表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死んだら男女比1:99の異世界に来ていた。SSスキル持ちの僕を冒険者や王女、騎士が奪い合おうとして困っているんですけど!?  作者: わんた


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/189

彼が魅力的だったからです!

 目を覚ましたらベッドの上だった。さっきまで騒がしかったと思ったんだけど、今はすごく静かだ。


 周囲には女性の騎士が数十人もいる。ぐるりと囲んで僕を見ているのだから、恐怖を覚えてしまう。しかも黙ったままで誰も話しかけてこない。


 男性特区で見たことある顔がいくつもあるので護衛として配置されているんだろうけど、もう少しこう、繊細な気づかいをして欲しかった。


「おはようございます」


 体を起こして挨拶をすると数十の顔が一斉に笑顔へと変わった。


 なんだか怖い……。


 この世界の男が女性に対して厳しい対応をする気持ちが少しだけ分かってしまった気がする。


「イオディプス君が目覚めた。ルアンナ隊長に報告してこい!」


 頭に羊の角をつけた獣人の女性が命令を出したけど誰も動こうとしない。


 手を出してこないけど舐めるようにして、ねっとりと見られている。男に慣れていないという部分を差し引いても少し異常だ。何を見ているのか視線を追っていくと一点に集中していた。


 掛け布団を押し上げ、盛り上がっている。僕の股間、元気な息子がいた。


 生理現象を見られたみたい。


 かーっと顔が熱くなる。


 変な汗が出てきた。


 すぐ足を曲げて体育座りして隠す。


「「「えーーーーーっ!!」」」


 女性騎士たちから一斉に抗議の声を出した。


 さっき命令したリーダーらしき人も同じだ。みんな職務を忘れている。


「あの大きさって標準なのかな?」


「話に聞いていたよりも大きいかも」


「多分、このぐらいのサイズ」


「うそっ。あれがあそこに入るの!?」


「無理だって!」


「でもチャレンジしてみたい」


「「「わかる~~」」」


 本人たちはひそひそと話しているつもりなんだけど、僕の耳にもしっかりと届いている。女性の猥談を目の前でされてしまい、さらに恥ずかしさが高まる。


 もう誰でもいいから助けてっ!


「お前たちーーーーっ!!」


 ドアが勢いよく開くとルアンナさんが入ってきた。


 女性騎士たちは手をピシッと伸ばしておでこに当て敬礼をする。


「イオディプス君が目覚めたら教えろといっただろ! なぜおしゃべりしていた!」


「彼が魅力的だったからです!」


 羊獣人の女性が即答した。後ろめたさなんて感じてないみたい。むしろ当然でしょ? みたいな態度だ。


 会社で働いたことのない僕でもダメな対応だめだってわかったんだけど、ルアンナさんは怒らなかった。


「どこが魅力的だったのか教えろ! 具体的にだっ!」


 まさかの発言だ。


 この世界の女性を甘く見ていた。


 詳細を聞こうとするなんて思わなかった!


 チラッと僕のことを見てから羊獣人の女性はルアンナさんに耳打ちをする。


 彼女たちの視線が、隠している股間部分に移った気がした。


「その話は間違いないな?」


「はい。私だけじゃなく、部下たちもバッチリ見ました」


「なら仕方がないな。今回は許そう。全員、別室で待機してろ」


「かしこまりました!」


 許されるんだ……とあっけにとられている間に、女性騎士たちは部屋を出て行ってしまった。残されたのはルアンナさんだけ。


「寝込みを襲われないように警備していたんだが迷惑だったか?」


「そんなことないですよ」


 女性騎士たちは見ていても手を出してくることはなかった。そのおかげで意識を失っている間は快適だったのだ。


 上司に評価を下げるようなことを伝えなくてもいいだろう。


「ならよかった」


 ほっとした顔をしながらベッドに腰掛けると、ルアンナさんは僕の頬に触れた。


「どうして僕はここで寝ていたんですか?」


 部屋に案内された後、テレシアさん、レベッタさんの二人に襲われたところまでは覚えているけど、衝撃的な出来事だったこともあって詳細を覚えてないのだ。


「女性に襲われたことがショックだったみたいでな。レベッタと同じタイミングで気を失ったから、王族専用の寝室に運んだんだ」


 少しだけ思い出してきた。


 そういえば初めて女性の大事なところを触ってしまい、興奮しすぎて気を失ってしまったんだ。新しい体は、ああいったことに耐性がないみたい。


「君を襲ったテレシアとレベッタは拘留しているから安心していいぞ。希望する処分があったら言ってくれ」


 貴重な男性を襲った罪で捕まっちゃったの!?


 ダメだよ。そんなの。


「でしたら二人を解放してください」


「え? イオディプス君を襲ったんだぞ?」


「僕は二人が今まで通りの生活ができることを希望します。それが叶わないのであれば、国を出て行く覚悟もありますからね」


 脅すようなことを言ったらルアンナさんの顔が真っ青になった。


 頬を触れている手が小刻みに震えている。それほど先ほどの発言はインパクトが大きかったのだ。


「わ、わかった。スカーテ王女殿下に今のことを伝えよう。希望は必ず通すから早まらないでくれないか?」


「もちろんです。ルアンナさんを信じて待っています」


「ありがとう。頑張ってくるっ!」


 立ち上がると走って部屋を出て行ってしまった。ドアは開けっぱなしで、ヘイリーさん、メヌさん、アグラエルさんが覗き込んでいる。


 話がまとまるまで時間がかかるだろうし、三人を招き入れておしゃべりをすることにした。


 もしスカーテ王女が拒否したら、一緒に拘束されている二人を奪い取ってから逃げることも出来るしね。悪い考えではないはずだ。

AmazonKindleにて電子書籍版の予約が開始しました!

矛盾点の修正やエピソードの追加、特典SSなどあるので、読んでいただけると大変励みになります!

※KindleUnlimitedユーザーなら無料で読めます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宣伝
▼新作を始めました▼
防具専門の鍛冶師~異世界に転生して35年。おっさんは隠居生活をすると決めたのに、今さら没落した元悪役令嬢がやってきて手放してくれないんだが~
https://ncode.syosetu.com/n4490lf

8e83c4k0m4w6j1uz35u7mek5e1km_ca_2fw_3h0_biiu.jpg
AmazonKindleにて電子書籍版が好評販売中です!
電子書籍販売サイトはこちら

矛盾点の修正やエピソードの追加、特典SSなどあるので、読んでいただけると大変励みになります!
※KindleUnlimitedユーザーなら無料で読めます!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