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プロローグ



 梅雨時には珍しく、その日は空一面が濁りのない青に染まっていた。

 自然は気まぐれに姿を変えるというのに、こいつら(・・・・)の所業が変化することはない。この一ヶ月、一日たりとも。


 髪を掴まれて引き寄せられる身体。まずは腹をひたすら殴られ、痛みに屈しかけたところで脛を蹴られる。この繰り返しが放課後の日常となっていることに、僕は呆れとも情けなさともつかぬ感覚に襲われ、気づけば顔が引き()っていた。


 それを見咎めたらしく、一人が「何笑ってんだよ」と迫ってくる。とんだ勘違いだ。

 舌なめずりで湿っているその唇を見て、臭そうだなと思っていると、左頬に重い衝撃が走った。次第にそれは痛みを伴いだして、ジンジンという響きは皮膚の内側を通って脳みそまで(むしば)んでいく。


 尻餅をついてしまった僕を見下ろす三人の男から、薄汚い笑い声が盛大に放たれる。

 僕は頬の肉を上下の歯で挟んだ。噛みちぎれそうなほど勢いよく。

 立とうとするな。抗おうとするな。そう自分を制御するために。


 どう反発したって、僕に勝ち目なんてない。それならばいっそ、無反応を貫けばいい。そして「こいつは獲物として遊びがいがなさすぎる」と思わせればいい。そうすれば、いつかこいつらも飽きるだろう——そう頭では理解している、けれど。


 ——この暴力に、この日常に、終わりなどあるのだろうか。


 掌から伝わってくるざらついた地面の感触が、僕を何より痛めつけていた。





読んでくださってありがとうございます!

作者の冨知夜 章汰です!


不定期更新・ストック皆無という状況です。

時間は費やしますが必ず完結させますので、「続きを読みたい」と思ってくださった方はぜひ楽しみにお待ちください!


感想や☆☆☆☆☆の評価をもらえると、端末の向こう側で喜びの舞いを踊りますので、お手数ですがよろしくお願いします!

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さあ!章汰さん!喜びの舞を踊りXで盛大にお叫びくださいw
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