僕を、見ないで…
再び現れた顔面強面オヤジ…反社最強の処刑人と呼称されていたシンラをブッ飛ばしたニジは、
ニジ「(もうここまで侵食してやがる。早すぎだっつーの。)」
ニジ「(急いでアサヒ君達がいる避難所に戻らないと。)」
ニジは低空飛行…空気を何度か高速に蹴って滑空飛行しながら真っ直ぐに飛び、その道中の階下の森や道、置き捨てるよう止まっていた車やトラック・バスなどが赤い肉達に食い尽くされるよう侵食、自己変化している光景を見ながら先を急ぐ。
その途中遥か上空に輸送機…だった新たな生命を得た蠢く肉がいっぱい纏わりついた物凄くデカい肉の鉄鳥を目にする。
ニジはそれを一瞬見た瞬間、
ニジ「…行かせねェよ。」
ニジは低空飛行から一気により高所へと瞬間移動するように飛び、ゆっくりと飛んでいたその輸送機だった肉の鉄鳥はいきなり背後から現れたニジへと、色んな所から眼球らしい卵爆弾みたいなものでニジへと吐き出すよう発射した。
ニジは軽く右腕を引いて、
ニジ「空拳!」
引いた右腕を真っ直ぐに正拳突きするように放つ謎の青いビーム、判明した肉体技の必殺技名で肉の鉄鳥が吐いた眼球らしい卵を放った青いビームで一瞬にして溶けるよう全て宙で破裂し、続けてニジは余る左腕を後ろへ下げ思いっきり引っ叩くように振るった。
この直後、
ニジ「青拳裂断!!」
左手に光る青い光が爪となるよう覆われ5本分の青く光るニジだけの爪が空飛ぶ肉の鉄鳥へと振るい、広範囲で振るった青く光る爪が肉の鉄鳥を5つに切り裂くよう断裂させ、中身の肉も引き裂かれながら宙で爆散していった。
空飛ぶ肉の輸送機を撃墜したニジは、
ニジ「よし。コイツを採用するか。」
ニジ「コイツは武器じゃなくて、俺の肉体技だから問題無し。…あのオッサンとの、いやシンラとの戦いで思いついたんだよね。」
ニジ「お陰で使い手相手に対する新たな技と力を得た。とりま感謝しとくよ。」
自然に新たな技を得たニジは先程戦ったシンラに対して感謝をしつつ、再び空気を蹴って飛行をしアサヒ達がいる街へ目指して飛んで行った。
ーーーーーーーーーー
数分後、
再びアサヒ達が居る避難所がある街へと戻ったニジの目に、
ニジ「うわマジか。避難所が肉…別の何かになってるし!」
ニジ「おいおい、大丈夫かよ。」
完全に生きた肉が支配した街…だけでなく避難所としてアサヒ達が一時的に居る丘の上のコングレスセンターが赤黒い肉に覆われるようより変異した巨大な肉の塔と化しており、ニジは急ぎ巨大な肉の塔になってしまった避難所下へと架空する。
ニジ「あー。強行突破用のトラックがもう別の化けモンになってやがる。うえー。あちこちでグチュグチュしてらぁ。」
一旦ニジは架空から空気を踏むよう鳥の枝止まりのように宙で静止し、駐車場だった肉のフィールドに楽しそうに踊り揺れる…小腸と大腸に覆われた別の何かとなった元強行突破用のトラックだったものが肉のイソギンチャクみたいになっており、ニジはどこか安全に降りれそう&侵入出来そうな所を覗き込む動きで探す。
と、
ニジ「いい感じの肉の洞みたいな所があるな。そっから中に入ろう。」
ニジ「肉に極力触れない、踏まないようにっと。」
正面入り口からちょっと裏手に回るようなんとか入れそうな肉の空洞をニジは見つけ、ニジは宙を軽く走って裏へと回るよう移動し、少し降下したニジは地上の蠢く肉と肉の中に埋もれる眼球の集合体を振るった素手一つで吹っ飛ばし、ニジの拳圧で剥がれ飛んだ箇所が元々の赤い液体が付着する濡れたアスファルトが現れる。
安全を確保したニジは地上へと降り、肉の空洞へと歩んでちょうどいい穴から避難所内へと入った。
その中は…
ニジ「…。」
人工物の避難所の元がわからないぐらいに変化しており、全体が赤で全部が肉組織で覆われた…もはや生き物の体内にいるよう近くから聞こえる生命を得た肉達の心臓の音が鳴り響く。
