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七人目は偽勇者?  作者: 木南
第三章
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第十六話

本日二話目です。


さっきみたら日間39位になってました!ありがとうございます!



急に先輩がボーッとしだして、何を言っても反応しなくなったので置いてきた。


「どうしたんだろ、先輩」


少し心配になるが、あの人ならすぐに元に戻るだろう。今は魔物をどうするかが最優先だ。


「さて、どう戦おうかなー」


正直言って負ける気はしないが、それでも数というものはそれだけで驚異だ。リスクを減らせるならそれに越したことはない。

そう考えた俺は、まずは戦うに適した場所を探すことにした。


「なるべく細い所がいいんだけど」


しかも行き止まりの場所。更にいうなら、先輩達から遠ければ遠いほどいい。


細い行き止まりがいいというのは、狭い場所なら一度に戦う数がそれだけ少なくなるからだ。行き止まりだと挟み撃ちもされないという利点がある。

まあ、だからと言って気を抜くことは出来ないんだけど。

下手に細すぎる場所に行ったりして、魔物の気を引くことが出来ずに先輩達のところへ向かわれたら元も子もないのだから。

その辺のバランスを上手いこと調整しなければならない。


先輩達から遠ければ遠いほどいいというのはそのまんま、距離が離れていればそれだけ先輩達が安全になるからだ。


しかし、時間に猶予がない中でそんな都合のいい場所が見つかるはずもなく。結局俺はある程度狭い道で妥協することにした。


「まあ、広場とかでやることにならなくて良かったって考えよう」


幸い行き止まりという条件は満たすことが出来たので、挟み撃ちにはされない。

幅も一度に数体程度しか通れない広さなので、これならなんとかなるだろう。


「さて、と」


場所も決まったし、次は罠でもしかけよう。そう考えたところで時間切れになった。


ドドドドドッ、という地響きの音が遠くから聞こえてくる。

先ほどの魔物達とは違い、まるで地震が起きているような凄まじい揺れだった。


「うわっと、危ない危ない」


あまりの揺れに転びそうになるが、剣を地面に突き刺してどうにか堪える。

そして多少体が揺れに慣れたところで、俺は走り出した。


「まずは誘導しないと」


ほぼ間違いなく、魔物達はまず先輩達のところに向かうはずだ。なぜなら先輩達のすぐそばで斥候の魔物と戦ったのだから。

なので、まずはそちらに向かわれる前に、魔物達をこちらに誘導しなければならない。


「いた!」


何分か走ったところで、ようやく魔物達を視界に捉えた。

千体を越える魔物の数はかなりの威圧感で、一瞬戦うのを躊躇うほどだった。


「ガァァァァァ!」


そうして固まった俺に魔物の一体が気づいた。周りに注意を促すように雄叫びを上げる。


「「「ガァァァァァ!」」」


それに反応して、他の魔物達も一斉にこちらを向いた。

重なり合った魔物達の声はほとんど超音波攻撃に近く、ビリビリと迷宮が震えるのを感じた。


「流石にちょっと怖いな」


声のせいではなく震える自分の体を見てそうこぼす。

今まで戦ったことのない数が相手なのだから仕方ないことだ。それでもここで負けるわけにはいかないのだから、怖気付いてる暇はない。


「【転化】!」


俺は自分を鼓舞するように、声を張り上げてスキルを発動した。


ーーー自分のHPをMPに転化させる。

それは俺自身の命を削るのに等しい行為だった。


「ゲホッ……!」


急激に減るHPに、俺の体はついていくことが出来なかった。体に走る痛みに思わず口から血を吐く。

それだけではなく、鼻から、目から、耳からも血が流れてきた。


「……ここまで、負担がかかるのか」


固有スキルを使うに当たって、初めて見たデメリット。

きっとあるだろうとは思っていたが、予想以上の辛さに涙が出そうになった。


「でも、泣き言なんて言ってられない」


もうすでに魔物は俺の方に向かってきている。

俺は赤く染まった視界で魔物に照準を合わせた。


「すぅー、はぁー……」


吸って、吐いて。

一度深呼吸することで息を整える。そうすると、少し痛みが和らいだ気がした。


「【グラビティ・ホール】!」


それは俺の固有魔法、【負荷魔法】。

俺が今使える中では最も消費が激しい、固有の名に相応しい威力を持つ魔法。


生み出された小さな黒い球体が、フワフワと魔物達に向けて飛んでいく。

それに合わせて俺は魔法から距離をとった。


「ガウアァァァ?」


とても強力な魔法とは思えないその頼りなさに、魔物達は困惑して一瞬動きを止めてしまう。

そして、ほとんど害は無いと判断したのか、先頭に立っていた魔物が球体に触れた。


ーーーそれが魔法の起動する合図になった。


「グガァァァァ!?」


突然肥大化した球体が、触れた魔物を消し去った。

その様子にようやく危険だと理解した魔物達が後ずさるが、すでに手遅れだった。


「「「グガァァァァァァ!!!」」」


逃さない、とでも言うかのように。ゆっくりと動き出した球体が、魔物達を吸い寄せる。

それに抗うことのできなかった魔物が、片っ端から消し去られた。


……これが【負荷魔法】の上位魔法、【グラビティ・ホール】。

ブラックホールの簡易版のようなこの魔法は、魔物達の実に7割を消し去るまで暴れ続けた。



最近出せてないキャラが多いので閑話か何かを入れたくなってきた。

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