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Good luck in my world  作者: エンリ
第一章 始まり~大帝国アルネスト
22/156

22、奴隷の首輪

森から抜け繋いであった馬に乗りまだ暗い草原の街道を走らせる。夜が明けるのも近い深夜に私達以外の影が三つ走ってきた。


「こんな時間に...人か?」


リゼルが目を凝らして確認する。

私の索敵にちゃんと反応している、三つの赤い反応と一つの青い反応。


街道は人が開拓した道でそこから外れて歩くことはモンスターに襲ってくれと同意するようなものだ。もちろん街道が全く襲われないわけではない。モンスター以外の敵もいる。


例えば今こちらに近付いてくる人攫いや盗賊達である。索敵にはモンスター以外に敵意や害意のある者も赤く表示される。ゲームであれば禁止されていたが改造して暴れていたPK(プレイヤーキラー)も含まれていた。



ただ一つ青い反応があるのが気になる。

それは直ぐに知る事となった。なぜならそいつらが私達の行く手を遮ったからだ。


「おい!お前らいい馬をもってるじゃねーか、その馬を置いて行くなら見逃してやる!さっさと降りろ!!」


影は三人の男だった。


一人は馬を寄越せと喚いている、ボサボサ頭に山賊の様な服が黒いボロボロの外套から覗かせている。手には年季の入ったロングソードを持ってこちらに向けている。


二人目はロングソードを持った男の少し後からダガーを構えて警戒している。

細身の盗賊のようだ。窪んだ目からはギラギラとした視線をこちらに向けてくる。


三人目は何か大きな袋を背中に担いでいる。バンダナを頭に巻いて布で口許を隠しているため顔は他の二人より見えづらい。服装は二人目と同じ盗賊の様な身なりだ。


青い光の四人目は見えないが恐らく三人目の背負っている袋の中だろう。


リゼル、タルナ、クラウネスが馬から降りる。私は馬の上から担がれている袋に防御魔法をかける、少し指を動かしただけの行動なので誰にも気づかれていない。

これでもし剣や魔法があたっても大丈夫だ。


「女!お前もおり...いや、お前はいい。そのまま乗ってろ。後で可愛がってや...ヘブシッ」


途中で男がリゼルによって殴られ遥か彼方にぶっ飛んでいった。


「何を言ったか聞こえなかったな~?お前たちは何か言ったか?」


リゼルが拳をバキバキ鳴らしながら残る二人に近づいて行く。


「「ヒイイイィィ」」


二人の男たちは青い顔をして首を横に振りながら悲鳴を上げ後ずさる。タルナは走って飛んでいった男を引きずって戻ってきた。


「[バインド]」


クラウネスが魔法で二人の男を拘束する。

私は馬を降り男が抱えていた大きな袋を開け広げる。


そこから出てきたのは女の子?だった。

鉄の様な銀色の肩までの髪と少し浅黒い肌に整った可愛らしい顔をしている。服は白い薄汚れたシャツにズボンの格好で靴は履いておらず足の裏が土で汚れている。

耳が長いのでダークエルフだろうと思われるが気になるのは首に赤い首輪が着いていることだ。


「[サーチ][鑑定]」


この子に向かって魔法を行使する。



[名前]なし [性別]男 [種族]ダークエルフ


[年齢]6歳 [職種]奴隷


HP 40/400 MP 1/1000


[状態] 沈黙 衰弱


[加護] 魔神の眼(千里眼)

************************************


[奴隷の首輪]

着けた相手の言葉を強制的に奪い体力を低下させ続けて反抗の意思を奪う。着けた相手のMPを使うため半永久的に使用できる。


[解除方法]

解放魔法 契約書の破棄


************************************

女の子だと思ったら男の子だった。

加護に魔神の眼があるのは苦労しそうだな、名前がないのも気になる。


「この子はダークエルフですか?」

「なんと!?奴隷の首輪が着けられているではないか!かわいそうに...」

「恐らく闇市場から連れ出されたんだろうな。奴隷の首輪の()()に印がある。」


リゼルが首輪の留め具の一部をこちらに見せてくる。首輪には悪魔の羽と黒い薔薇の刻印が入っていた。


「世界中で奴隷制度はないはずだが、裏では我らの網をくぐり被害に遭う者達が少なからずおるのです。兵士達の方で摘発しているのですが蜥蜴の尻尾切りで...」


「とりあえず騎士団に連れていきましょう。かなり衰弱しているみたいですし、こいつらも引き渡さなければ!」


クラウネスが三人纏めて拘束し馬に繋げる。


「では先に街へ行き、引き取りの準備と迎えを寄越します。」


タルナはそういうと馬に股がりあっという間に街道を走り去っていった。


クラウネスが馬に乗り三人を引っ張り歩かせていく。その後をリゼルが抜刀した状態で私の乗っている馬を引っ張る。

私の腕の中には名前のない小さなダークエルフが静かに寝息をたてて眠っていた。


それからしばらくゆっくり街道を進むと兵士団を引き連れたタルナが合流し拘束された三人を連れていった。


朝の光が見え始めた頃、街が見えて来た。

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