第十二話
すみません昨日は結局寝てしまいました…。
とりあえず、無事二十話まで辿り着きました。まあ本来考えていたより全然進んでいないんですが……。
そう言えば昨日初めて一日で2000pvいきました。ありがとうございます。
「みんな一体どうしたんだ?」
恐怖心を押し殺して聞いてみると、いち早く表情を取り戻した四季が少し焦ったように言ってきた。
「ゆーくんようやく起きたんだね!みんな心配してたんだよ?なんせ丸一日以上寝てたんだから!」
「え?」
ということはつまり、ビンタされた次の日じゃなくて二日後なのか?
丸一日以上昏睡させられるとは……予想を越えていた四季のSTRに、思わず戦慄するのだった。
「……ってあれ?丸一日寝てたってことは……」
「そうだよ、もう迷宮に潜る日だよ!」
「やっぱり!」
だからみんな驚きつつも喜んでいたのか、と納得する。
(でも何でみんな無表情になったんだ?)
四季と話している間も相変わらず無表情の勇者たち(一部を除く)に一体何があったのか再び聞いてみることにする。
が、それを遮るように樹の拳と罵声が飛んできた。
「このバカ野郎がーー!」
「へぶっ!」
突然の事だったので避けることも叶わず直撃する。
そしてそのまま壁まで吹っ飛んだ俺に馬乗りになって胸ぐらを掴んできた。
「一日も起きねえから俺たちみんな心配したんだぞ!なのにそんなヘラヘラしやがって……。ああ、ムカつく!真面目に心配した俺がバカみたいだ!」
なるほど心配してくれからこそ何事もなさそうにしている俺に怒っているのか、と納得する。
さきほど無表情になったのも色んな感情がごちゃ混ぜになったからなのだろう、扉を開ける時に感じた嫌な予感は、樹に殴られたこと以外は外れていたと分かって安心する。
「悪いな、心配させて……。後遺症とかもなさそうだから、たぶん大丈夫だ」
「後遺症?お前そんな重症だったのか!?一体何してたんだよ!」
(あれ?)
「もしかして俺が何で倒れたのか知らない?」
「知らないから聞いてるんだろ!」
なるほど、四季が焦っていたのはそういうことか。
恐らく気絶させたのは自分だということを言っていないのだろう。
現に今もこっちを見てアタフタしている。同じように茜もアタフタしているところを見ると茜も共犯……というより四季に口止めされていたのだと思われる。
(さて、どうするか……)
そもそも四季がキチンと説明していてくれてれば樹に殴られることもなかったのだ。少し仕返ししてやらねば気が済まない。
どう言えばより四季を困らせることができるか考える。
「いや実はさ、一昨日の夜俺の部屋で四季と茜と喋ってたんだけど、その時になんでだか知らないけど四季に殴られたんだよ。それでそのまま気絶させられたんだ」
あ、四季と茜がビクッてなった。ざまあみろ。
これで俺が気絶した理由も分かっただろうし、みんなの怒りは黙っていた四季達に向かうだろう……と思ったのだが、俺に馬乗りになったままで樹は冷たい目を向けてきた。
(なんで?)
今回は明らかに殴ってきた四季と黙ってた茜が悪いじゃん。
そう言おうとしたが、絶対零度の視線を受けて思わず黙り込む。
するとそんな俺の考えを読んだかのように樹は言った。
「確かに俺たちが無駄に心配したのはお前のせいじゃなかったが……気絶されられたのはどうせお前のせいだろ。いやまあ四季さんも加減間違えてるとは思うが」
「いや、俺別に四季を怒らせるようなことを言った覚えは無いぞ?」
思わず反論してしまう。
俺の話を聞いた四季が怒ったのは事実だが、怒らせた覚えがないのも事実だ。そのためこうも一方的なことを言われると少し腹が立ってしまう。
……未だに冷たい目をやめない樹に殴りかかろうとまでは思わないが。
「はぁ……。相変わらず女心が分からないやつだな」
呆れたように樹が言う。
四季のせい(おかげ?)で多少なりとも女心が分かるようになった(分かるようにさせられた)俺に対してこいつは何を言っているんだ。現に店員さんの好意は読めたぞ。
どうやら口に出していたようで、樹は呆れを強くしながらも口を開いた。
「また増えたのか……。まあそれは今更だから置いておくとして。お前が四季さんに色々と調きょ……もとい、教えられてたのは知ってるが、それでもお前は女心が分かってない」
「でも……」
「分かってないからこそ四季さんに殴られた理由が分からないんだろ?」
その正論に思わず黙り込んでしまう。
「ま、これ以上は俺が言うような事じゃないか。……ほら、さっさと飯食って仲直りしてこい。今日は迷宮に行くんだからな、足引っ張られたらたまったもんじゃない」
俺の上から離れつつ、少し戯けてそう言った樹に思わず少し笑ってしまう。
他の勇者たちも心配していてくれたことは分かっている。だからこそ、樹と同じように怒ってもいるだろう。きっと俺を殴ったのは他の勇者たちが俺に何か言ってきたりしないように気を使ってくれたからだ。そう考えると、やはり樹には感謝せねばならない。
「ありがとな」
「何がだ?……殴ってくれてありがとう、ってことか?お前……」
「ちげえよ!俺はドMじゃねえ!」
「はははっ、分かってるさ、冗談だよ冗談。……ほらみんな、早く飯食おうぜ!迷宮に備えてな!」
そう言いつつ自分の席に着く樹に、俺は改めて心の中で感謝するのだった。
次は仲直りします(そもそも仲違いしてませんが)。
そしてたぶんその次からようやく迷宮に!いやあ長かった……。いっそのことファンタジーじゃなくした方が良かったんじゃないかって思うレベルでしたからね。




