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十四話

 ゆらゆらと揺れる火の玉のようなそれは、仄かに白く輝きながらカニのすぐ上に浮いている。

『どうしたの?』

 愛華さんが心配したようにこちらを見る。

『あのカニの上にある白いのはなに?』

『白いの?どこに?』

(見えていないのか?)

 愛華さんには見えていないようでしきりにカニの周辺を見まわしている。初めての狩りで思ったより疲れているんだろうか。

喰らえ(・・・)

『誰だ!!』

 突然声が聞こえた。何だか頭に直接響いたような奇妙な感覚がして気味が悪い。辺りには自分と愛華さんしかいないはず――――

≪さっさと喰らってしまえ≫

『急にどうしたの?』

 愛華さんには何も聞こえていないのか。なんなんだいったい。

 時間がたったせいか、白い何かが薄くなり消えようとして――――

『ぐぅ!』

 急に強烈な飢餓感に襲われた。早くあれを喰わないといけない、喰らいたいと自分の中にあるナニかが叫び声を上げる。もはや白い何かしか見えない。

『グゥゥゥオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!』

 獣のような叫びをあげそれを喰らう・・・

 

スキル【喰らい得る魂アブソーバーソウル】発動


    スキル【切断】【砂地闊歩】

 

    をラーニングしました


 何だか気持ちが良い。このままこの快感に浸っていたい。 

『ちょっとどうしたの!!』

 ふと気が付くと愛華さんが肩を掴み揺さぶっていた。乱れた呼吸をどうにか整え大丈夫と返す。

『何があったの説明して。』

 うむを言わせぬ強い口調に対し、ところどころつっかえながらも話す。白い何かを見た事、声が聞こえた事、何かが消えかけた時強い飢餓感を覚えた事、そして――――

『つまりスキルが発動して白い何かを食べた後、スキルを得たという事ね。』

 説明に一度も口を挟まなかった愛華さんが、スキルを使った話をした時に初めて口を開いた。

『確か【喰らい得る魂アブソーバーソウル】っていうスキルだった。』

『間違いない?』

 やけに真剣な口調に気圧されつつもう一度思い出す。

『うん間違いない。』

『そう……』

 また手を組み考え始めた。

 なんだろう、あのスキルは。考え始めると途端に不安になってきた。謎の声、まるで飢えた獣になったような飢餓感、どちらも普通じゃない。

『明日朝からギルドに行きましょう。』

 唐突に愛華さんが言う。

『ギルド?』

『そう。ほんとならもう少しこの世界に慣れてからと思ったけど、少し早めに行きましょう。相談もした方がよさそうだし。』

『相談?誰に?』

『州都波風のギルドマスター――――私のお父さんよ。』 

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