第4話
そして、いよいよ旅立ちの日。
アルトはガルとゼッツを引き連れ魔法使いさんの家まで来ていた。
「いらっしゃい。ゼッツ久々ね」
「......お前さんに会いたくなかったんだがな。アルト、荷物は本当にこれだけでいいのか?」
「うん! ......皆、僕立派な勇者になるから!!」
「......お前ならなれるさ。」
皆が温かいまなざしをアルトに向けてくる。
「悪いが、オレも王都に連れて行ってくれ」
「え? ゼッツじーさん?」
「王都にコネなしの田舎もんが一人で行くのは危ないからな。オレなら、丁度いいだろ?」
ゼッツはそう言うとアルトの隣に並んだ。
魔法使いさんはため息交じりにゼッツを見ると、「仕方ない、か」と呟き、転移魔法を展開した。
「アルト!! お前ならやれる!! 絶対に勇者になって帰って来いよ!!」
「うん!! 父さんありがとう!! 愛してる!!」
その言葉を残しにアルトとゼッツは王都へと転移されていった。
「寂しいですね」
「あぁ。でもこれでオレの役割は終わりだな」
「ここまでよく育て上げたものですね。情が移りませんでしたか?」
「"姉さん"の子なんだ。オレにとっても娘みたいなもんだよ」
そう。アルトは知らないが、ガルは実の父親ではない。
実の親は過去に聖女をしていた。
父親は不明。
「シルフィー、今までありがとうな。アルトの相手をしてくれえてたんだろう?」
「聖女様のお子ですからね。協力は惜しみません」
魔法使いさん、いや"シルフィー"はガルに「それにしても......」と声ををかけた。
「勇者にしたくないなら端から"勇者伝記"を読み聞かせたり、剣技を身につけさせたりしなければ良かったというのに......」
「護身術は必要だろう?!」
「だからって......ハァ。聖女様がせっかく普通の子として育てようとしたのに」
シルフィーはガルに呆れた視線を送る。
「それに、私の所にも来ないようにしていたとかなんとか?
「......スマン」
「まぁ、それは良いでしょう。あの子が自然と私を見つけたのはやはり"聖なる力
"が備わっている証拠でしょう」
――あぁ。神よ。アルトの未来が幸せに溢れますように......
***
アルトとゼッツは無事に王都入りを果たした。
アルトにとっては初めての王都......ではない。
実を言うと、彼女の生まれは王都の中央教会だからだ。
王都の中央教会。国一の教会である。
「ヒュー。懐かしいなぁ」
「ゼッツじーさんはこの中央教会で聖騎士やってたの?」
「あぁ、そうだ。」
ゼッツはそう言うと教会へと進んで行った。
アルトはその後ろを急いでついていく。
「? あ、貴方は聖騎士ゼッツ・アイゼン様!!」
「おう。今日は頼みがあって来た。」
「し、少々お待ちを!!」
そう言うと、シスターは焦って奥へと引っ込んで行った。
少し待ってから来たのは一人の優し気な男性。
「初めまして。わたくしはこの教会を使える司祭、"ルシエル・ヴァレンティア"と申します」




