#押す側 第1章-1 「色づくための出会い」
初めまして。
紫棘マロン(シトゲマロン)と申します。
本作『#押す側』は、6人の少女たちと彼女たちを支えるプロデューサーの物語です。
初めての長編小説のため、拙い部分もあるかと思いますが、
最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いします!
#押す側 第1章-1
それはある夜の街のこと、今から少し昔前の話で、真夜中なのに一人の少女が歩いている。そこに一人の男性が声を掛ける。
男性
「こんな時間に一人?」
少女は黙る。
「……。」
男性
「どうかしたの?大丈夫?」
少しだけ間が空く。
少女
「……大丈夫。」
男性
「大丈夫には見えないな、何か欲しいものあったりする?困ってることある?」
少女が初めて男性を見る。
少女
「知らない人について行っちゃダメって言われてる。」
男性は苦笑する。
男性
「それはそうだな、でも一晩だけ休んでいかない?もし君が帰る場所がないのなら、この暗闇に放って置くわけにはいかないよ。」
少女は少し考える、家出をしたため帰る家がない、こんな真夜中に1人いるのも危ない、仕方なく小さく頷く。
そのまま二人はそっけなく夜の街を歩いて行く。
――――――
「おーーーい!!」
それはある日のこと、元気な声が響く。
いのり
「ひまわりーー!!帰ろー」
学校の正門を出たところで、いのりの元気な声が響いた。
ひまわりは少し照れながら手を振り返す。
ひまわり
「いのり……また大声出してる」
いのり
「えへへ、だってひまわりと一緒に帰れるの楽しみなんだもん!、今日はひまわりの家に遊びに行ってもいいよね?」
二人は並んで帰り道を歩き始めた。寒い季節も乗り越えて少し暖かい風が吹く、いのりは帰り道に、ずっと最近ハマりのドラマの話をしていた。
ひまわりの部屋に着くと、二人はジュースを飲みながらベッドに並んで座った。
ひまわりがためらいながら小さな声で言った。
「……ねえ、いのり。アイドルって知ってる?」
いのりの目が一瞬で輝いた。
いのり
「知ってる知ってる! テレビで見たことあるよ!
歌って、ダンスして、キラキラした衣装着て……すごいよね!可愛いしさ!
あたしさ、いつかステージに立ってみたいってずっと思ってたんだ!」
いのりは興奮して立ち上がり、部屋の中でくるくる回ってみせた。そしてひまわりに指を刺し、熱心に語る。
いのり
「想像してみてよ、ひまわり! 二人で歌ったらさ、絶対楽しいよ!
スポットライト浴びて、自分たちのファンの人が手を振ってくれたりさ……わくわくしない!?」
ひまわりはいのりの話を聞いて、少し困ったように笑った。
ひまわり
「楽しそう……だけど、私、人の前に出るの緊張しちゃうよ。みんなに見られるの、恥ずかしいよぉ……」
いのり「大丈夫だって! ひまわりはすっごく可愛いし、笑顔が優しいから、絶対みんな好きになるよ!
あたしが隣にいるから、アイドル応募してみようよ!」
そうは言ったものの行動に移すことはなく、応募するにも、ひまわりの許可待ちと言うとこで、説得するのが難しくアイドルの話はするが...
いのり
「ひまわり!ほら、一緒に見るよ!」
そう言って携帯を出す、内容は今話題を呼んでいるアイドルグループで、毎度動画再生数が1日で1000万近くいくような売れっ子アイドルの動画だった、ひまわりはそのアイドルにハマっていた。
それとは別にいのりはその売れっ子アイドルグループ達が出ている恋愛ドラマを見るのが最近のハマりになっていた。
ひまわり
「すごいよね、アイドルでもめっちゃ活躍してるのにドラマに出たりさ、この人たちは元から売れるために居たみたいなさ...」
一緒に2人で帰っては一緒に動画を見たりアイドルごっこをした。
そんな生活が続くうちに、1ヶ月以上があっという間に過ぎていった。
いのりは毎日のようにアイドル動画を見ながら「これやってみよう!」と誘い、
ひまわりは緊張しながらも、いのりの熱意に少しずつ引っ張られていった。
ある放課後、いつもの帰り道。
いのり
「アイドルってさー、何歳までアイドル活動できるんだろうねー」
ひまわり
「アイドルには賞味期限があるって言うもんね、冷たいよね、私ならさおばあちゃんでもアイドル活動するだろうに...」
いのり
「ははっ、何それ?おばあちゃんになって動けるの?私達は今なりたいんだよー?」
2人はいつものようにふざけながらケラケラ笑ってまたひまわりの家に行こうとしていたところ、一人の男性が優しく声をかけながら二人に近づいてきた。
スーツ姿で、落ち着いた雰囲気だった。
男性
「あのーすみません、2人とも、こんにちは。」
いのり
「こんにちは!」
いのりは戸惑いなく挨拶を返した。
男性
