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餅
まきるはお雑煮の餅を一口食べた。
「やめられない止まらない、お雑煮」
「この前からおまえはお雑煮ばっか食ってるな」
「だって美味しいもんっ。お母さんも食べる?」
「いや、あたしはいいや。っていうかそれが最後の餅だし」
「えっ?」
「何だよその裏切られたような表情」
「じ、じゃあ、これが最後のお雑煮?」
「まあ、餅買ってきたらまた作れるけど」
「…………ううん。もう正月も終わりだし、お雑煮離れしなきゃだもんね。悲しいけど、それが青春」
「冷めるぞ」
「ううー、お餅が美味しい…………太るかな?」
「大丈夫だろ。まきるはあたしと一緒で太りにくいし」
「そうだよねー。…………一部は太って欲しいけど」
「ん?」
「何でも無いよっ。さ、お雑煮お雑煮っ」




