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横暴です!

 侍女が僕の上着を脱がして胸を舐め始めた。舌の先端が当たるとくすぐったい。


 ぴちゃぴちゃと音がして、ぞわぞわっとした快感が体の奥から湧き上がってくる。パンツに隠れている物体は限界まで大きくなっていて、リテートさんがしゃがんで凝視している。


「すっごく大きい! こんなの入るの?」


 性に目覚めた少女みたいで、興味津々って感じだ。ツンツンと刺激される度に腰を動かして逃げようとするけど、エリンさんが両腕を掴んでいるのでうまくいかない。


「ずるい。リテートは交替してよ」

「えーー。嫌だよ。もう少し楽しませて」


 お願いを断ると、リテートさんは僕のパンツを脱がそうとする。


「ずるい! 許さないんだから!」


 僕を押さえていたエリンさんが離れると、リテートさんの顎を蹴り上げた。


 欲望に目がくらんで無防備だったこともあって、勢いすら殺せずまともに当たってしまい、空中で体が縦に一回転して地面に倒れた。ピクピクと痙攣しているけど、生きてはいるみたい。


 この世界の女性は頑丈だから、骨とか大丈夫だよね……?


 心配している間に胸を舐めていた侍女が僕を押した。


 バランスを崩してソファに倒れ込む。


 起き上がろうとしたらエリンさんが僕の上に覆い被さってきた。


「まだ私の番では!?」

「さっきまで舐めてたんだから、私に譲りなさい!」


 どうやら溜まりすぎていたのはエリンさんのようだった。頬を赤くしてよだれを垂らしながら、唇を塞いできた。


「っんん!」

 

 舌が侵入して口内を蹂躙していく。


 逃げようとしても追いかけてくるハンターのようだ。僕の舌はすぐに捕まってしまい、絡み合っていく。入念に粘液の交換を終えると、息継ぎをするためにエリンさんの唇が離れた。


「美味しい♡」


 粘液でテカテカに光っている唇を拭った姿が魅力的だ。


 馬乗りにされた状態だけど、僕の下半身は興奮したまま。パンツが窮屈だと叫んでいて、それを悟られてしまったようだ。


 腰の位置が後ろにずれて息子に乗っかった。くぼんでいる部分が当たってフィットする。くちゅりと音がでて湿っているように感じた。


「苦しい? 解放してあげようか?」


 妖艶な笑みで言われたら断れる男なんていない……と言えたらどれだけよかったか。目を閉じてレベッタさんの顔を思い浮かべながら首を横に振る。


「ふーん。私じゃダメなの? ルアンナだったらいいのかな?」

「順番があります」

「ふーん。でも言わなければバレないよ?」

「そういうことじゃありません」


 信念の問題だからね。欲望に飲まれてヤってしまったら、絶対に自分を許せない。


「でも、抵抗出来なきゃ意味がないよ。私がいただいちゃうね♡」


 体をよじったけど、エリンさんを落とせない。


 このままじゃ襲われちゃう!


「お前は、やり過ぎだ」


 急に体が軽くなった。ルアンナさんがエリンさんを持ち上げたみたいだ。


 助けてくれるって信じてたよ!


「横暴です! このチャンスを……」


 話している途中だったけど、エリンさんを投げ捨ててしまった。


 床に当たると気絶したみたいで動かなくなった。乱暴な止めかただけど、助けてもらったんだから文句は言えない。


 ありがたいなと思って起き上がろうとしたら、下着姿になった侍女が押さえつけてきた。


「えーっと……」

「男性との初めてのキッス!」


 勢いよく唇が重なった。


 歯がぶつかってちょっと痛い。涙が浮かぶ。


「ちゅっちゅっちゅ♡」


 エリンさんとは違って、口の中には入ってこない。その代わり鳥が餌を食べるかのごとく、何度も突いてきた。


 初回とは違って軽く触れるぐらいなので痛くはない。


 この程度であれば思う存分楽しんでもらってもいいかなと、油断してしまったのが悪かった。


 キスをしながら侍女の手は僕の股間に回って執拗に何度も撫でる。しかもソフトタッチだから、我慢の限界を超えてしまいそうだ。


 下半身にぐっと力を入れて耐える。


「た、助けて……」


 口が離れた瞬間に声を出すと、リテートさんの容体を確認していたルアンナさんが気づいてくれた。


 近くに転がっている椅子を振り上げると、次女の頭に叩きつけた。


 ええ!? 大丈夫なの!


 壊れた椅子を床に落とすと、ソファに倒れている僕を抱き上げた。


「ようやく二人になりましたね」

「そ、そうだね」


 妙な圧を感じた。肉食獣に狙われた獲物になった気分。


 動けないで居ると部屋を出て、ルアンナさんは廊下を歩く。


「どこに行くんですか?」


 抱きかかえられたまま聞いてみた。


「私の部屋です。ゆっくり過ごしましょう」

「何をするつもりです?」

「着いてからのお楽しみ、ということで」


 答えを濁されてしまった。


 ルアンナさんの部屋に入るとベッドに置かれる。起き上がろうとして横を見たら、服を脱いでいるところだった。


 手際よく下着まで床に落とすと、裸のまま四つん這いで僕に近づいてきた。


「疲れた顔をされてますよ。お昼寝しましょう」


 そう言って、ルアンナさんは僕の頭を持つと胸に抱き寄せた。


 柔らかいクッションと人の温かみが心地よい。緊張感がほぐれていく。


 見知らぬ国に来て模擬戦をするなんて話になったんだ。自分でも気づかないうちに心身が疲れていたんだろう。ルアンナさんは、それを見破っていたようだ。


 手段は間違っていたけど、破廉恥な騒ぎも僕をリラックスさせるためだったのかな。


 久々に感じた温もりのおかげで、僕はすぐ眠ることができた。

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