ニジは歩くたびにぐちゃぐちゃと鳴る肉の通路を歩みながら、
ニジ「みんな無事だろうか?」
ニジ「流石に変な薬をアサヒ君達が飲んでもこれじゃぁ…。」
ただひたすらに真っ直ぐ進んだ。
すると大きく開けた肉の広間らしいところに入った途端、
「あ…ぁぁ…」
「…。」
「「…。」」
ニジ「(おお。こんな有り様でも襲われないのか。なる早で作った忌避薬にしちゃ効果出るの早ない?)」
そこには避難所にいた何人か見かけた市民達がおり、皆背を向けて項垂れるよう呆然と立ち尽くす背後姿を目にした。
ニジ「あ。いたいた。アンタら大丈ー」
ニジは声をかけるよう軽く声をかけた。
途端、
「ひ、ひひ…ヒヒひへへへへへへへ…。」
「は、ははは…ハハハハ、ハハハハハハハハ!!」
「「「アハ、ハハハハ…ハハハ!あはははハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」」」
ニジ「へ?何?何ワロっとんの?」
「「「「あはははハハハハハハハハハハハハははははははハハハハーーーー!!!!」」」」
「「ギャハハははハハハハ!!ブワッはハハハハハハハハハハハハハハハハーーーー!!!!」」
背を向けるよう俯き立っていた市民達が一斉に頭を少し上げるよう狂ったように笑い出し、ニジは一斉に笑い出す光景にええっと引くよう少し様子を見た。
すると一人一人ニジへと振り向いて、
「アアアア…あああああ…アアアアあああああ!!」
「見えるゥうううウウ!み、見えルルゾオオオオ!!」
「おじいイイイイイサあああああ!!オオオオおおおじじいいいサあああああ!!アンたタタタタタタあああああアアアア!!!!」
「メメメメシシ!!メメシシ!!メメメメメメシシかあああああアアアアアアアア!!!??」
ニジ「はぁ!?つか全員真顔じゃんよおお!!?怖っ!?!!なんじゃコリャ!?」
ニジへと振り向いた一人一人が笑って…否真顔で目から鼻・耳穴から赤い血を流し、中には開いた口から血を流しながら歯を何本か肉の床へ真顔で笑いながら吐き落とす光景を目にする。
ニジは思わずドン引きとなるようつい後ろへ後退りしたが、退路を塞ぐように次々と肉の広間へと狂い笑いする市民達が不気味な足取りでドカドカと入ってくる。
「「「「ギャハハははハハハハハハハははははーーー!!!!」」」」
「やるゾオオオオ!!ヤヤヤヤルルぞオオオオオ!!」
「いる!イル!!イイイイイルルうううウウ!!そこコココオオオオににわわしワタタシシいいのオオオオっととトトトガあああああアアアア!!」
ニジ「おいおいおい!?」
ニジが驚く間に狂った市民達がニジを取り囲み、一斉にニジへと…一人一人が何かに見えるよう凄まじい幻覚と認知低下、発狂により全員が走るゾンビのよう両手を前に突き出して襲い掛かる。
「ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャハハハハハーーーー!!」
「ににににクククク!!二イイイイイグウウウウウウウウウウ!!」
ニジ「うお!?」
ニジは集団で襲いかかってくる謎に発狂化した市民達の飛びつきや噛みつきを一人一人の動きを見てしゃがんだり側転する様に避け、時に猛スピードで弧を描くよう滑りながら移動回避する。
「オイイイイおママエエエエエ!!そのフフザザけけたたコココンジョジョジョじょおおおおウウウウウウウウウウアアアアあああああアアアアアアアア!!!」
ニジ「クソ!(どうしてこうなったんだよ!?一体彼らに何があったんだ!?)」
ニジ「(だが振るわなきゃ俺も無事ではすまない。悪いが!!)っ、許せよ!!」
「あああああアアアアーーーーー!!」
「アアアアンンンン!!アッアッアッアッアッアッアッアッ!!」
「「アアアハハハーーーーあああああーーーーーンンン!!」」
