案され、戦国時代に小将棋から醉象が除かれて現在の本将棋になったと考えられているようだ。


 そして江戸時代には囲碁と将棋は、江戸時代に幕府の公認となって家元も起こされた。


 名人戦もこの江戸時代には行われているな。


 江戸時代には専門の碁会所や将棋会所はなく、風呂屋の二階などが碁や将棋をさす会所代わりだった。


 囲碁や将棋の家元の道場に通い有段者として認定され、免状を取得する武士も少なくなかった。江戸時代では有段者の免状はとても貴重なもので、関所での身分の証明ができるくらいであった。


 で、参勤交代で江戸から地方に帰った武士が将棋をひろめていき、江戸時代には将棋のルールがほぼ日本全国で統一されながら広まったようだ。


 そんな感じで囲碁将棋は江戸時代にはそれなりに広まってルールも統一され、風呂上がりにちょっと一指しなんていうのも当たり前に遊ばれるようになったんだな。


 で一方の麻雀だが実は麻雀の歴史は囲碁や将棋に比べるとかなり新しい。


 麻雀は19世紀半ばに中国で成立し、20世紀になって海外に伝播されたゲームである。


 最もその元になった馬吊マーチャオと呼ばれるトランプのようなカードゲームは明の時代には有ったともされるが、これは日本には伝わってこなかったようだ。


 麻雀は1850年頃に馬吊と骨牌パイゴウという牌を使うゲームを合体させて麻雀になったらしい。


 つまりこの時代には馬吊や骨牌はあってもまだ麻雀というゲームはないわけだ。


「ま、無いなら作ったことにすればいいわけだよな」


 馬吊自体は水夫などが暇つぶしに賭けなどを行う際に使っているだろうから、大島の華僑商人に譲ってもらおう。


「ふむこれが馬吊に骨牌か」


 大島で手に入れたそれをまず試してみることにする。


 といってもルールは麻雀とはぜんぜん違うけどな。


 馬弔はウノや大富豪に近く牌九はポーカーに近い。


 まあ麻雀は数を増やしたポーカーと言ってもいいけどな。


 それはともかく牛骨の牌では日本では気味悪がられるだろうからこれは木を削って作ろう。


 記憶力が馬鹿みたいに良ければ牌の内容を木目で覚えられてしまう可能性もあるから白く塗りつぶす必要はあるか。


 また麻雀のルールは国、地域や団体、または雀荘ごとに、さまざまなバリエーションが存在するがとりあえずなるべく簡単なものにしておこう。


 13枚の牌を手牌として他の対戦相手に見えないようにして目前に建てて配置し、順に山から牌を1つをとって手持ちの牌から1つを捨て、役が揃ったらアガリ。


 最終的に最も多くの得点を保持していた者が勝ち。


 とりあえず三河屋の遊女たちにルールを説明してやってみようか。


「まあ、これが”まーじゃん”でっか?」


「なんだか面白いでんな」


「面白そうだねお姉ちゃん」


 俺がよんだのは藤乃、菫、茉莉花の太夫や格子太夫の面々、茉莉花には鈴蘭が一緒についてきている。


「ああ、とりあえずやってみようか」


 ジャラジャラと木製牌を混ぜて始める。


 親は藤乃だ、そして一発目。


「ご無礼、天和で48000です」


「おおい?!」


 更に菫が追い打ちをかけてくる。


「清色・対々和・三暗刻・三槓子・赤1・嶺上開花・32000です」


「のああ?!」


 そして茉莉花は


「ツモです。

 2000、4000」


 意外に地味だな。


 まあ、囲碁や将棋を大名様やその抱えている者相手に打っている太夫達はかなり強かった。


 正直なめてたのはあるが彼女たちの運の強さも半端じゃないらしい。


「ああ、お前さん達とりあえずもちっと手加減してくれんかな」


 彼女たちはニヤリと笑った。


「いいや、倍にあげますえ」


「死ねば助かるのに」


「楼主様のトビで終了ですね」


「おまえらひどくない?!」


 遊郭で客相手に脱衣麻雀とか面白そうだが素っ裸にされるのは客ばっかとかなりそうだ。


 それとは別に囲碁や将棋、麻雀やビリヤードなど室内で遊べる物を集めた室内遊技場を作るとしようか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] いましれっとアカギがいたな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