0章
若気の至りなのか、ふと弟子を取りたいと思った。
俺は今年70歳になる下位魔族だ。毎日魔王様の御命令に従い、人間の村を襲い続け40年。今日の仕事を片付け終わったときだった「刺激がほしい..」ついさっき襲った村の広場で、俺の隣に座っていたゴブリンくんが口を開いた。...確かに自分も退屈していた。いつになったらこの世界を滅ぼし、魔王様の王国になるのだろう。別に今の生活が悪いわけではない。ただゴブリンくんの言う通りで、自分も本音を言ってしまうと刺激が欲しかった。「そうだな」そう言ったとき
「やめてください...」振り絞るような声で誰かが話す。振り返ると他のゴブリンが人間と交尾をしていた。またか..「前から言ってるだろ。俺らの見える範囲でおっぱじめんじゃねーよ」俺の声を聞き、慌てて人間を連れ、逃げるゴブリン。「俺あいつら嫌いだわ」「ははは、僕も!」..ゴブリンくんは他のゴブリンとは違う色で、性格も他のゴブリンとは似ていない。そういうのはレアモノ、と人間の中では言うらしい。ゴブリンくんは他の奴らとは違う、大人びた性格だ。俺はそんなゴブリンくんを尊敬している。
「あれ?」「どうした?」ゴブリンくんが後ろをまた振り返り、何かを見つめていた。なんだ?振り返ると赤ん坊が四つん這いになりながらこちらに向かって歩いていた。さっき居た人間の子か?それにしても..「..食べたいね」「美味そうだな..」そう、赤ん坊は肉が柔らかく、もの凄く濃厚だ。俺らが手を出せる代物ではない。兵団長など、位が高い魔族が食べる代物だ...もし手を出したら首ちょんぱだな。そう我慢しながら考えていたとき、俺はまずい事を考えてしまっていた。「ゴブリンくん」「どうしたの?」「あいつ育ててみないか?」




