↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
せつなのダイヤモンド  作者: すずと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
31/31

第31話 ハーレムなんて幻想は、この吉田雫がぶっ壊す!!

 吉田雫side


『明日10時に駅前で良い?』


 珍しく谷本へLOINを送る。LOINを交換してから、何回かの電話とチャット。男の子へのLOINはまだ慣れない。かといって、女の子の友達はいなくなってしまったから、LOIN自体あまり使わない。とか自虐してみたり。


「うーん……」


 谷本へメッセージを送ってから、自室の姿鏡で着せ替え人形のように服を着替える。


「なんか、うーん……」


 モデルの仕事で貰った何着かを着ているのだが、どれもピンとこない。


 谷本がスポーツマンだから、それに合わせてスポーティな服装でいくか、それともそんなのは関係なしで、かわいさを出していくか。


「雫ちゃん。入って良いかい?」


 ふすま越しからおばあちゃんの声が聞こえて来る。


「うん。大丈夫」


 許可を出すと、おばあちゃんが洗濯カゴを持って部屋に入って来る。


「あれまぁ」


 おばあちゃんは、六畳一間の和室が服で散らかっているのを見て声を上げた。


「おめかししてコンビニでも行くのかい?」


「違うよ。明日出かけるから服を選んでるの」


「もしかして瀬綱くんとデートかい?」


「!?」


 いや、谷本と出かけるというのは正解だけどさ。で、で、デート!?


「いやいやいや!! デート違う!! グローブを買いに行くだけ」


「ふふふ。そうかいそうかい」


 おばあちゃんは嬉しそうに洗濯カゴの洗濯物をタンスの中にしまってくれる。


 以前、手伝おうとしたら、「家事はおばあちゃんの仕事だから取らないで」と言われてしまったので、手は出さない。


「あ、そうそう。雫ちゃんのブラジャー、またボロボロになったから買っておいた方が良いよ」


「うん──じゃなく!!」


「え? ブラジャーは大事だよぉ。成長期なんだし」


「違う違う!! デートじゃないって話!!」


「あー」


 おばあちゃんは、くすりと笑いながら言って来る。


「モデルで貰った服を何着も引っ張り出して、うーん、うーんっと唸っているのは、デート前の女子にありがちは行為だとおばあちゃんは思うけど」


「うっ」


 確かに。傍から見ると、そう捉えれてもおかしくはない。


「でもでも、別に付き合ってないし!!」


 自分で言ってておかしな否定だなとは思う。恋人じゃなくてもデートはするよね。


「そうかい、そうかい」


 おばあちゃんは子供をあやす様な言葉使いで洗濯物の収納を終えると、嬉しそうな顔で私を見た。


「正義と優子さんが出て行って、モデルの仕事を初めてからの雫ちゃん、全然元気なかったから、昔みたいに元気な雫ちゃんが見れておばあちゃん嬉しいわ」


「そう、だね……」


「これも瀬綱くんのおかげね。また連れて来なさいな。今度は最高級のプロテインをご馳走するわね」


「谷本はプロテインで釣られないよ?」


「そうね。雫ちゃんで釣られているものね」


「おばあちゃん!?」


「ほっほっ。じゃあ、明日のデート、楽しんで」


「だから──」


 私の否定を聞かず、おばあちゃんは部屋を出て行った。


「……デート」


 ポツリと呟くと、顔が赤くなるのがわかる。


 いや、いやいやいや。


 谷本のことは尊敬しているけど、それが好きとか恋人になりたいとか、そんなんじゃないというか……いや、私は誰に言い訳してんだ。部屋の惨劇を見ろ。服で散らかってるぞ。


「もう知らない」


 私は服を脱ぎ捨てた。


「デートじゃない。デートじゃないもん」


 そう呟きながら、おばあちゃんが変えた方が良いと言っていたブラジャーを装着する。


「きっ、つ……」


 確かに、これはきつい……え? うそ……太った? ばかな!? 普段のお菓子が祟ったか!?


 心配になり、今一度、服を着替える。


「──うん。いや、これは大丈夫、でしょ。イケるイケる」


 大丈夫だよね? え? 大丈夫?


 心配になり他の服も着てみる。


「あ、これ、谷本気に入ってくれるかな?」


 あ、これも良いかも。いやいや、これ超かわいいでしょ。いしし、これなら谷本喜ぶかな。


 そんなこんなで、いつの間にか日付が変わっていることに気が付いたのは、陽が昇ってからだった。


 ♢


「へ、へへ……無駄にオールしてしまった、ぜ」


 結局、あのあともネットで男の子にウケするファッションを探しては首を捻り、探しては首を捻り続け、気が付けば時刻は朝の8時。


 もう眠ることを忘れ、私は最後に決めたスポーティなファッションで出かけることにした。


 いや、もうこれで良いだろ。谷本は野球の日本代表だし、スポーティ女子日本代表が好きだろ。好きって言え、ぼけ。


 このままじゃ寝坊してしまうから、もう先に待ち合わせ場所に向かうことにした私は、駅前の星馬に入った。


「めっちゃフラペチーノカスタムしちゃるかんな──へぁ!?」


 そう意気込み星馬に入った私は目を疑った。


 谷本……? 谷本だよな? え? 幻覚? いや、谷本だ。


 谷本が女の人と二人っきりでお茶してやがる。


 星馬で。


 いや、星馬はカフェだからお茶するだろうけど、あの野郎、白昼堂々と浮気してやがるな。いや、浮気ではない? いや、浮気だろ、こんなん。


 ふらふらーっと、谷本の方へ近づいて行く。


 こんにゃろ。やたらめったら大人な美人とお茶してやがんな、ちくしょう。高校生か? 年上か? 年上好きか?


 うし。星馬で場の空気ぶっ壊してやるか。

 女の子と約束してんのに、他の女(美人女子高生(仮))とイチャコラしやがって。


 ハーレムなんて私がぶっ潰す!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。