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故郷捨テル  作者: 智葉亜紗芽
小学校編
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10/19

ダイキ~私が男性不信に陥った理由~

 この際だから今回はハッキリ言う。今回のエピソードはとてつもないほど胸糞な話である。


 私とダイキが出会ったのは、私が年少の頃になる。私の家のはす向かいにダイキ一家が引っ越してきた時だった。私達と同じ4人家族で、ダイキは私の一つ下、そしてダイキの姉が私の一つ上だ。私達はダイキ一家とすぐに仲良くなり、頻繁に遊ぶようになった。当時の私はダイキの姉と遊ぶのが一番好きで、当時は本当の姉のように慕っていた。ピアノとスイミングも一緒に通うようになり、段々とピアノと水泳が上手になっていくダイキの姉がとても羨ましくも思えた。


 そんな私達とダイキ一家の関係が綻び始めたのは、私が小学校二年生、ダイキが小学校一年生になった時だった。この日、私はいつも通りにダイキの姉と遊んでいた。しかし、ダイキの姉が自宅の向かいにある家に行った矢先のことだった。


 ダイキは私を襲ったのである。


 ダイキは私の服の脱がし、自分も全裸になって私の身体を触ったのだ。その時、私は何が起こったのかわからず、ダイキにされるがままだった。

 そこへダイキの姉が向かいの姉妹を連れて自宅に戻ってきた。そして、ダイキの姉と姉妹はその現場を見てしまったのだった。その時のダイキの姉の表情は青ざめていて、私はなぜ彼女が青ざめているのかわからなかった。当然、対処の仕方もわからなかった。


 この件は、お互い両親には口外しなかったが、私はあの時のダイキの姉の表情を忘れることはできない。そして、私は「男の人は、すぐに女の人を襲うんだ」というイメージが定着してしまい、いとこ以外の男性に心を開くことができなくなってしまった。


 その後は遊びに行く機会は減ってしまったが、子供会でのバーベキューや海水浴で一緒になる事はあった。通学の班も一緒だったので、あの時のしこりはあれど、私が自称キムタクで苦しむようになるまでは普段通りにダイキの家に行って遊んでいた。

 思えば、そこからズルズルとダイキは非行に走って行ったのだろう。通学班の班長でありながら、通学班にしょっちゅう遅れて、副班長に迷惑をかけるわ、学校内で問題行動を起こすわ…挙句の果てに、私の弟が万引きをするようになったのも、ダイキの悪影響だった。私の弟はダイキを尊敬していたからだ。


 やがて中学、高校へと進学し、私が大学生だった頃、私はダイキと再会した。当時の私はとあるコンビニエンスストアで早朝と夕方にアルバイトをしており、ダイキはそのコンビニに深夜のシフトに入る事になったのだ。接客態度は良かったものの、当時の店長には敬語をあまり使わず、一緒に深夜のシフトに入ってる年上のバイトにもタメ口使うわ、フルフェイスヘルメットでの入店が禁止にも関わらず、フルフェイスヘルメットのまま入店するわ…挙句の果てには、当時20歳未満であるにも関わらず、職場でタバコを買って喫煙しているのである。

 夜中に親とケンカするのもしょっちゅうだ。私が夜中に授業で提出するレポートや宿題をやっていると、父親がダイキに怒鳴りつける声がよく響いた。それもダイキが水戸で一人暮らしを始めるまで続いた。


 現在、私は結婚し、生まれた子供は男の子だが、完全に男性不信が消えたわけではない。「全ての男の人が、女の人を襲うワケではない」という事を、時間をかけてやっと理解できたからだ。夫や息子、そして社会人になって知り合った人たちのおかげで、男性に対する蟠りは消えてはいくものの、小学生の時に負った心の傷が完全に癒えたワケではない。例え、このエピソードを書いている時でさえもだ。


 つまりダイキは、私に一生モノの心の傷を与えたのである。


 さらに許せないのは、ダイキはあの事件をひた隠しにして結婚し、子供まで作ったのである。私は初めて夫と息子を茨城に連れて行った時に聞いて、私はダイキに対して腹を立てた。ダイキのした事に関しては、既に夫に話してある。夫ももちろん、ダイキの事については怒り爆発だ。


 ダイキは今も茨城のどこかで妻子とのうのうと暮らしているのだろう。「まだ子供だから」ではすむ問題ではない事をしでかしたという事実を隠したままで…


 私はダイキを一生許さない。

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