「2人とも仲良いよね、いつもここら辺帰ってるの見かけるんだけどさ」
ひまわり
「はい、幼馴染で最近は一緒によく帰るんです。」
男性は優しそうな目で2人のことを見つめる、少し間が空いたところで男性がぼそっと呟く
男性
「実はね...」
プロデューサー
「私は今アイドルグループを作ろうと考えているんだ」
いのりとひまわりはドキッとした。
プロデューサー
「2人ともアイドルの話しとたよね?ここだ!と思って話しかけてみたんだ」
いのりとひまわりは見つめあって、いのりは嬉しそうにはしゃいでいるが、ひまわりは内心驚いて声が出なかった。
プロデューサー
「少し近くのカフェでゆっくり話し合わない?」
場所を移動し、近くのカフェの席に座る
いのり
「え、あなたさっきアイドルって言いました?!ひまわり!とうとう夢が叶ったよ!!ほら!」
いのりが嬉しそうにプロデューサーに何度も確認するように話しかける、隣でひまわりは指をぎゅっと握りしめ、緊張で声が出ていなかった。
でもプロデューサーの話や他のメンバーたちの話を聞き、いのりの「一緒にやろう!」という言葉に押され、
胸の奥で小さな勇気が芽生え始めた。
ひまわりの心の中
「私も...ちょっとやってみようかな...」
プロデューサーの話を聞いた数日後。
プロデューサーに誘われ、二人は彼が用意した明るい会議室へ行った。
そこにはすでに4人の少女が待っていた。
プロデューサー
「みんな、来てくれてありがとう。
今日はいのりちゃんとひまわりちゃんに、みんなを紹介するね。」
プロデューサーが一人ひとりを優しく紹介していく。
まず黒色に少し紫っぽい髪を少し長めに伸ばした、冷静そうな印象の少女。
プロデューサー
「こちらはルナ。紫を担当してくれる。」
ルナは静かにお辞儀をしたが、目が少し鋭くて、どこか特別感のある雰囲気だった。
次にどこかクールで、真面目そうな少女。
プロデューサー
「彼女はれい、青色担当だよ。」
れいは軽く頭を下げ、「よろしく。」と短く言った。少し声が低めで大人っぽい印象の子だ。
次に、可愛らしい見た目のピンク髪の美少女。theアイドル顔って感じで一般人ではないと感じるほどだった。
プロデューサー
「彼女はさくら、ピンクを担当してくれる。」
さくらはにこっと笑って手を振った。
さくら
「よろしくね〜!」
最後に、緑色担当で優しい雰囲気で、少し不器用そうな子。
プロデューサー
「そしてこの子が奏緑を担当してくれるよ。」
そうは恥ずかしそうに小さく手を振りお辞儀した。
プロデューサーは最後にいのりとひまわりを見て言った。
プロデューサー
「いのりちゃんは熱血で、みんなを明るくしてくれる力がある。
ひまわりちゃんは優しくて、ふわふわしてて、みんなの心を繋げてくれそうなんだ。
この6人で組んだら、きっとすごいグループになると思う。どうかな? 楽しそうじゃない?」
いのりは即座に立ち上がって叫んだ。
いのり
「あたし、絶対やりたい!!みんなと一緒にキラキラしたステージに立ちたい!」
他のメンバーたちも期待した目でひまわりを見る。
さくらが
さくら
「ひまわりちゃん可愛いし、一緒に頑張ろうよ!」
と笑顔で言えば、ルナも
ルナ
「…私も、みんなでならやってみたい」
と小さく頷いた。
ひまわりは最初、緊張で声が出なかった。
みんなの視線が集まり、胸がどきどきする。
でも、いのりの熱い視線と、プロデューサーの優しい言葉、
他の4人の個性的で温かい雰囲気に、少しずつ勇気が湧いてきた。
「……私も、みんなと一緒に、やってみたいです...」
その言葉が出た瞬間、部屋中に歓声が上がった。
いのりはひまわりの手を強く握り、
「やったね! これからプリカラだね!」と大喜びした。
簡単な自己紹介の時間になり、
6人それぞれが名前と簡単な趣味や特技を話し始めた。
笑い声が部屋に広がる。
Prism Color Link「通称プリカラ」
彼女達の物語はここから始まった...
後書き
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
まずこのタイトルの由来なんですが、
「推す側」を「押す側」にした理由は、
誰もが推すことでその人は押される、つまり支えられる、
人と自分の個性で支え合って強くなる——
という想いからです。
そして**#の意味は、
今何が起きているかをリアルタイム**で示すタグのようなもの。
#そうはどうなった?
#ルナの現在
のように、過去の出来事も、未来の展開も、
#で繋がっていく物語です。
第1章では14〜15歳の頃の6人を描くつもりです!
そして**#で繋がる過去と現在**も描いていきます。
どうぞ、これからもよろしくお願いします!
Prism Color Link!
紫棘マロン




