外交
「げほっ、うわ、船酔いつら。」
学園の課題ということで、爽太と外交に行くことになった。
「名前は何なんだろうな。」
実はまだ聞かされていない。
「学園の計らいで聞かされてないよな。」
東に位置するらしく、海が綺麗な国らしい。
美味しい魚でもないかな。
「そろそろ着くでしょう。お荷物をお纏めください。」
その30分後についた。
「わあ……!すげえ!」
見たことの無い景色が広がっていた。
着物と呼ばれる服を着て、特徴的な髪の結い方をした人が大勢いた。
「甘味処…?」
聞いた事のない単語だ。
なんだろうかと爽太と話をしている。
餅があるので多分菓子屋だと思うけど……
「少し散策するか。」
甘味処で団子を買った。
「甘っ…柔らかくてうまいな。」
桃色、白、緑と3色になっている。
少しこんがりと焼かれた餅がぱりっと独特の食感を生んでいて良いアクセントだ。
「爽太のそれなに?」
茶色いチョコレートのようなものがかかっている。
「ああ、これ餡子ね。めちゃくちゃ甘くて美味い。」
飄々としている。
餡子とは小豆を蒸して潰したものを言う。
この国ではよく甘味として食べられているらしい。
「ひと口くれ。」
「やーだね。恋火のひと口大きいもん。」
そう言って差し出してくれるのは爽太の個人的にも好きなところだ。
「ところであの桃色の花の木ってなんなの?恋火。」
春の心地よいそよ風に揺られて桃色の花弁が揺れている。
「ああ、あれは桜じゃ…」
言いかけたその時。
「なんでお前らがここにいるんだ…?」
怪訝な顔をした理仁がいた。
「うわっ、理仁!久しぶりだな!」
無邪気に走り寄っていく爽太。
(そっかぁ……!あいつ事情知らないのか……)
説明しなければと思うと頭が痛い。
「恋火も久しぶりだな。あの跡は消えたか?」
いきなり爆弾をぶち込むところも変わっていない。
お前がつけたんだろと言いたいところだが理仁が楽しんでいるようなのでいいかな。
「課題の外交でさ、皇太子と話をしろって言われたんだよ。」
話題をすり替えるのは得意だった。
「ああ、それか。話をつけてやるから少し着いてきてくれないか?」
何処に?と言うまでもなく…
人力車という人が走って進む車に乗った。
「ここの国は風が気持ちいいな。」
実家の外に出てみれば真夏の暑さだった。
「ほら着いたぞ。」
そこは花々が彩り咲き乱れる山だった。




