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ソフィア女王:企みの失敗

 イオディプス君は、私が治めているナイテア王国に戻ってきました。


 今は自宅に帰ってお土産を渡すと、レベッタたちと子作りに勤しんでいます。数年以内には高ランクの子供が何人か誕生することでしょう。男の子が生まれれば最高なのですが、それは望みすぎですね。


 高ランクの子供が十人近く生まれるだけで国力は飛躍的に上がるのですから、それ以上を望んではいけません。


 ◇ ◇ ◇


 「お母様。残念でしたね」

 

 晩ご飯を食べ終わり、スカーテとワインを飲んでいる時に言われました。


 顔が赤くなって酔っているのに、関係者にしか分からないよう濁しているのは流石ですね。王族として教育した成果が出ています。給仕のために待機している侍女には、何のことだか伝わっていないでしょう。

 

「あれが勝てるとは思っていませんでした。特に思うところはありませんよ」


 ブルド大国の脅威に対抗するため、実はユーリテスに武器や資金を提供していたんです。


 騎士団長でしかない女が一時的にでもクーデターを成功した裏には、ナイテア王国の工作員がいたというわけですね。イオディプス君に惚れていた彼女は、面白いように都合良く動いてくれました。


 仮にクーデターが成功したとしても、グロリアーナ女王を慕っている貴族と内紛は続き、国は割れてイオディプス君を手に入れる余裕なんてなかっただろうに。


 本当に愚かな女だったからこそ、利用しやすかった。


「失敗するのも計算内だったんですか?」

「ええ、そうよ」


 スカーテは私が賭に出たと思っていたのかもしれませんが、成否についてはどうでも良かったのです。

 

 どちらに転んでも私たちに利益しかない。だから極秘裏にケンカを売ったのです。


「もしかしてお母様は、聖人認定されることもわかっていたのですか?」

「まさか。あれは驚きましたよ。完全に計算外の結果です」

「お母様でもそんなことあるんですね」

「当然でしょ。死んで復活するなんて、誰が予想できるものですか」


 猛毒によって苦しんでいると聞いたときは、私の企みによってイオディプス君が死ぬかもしれないと知って、心臓が止まるかと思いました。


 あの時ばかりは、ブルド大国内乱計画を実施して後悔したものです。


 蘇ってくれて本当に良かった。心の底から思っています。


「でも結果的に我々の利益になったのだから問題はありません。今後、ナイテア王国は聖地として扱われることでしょう」


 ポンチャン教の信者は世界各地にいます。彼女たちが巡礼のために訪れれば外貨は稼げる上に、戦争を仕掛けようとした国は非難されるため、国家の安全は飛躍的に高まりました。


 しかもブルド大国とも同盟を組めたので、技術や芸術の交流も盛んになります。国力は飛躍的に上がっていくでしょう。イオディプス君には感謝しても足りないぐらいです。


「聖地に聖人……レベッタはよい拾いものをしてくれましたね。私の番が回ってくるのが楽しみです」


 スカーテは下腹部を撫でていました。


 中に子供がいると錯覚するほど優しい手つきです。


 羨ましい。


 10年早く出会っていたら、私も立候補したのに……ズルい。


 羨ましく思うあまり、私も下腹部がジンジンと熱くなってきました。


 子供が生まれる可能性は低いけどゼロじゃない。スカーテと一緒に相手してもらえないかしら。


 あ! いいアイデアね。


 母娘と一緒に子種をもらいましょう。さっそくイオディプス君に打診をしないと。


 スカーテにバレたら邪魔をされるだろうし、早朝にお忍びで行くのがベストですね。皆寝ているだろうから、邪魔はされないでしょう。


「お母様?」


 気を抜いたら笑顔になっていたみたいで、スカーテが不思議そうに見ていました。侍女たちも顔には出していませんが、視線が集中しているので、何かを企んでいるぐらいは察していそうです。


 それはいけませんね。


 イオディプス君の子種横取り計画は、ばれたらいけません。


 交渉するにしても信頼できる配下だけを連れて行く必要があります。老婆がいいでしょう。子供が作れない体であれば、邪魔をされる心配はありませんから。


 もし私に子供ができたら、王位継承権を最上位に……いえ、それは止めておきましょう。国が割れます。継承権はなくして補佐役として囲い込みましょう。


 聖人の娘であれば、他家からの干渉は気にしなくていいでしょう。


「何でもありません。それよりもルアンナたちは大丈夫ですか? 暴走されたら困りますよ」

「問題ありません。イオディプス君が護衛のお礼として、子作りの権利を与えたので大人しくしていますし、部下たちも納得はしているようです。ユーリテスのようにクーデターを企てることはないかと」


 それなら安心ですね。同盟を組んだブルド大国の間者が活動しているという報告も聞いておりませんし、子作り計画は順調に進んでいくはずです。


 ブルド大国への脅威に怯えていた我が国はもうありません。


 未来は明るい。


 そう思わせてくれたのもイオディプス君のおかげです。


 子種をもらうときは感謝の気持ちを込めて、精一杯奉仕してあげますからね。


 楽しみにしていてください。


完結となります。

今後、イオディプス君は子作りのために毎晩、女性を抱く生活が続くことでしょう。

(続きを書くとどうしてもR18になってしまいます!)


最後まで楽しんでもらえたのであれば評価などで応援してもらえると嬉しく思います。


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