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堕ち穢れ腐る
暗い森のどこかで蠢く影がある。
異形のそれらは数多く無秩序ながらただ一心に北へ進む。
しかし、その異形の中に3つの人型がいた。
『待ちきれねぇなぁおい。』
もっとも大きな影が口を開く。背負う獲物は巨大で一振りで複数の命を奪うだろう。
『穢土殿落ち着かれよ。まだ森のなかばだ。』
フード付きの黒いロングコートを纏った影が言う。大きな影より頭一つ小さいが隙のない所作から強者であるという自負が見て取れる。
『分かっちゃいるがよ……御大将も待ちきれねぇんじゃねぇですかい?』
『……ああ……』
大将と呼ばれた物はそれだけ返すと再び黙り込んだ。
彼らは進む。ただ一つの目的である本能を満たす為に。