ニジは仕方なく自分の命を守る為に拳を丸め、襲ってくる一人一人の市民…否発狂化した人間へと容赦なく拳を蹴りを与え、ニジの猛スピードで振るう肉体技を受けた人間達は当然軽々と吹き飛ぶよう肉の壁へと激突し、一人一人が首の骨が変な方向に曲がるようなぜか気持ちいい声をあげながら絶命する。
ニジは襲ってくる発狂化した人間達を次々と回し蹴り・裏拳、ジャブ、フック、ストレートのコンボだけでぶっ飛ばしながら、
ニジ「アサヒ君を探さないと!」
「あヒヒヒイイイイイイイイイイーーー!!!!」
「あああああジイイいいいサあああああ!!ジイイいいいさアアアアアア!!」
共にこの街から脱出しようとした彼らを、ニジは今この手で確実に葬っている事に少し…ニジは内心歯を食い縛っていた。
ーーーーーーーーーーー
そして、
「アハハアアアアアアアアアアアアンンンンーーーー…。」
「「…。」」
ニジ「すまない。」
「「「…。」」」
「「「…。」」」
肉の広間に入ってきた発狂化市民の人間達を叩きのめしたニジは、一人一人首が折れてうつ伏せ・仰向けになるように血涙しながら白く裏返った眼球で絶命している彼ら一人一人へと謝罪する形で頭を下げ、ニジは急ぎアサヒを探すべく肉の施設内を走る。
ニジ「アサヒ君、何処だ?せめてアサヒだけでも!」
ニジは襲ってきた中で狂ったように大きく口を開けて飛びついてきたアサヒの母親も目にしており、ニジは食らいついてくるもう面影すらない変わり果てたアサヒの母親を見て一瞬目を細めた後、躱すと同時に首を両腕で組み掴んで一瞬にしてへし折るよう倒しており、ニジは申し訳ないよう生き絶えたアサヒの母親の最後を見届けていた。
ニジはその謝罪と共にその母親の子供であるアサヒだけでも街外へ逃すべく、必死に肉の施設内を走り回り時々肉の壁から出るよう襲い掛かる死神みたいな肉の変異体も拳一つで倒しどんどん出てくる肉の化け物と発狂化した人間達もぶちのめしていった。
そして、
アサヒ「ゲホ…ゴホ……ヒュー…ゴホゴホ!…ヒュ…。」
ニジ「!アサヒ君!!」
アサヒ「に、ニジ…おじ…さ……ゲホ!」
ニジ「アサヒ!」
咳き込む声が聞こえたニジはその方向へと走り、ほとんど肉だらけの施設内に唯一残っていた鉄の扉の前へと移動したニジは、その先から聞こえるアサヒの喘鳴と咳き込む声へと閉ざされた扉へ手を当てながら声をかけた。
ニジ「大丈夫か!?アサヒ!?今此処から出してー」
しかし返ってきた言葉は、
アサヒ「ダメ…。お、お願い…僕を、見ないで…。」
ニジ「は?」
アサヒ「だ、メ…だめ…だ…ヨ……ゲホ…ゴ、ホ…。ぼ、ぼく…は……」
ニジ「アサヒ!何があ…」
ニジ「…。」
涙ながらに懇願する拒否の言葉。
ニジは一瞬だけフリーズするも、当てていた鉄の扉が何故か勝手にニジの手でもなく中のアサヒでもなく開かれた。
その先にあったのは、
アサヒ「ああ…に、にジ…おじ…さ……」
アサヒ「ごめ…ン…ごめ…ンな…さ、ィ…。」
ニジ「嘘だろ…。」
身体半分が肉に埋もれ、現在進行的に変化中の…肉の蛹みたいに変わり果てたアサヒの姿がニジの目に映り、その状態ながらもアサヒは呆然とするニジへと途切れ途切れに短く話す。
アサヒ「も、もう…ボボ、く…イいし…き…なく、な……ル…。」
アサヒ「だ、ダダカ…ら……」
ニジ「…。」
ニジへとゆっくりと伸ばす赤い触手がまだ意識あるアサヒにより一時的に止まり、ニジは肉の蛹状態のアサヒに顔が映らないが如く静かに頬から一つの雫が流れた。
アサヒはニジへ、
アサヒ「コ、ろ…シ、テ…。」
最後の願いを伝えた。
後、
ニジ「許して…くれ。」
ニジはアサヒが止めていた触手が再び伸ばし始める…その瞬間に一瞬だけ青い光が照らされ、ニジが立つその方向先に破裂し原型さえわからないぐらいに血肉となった液体が広がり、ニジの頬や着ている衣服とコートの一部に赤い返り血がつくよう真っ直ぐにアサヒだった液体へと見つめたまま、時が一時的に停止されるよう世界が停まった。
続く。




