4、後から気づくこともある
回想に切れてしまった(照)
薄金髪君が気が付いたようだ
うっすらと薄紫色の虚ろな瞳を開き目だけで左右をゆっくり確認している。
こちらを目にして虚ろだった瞳に少し光がはいる。
「おれ...は、なんで...?」
「呪いをかけられて、マウントスネークに食べられかけてたよ。」
また少し目を見開くと今度はしっかりと目に光が入った。ゆっくりと起き上がり姿勢を正す。
「君が助けてくれたのか?」
起き上がった時に綺麗になった濃い緑色の外套から銀色に縁取られた白い甲冑が覗いた。
(聖騎士の鎧か、武器はないみたいなんだよね~。)
「通りかかったらマウントスネークがいたから倒したんだけど、助けたのは偶然だよ。」
「マウント...スネーク、Aランク冒険者が三人以上いてなんとか倒せる...」
小さい呟きがボソボソ聞こえる。
(?....なんかやらかしたかな?)
「そうですか、助けて下さりありがとうございました。俺の名前はリゼルディス.バラノート。リゼルとお呼びください。まい...道に迷ってしまい森奥に入り込んだようです。」
いやー、お恥ずかしい。見たいな事言ってるけど迷子って言いかけてたからな。
「そうだったんですか、私はエルノラです。呪いがかけられてたみたいですけど覚えはありますか?マウントスネーク以外に。」
ゲームの名前をそのまま使っている。本名は野良 瑛瑠なので。マウントスネークは毒はあるが呪いをかけて来るようなモンスターではないのでそこが気になった。
「呪いですか?いえ...覚えがありません。ただ一週間ほど前から力があまり入らず...」
そう言いかけて何かに気づいたのか手のひらを見つめてグーパーしだした。
「かっ...体が軽い。重怠さがなくなってる。」
ガバッ
いきなり立ち上がりジャンプしたりストレッチしだした。
「呪いは解呪したけど、回復はあまりさせてないから無理しない方が...」
バダンッ
言い終わる前に倒れた。
悪い人ではなさそうだし恩を売るために回復させておこう。
「[全回復]」
青白い顔が血色の良い顔になった。少し残念感があるがやはり美形だ。
「申し訳ない。ありがとうございます、助かります・・・?今、全回復って言いました?」
「はい、まだ体辛いですか?」
リゼルは信じられないというような顔でこちらを見ている。
「失礼な態度で申し訳ない。こんな場所で賢者様にお会いできるなんて感激です!!」
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そういえば中級以上の魔法やスキルは神様の領域だっていってたな...。