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故郷捨テル  作者: 智葉亜紗芽
小学校編
9/19

二人のユカ~差別主義と比較対象~

 ここからは、小学生時代に主に関わった人物について話していく。


 まず最初に言っておかなければならないことがある。全国の「ユカ」という名前の皆さん、あなた方に罪はありませんが、この二人の「ユカ」だけはどうしても赦す事ができません。

 この二人の「ユカ」は、私と同じ学年で、世矢幼稚園、世矢小学校、世矢中学校まで通っていた「ユカ」を指します。なので、世矢に関わったことのない「ユカ」という名前の皆さん、本当にごめんなさい。

 どちらの「ユカ」も、苗字が「川」で始まるが、ここでは1人のユカを「差別主義のユカ」と「ユーフォニウムのユカ」と呼ぶことにします。


 差別主義のユカ、ユーフォニウムのユカ…どちらも出会ったのは世矢幼稚園であった。


 まずは差別主義のユカの話をしよう。差別主義のユカには、幼稚園当時から私を嫌がらせのターゲットとしており、事あるごとに体をつねったり、遊具やおもちゃを使わせなかったり、突飛ばしたり…一度挙げたらキリがないほどだ。これは中学校卒業までも変わらず、酷いものであった。

 小学生からはエスカレートして、名前をわざと逆さに呼んだ分際で、自分の名前を逆さに読まれたら逆ギレ突飛ばしなんてのは当たり前。私の好きなものを「ダサい」とか言ってけなすわ、人の自由帳に「バカ」とか「アホ」とか落書きするわ、挙句の果てには当時かわいがっていたいとこまでもバカにする始末である。

 こんな差別主義のユカは、後に結婚して同窓会の主催メンバーとなるのだが、よっぽど猫かぶっているんだなぁ…としか思えなかった。現在はどうしているのかはつゆ知らずではあるが。


 次に、ユーフォニウムのユカの話をする。ユーフォニウムのユカは、現在の常陸大宮市から真弓ヶ丘ニュータウンに引っ越してきた。そして、世矢幼稚園に転園してきたのである。当時は同じ通園班として仲がよく、しょっちゅう遊んでいたが、小学校2年生辺りには徐々に疎遠になってきたのである。私はそれを露知らず、ユーフォニウムのユカに依存しすぎていたのかもしれない。


 特に、母親からは常に「ユカちゃんなら●●した」、「ユカちゃんなら●●できる」などと、私とユーフォニウムのユカをしょっちゅう比較していた。言い換えれば、ユーフォニウムのユカこの毒母の被害者なのだろうが、私はユーフォニウムのユカが、私にした裏切りともとれる行為は一生赦す事はできないだろう。


 それは小学校4年生の時だった。ユーフォニウムのユカも私に嫌がらせをするようになってきたのだ。それは同じ習い事先でも変わらず続いた。ソロバンの先生は、注意をするどころか常に級が上のユカに対して味方であったのだ。周りはユカの味方だらけ…私の味方である人間なんて居やしなかった。


 ユーフォニウムのユカとの交流を絶っても、親同士の交流は変わらなかった。そして、事あるごとに私が何かすれば毒母は「ユカちゃんは●●している」、「ユカちゃんは順位が●●だった」などとますます私とユーフォニウムのユカを比較するようになった。こんな奴をいい子だと思っている毒母の精神がいまだに理解できない。「だったら、ユーフォニウムのユカを自分の子供にしたら?」何度そう思っただろう。


 ユーフォニウムのユカも現在は結婚し、世矢どころか茨城を離れているらしいが、私が駆け落ちしてまで結婚して以降は、毒母が事あるごとにユーフォニウムのユカと比較するような事はなくなったが、現在になっても私にとって「ユカ」は呪いの言葉でしかない。

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