EPISODE.82話〘未確認討伐と災厄の雷獣〙
2本目の投稿です。
最後にお知らせが有ります。
最後まで読んで頂けたら幸いです。
翌日、俺たちは北東の砂漠へと到着した。
[さて、始めるか。【捜査】]
俺は周囲を索敵しながら、ナナとマイに聞こえないよう小声でリョウに話しかけた。
[リョウ、右側周辺にナナとマイの討伐対象がいる。俺たちの敵はこの先5km先の洞窟だ。先にナナとマイの支援をするぞ。]
[了解っす。]
俺たちは何事も無かったように会話へ戻った。
[さて、探しますか。]
[そうね。]
[行きましょう。]
俺たちはナナとマイの討伐支援へ向かった。
しばらく進むと、早速モンスターの群れを発見した。
[いるぞ!! 気を付けろ! かなり数が多い!]
[サクメ!]
[ペルナギ!]
[[【防圧壁】!!]]
ペルナギとサクメは瞬時に全員へ防御魔法を展開した。
[マジックスコーピオンとジャリシャークか。]
[なら、早速トレンに貰った武器を試すわよ。行くよ、マイ! ストム! ヴィーナ!]
[OK、ナナ! グラネス! エルマ!]
[[…コクッ]]
ナナは新しい杖を構え、魔力を集中させた。
[氷輪よ、敵を飲み込む絶対零度となれ――【フリーズストーム】!!]
次の瞬間、氷の嵐が砂漠を覆い、上空から無数の氷塊が降り注いだ。
轟音と共に敵へ大ダメージを与える。
だが、それでも敵はまだ半数以上残っていた。
[ストム!]
[グラネス!]
[[【大地の衝撃波】!!]]
地面へ叩き込まれた衝撃波が砂漠を揺らし、潜んでいた敵を一斉に炙り出した。
[ヴィーナ!【流水刃】!]
[エルマ!【風烈刃】!]
流石だな。
それじゃ、俺たちも便乗するか。
俺はリョウへ視線を送る。
リョウも即座に理解した。
[レイディア!]
[ニーナシュン!]
[[天空の神々よ、我らに力を授けよ――【サンダーレインショット】!!]]
無数の雷撃が砂漠へ降り注ぎ、残っていた敵を一気に殲滅した。
[結構な数だったな、こりゃ。]
[そうっすね。ナナさん達だけじゃキツかったと思うっす。]
[トレン、リョウ、助かったわ。本当に敵の数が多かったもの。]
ナナがそう言った瞬間――
マイが即座に弓を構えた。
シュッ!!
放たれた矢がナナの背後へ迫っていたボイズシャークを貫いた。
[流石だよ、マイさん。]
俺が指を鳴らすと、ナナとマイを包んでいた魔法障壁が浮かび上がった。
[え……? いつの間に私たちにバフを?]
[ナナさんが【フリーズストーム】を撃った直後だよ。【防圧壁】と【シールドプロテクトバリア】を付与しておいた。]
[全然気付かなかったわ……。]
[それじゃ、2人の討伐は完了だな。俺たちはこの先5kmの洞窟に向かう。]
するとナナが気になっていた事を聞いてきた。
[ところでトレンとリョウ、今レベルいくつなの? まだ2次転生してないみたいだけど。]
[ん? 俺もリョウもLv35だよ。]
[[Lv35!?]]
[私たちより10も低いのに、どうして2次転生しないの!? 私たちLv45よ!?]
[2次転生可能の通知は来てたけど、まだいいかなって思ってな。]
[自分も同じっすね。]
[それじゃ洞窟へ向かうけど、ナナとマイはどうする?]
[一緒に行くに決まってるでしょ。ね、マイ。]
[そうよ。ここで別れるなんて無しだからね。最後まで付き合うわ。]
俺とリョウは顔を見合わせた。
[……わかった。でも、これだけは忠告しておく。]
俺は真剣な表情で2人へ告げた。
[俺たちは時々、予想外の襲撃に遭遇する。ナナさん達もアナウンスの件で知ってると思うけど。]
[……あのアナウンスの事ね。]
俺たちは頷いた。
[もし桁違いの敵が現れた場合、俺たちは2人を助ける余裕が無いかもしれない。それでも本当に来るのか?]
[トレンさんが言ってる事は本当っす。自分たちも全力で戦う事になる。それでも一緒に来るんすか?]
ナナとマイは俺たちの真剣な眼差しを見て、互いに顔を見合わせた。
そして――
[何を今更。私たちも行くに決まってるでしょ。]
[そうよ。仲間外れなんて嫌だからね。覚悟は出来てるわ。]
[……わかった。少し休憩してから向かおう。]
[[了解。]]
俺たちはそれぞれ休憩を始めた。
その間、俺は杖を通してナーチへ念話を送った。
[ナーチ、聞こえるか?]
[トレン!? どうしたの? 緊急な感じ?]
[相談があるんだ。ある人達をこちらへ向かわせる事は出来るか?]
[もしかして……【炎國乃黎闘翠】のみんな?]
[ああ。呼び寄せて欲しい。無理なのは分かってる。だから相談したんだ。]
少しの沈黙の後、ナーチが優しく答えた。
[わかった。僕も協力するよ。]
[ナーチ……本当にありがとう。]
[いいんだよ。トレンは僕たちの恩人だから。今度は僕たちが助ける番だよ。]
ナーチは続けて言った。
[前に製作した虹色結晶アクセサリーだけど、【炎國乃黎闘翠】限定で通話・映像・【ワープ】機能を一時復活させるね。僕から連絡しておく。]
[頼む。実は洞窟の奥に凄まじい反応があるんだ。どんな敵か分からない。]
[うん。討伐が終わったら必ず会いに来てね。約束だよ。]
[ああ、約束だ。]
俺は念話を終え、リョウへ事情を説明した。
リョウもすぐ理解したようだった。
[それじゃ、洞窟へ向かいますか。]
[[了解!!]]
数時間後――
俺たちは洞窟入口へ到着した。
…………………………………………………………
………数時間前―― 【炎國乃黎闘翠】Side
…………………………………………………………
【炎國乃黎闘翠】のメンバー達は、南エリア東部の街バルドルにいた。
[しかし厄介な敵だったな、リーダー。]
[ああ、何とか殲滅出来たな。]
[とりあえず宿屋で飲もうぜ!]
メンバー達が宿へ向かおうとした瞬間――
[……っ!!]
シーラレイの表情が一変した。
[どうしたの、シーラレイ!?]
[みんな、私の部屋に来て。大事な話があるの。]
その真剣な眼差しに、全員がただ事ではないと察した。
部屋へ集まった後、シーラレイは遮断結界を展開した。
[それで、何があった?]
[虹色結晶アクセサリーが突然光り出したの。連絡してきたのは、トレンの仲間のナーチよ。]
全員が息を呑む。
[……トレンからの緊急救援依頼よ。]
[何だと!?]
[場所は北東の砂漠の洞窟。トレン達はクエストで向かったみたい。でも、その洞窟には居るはずの無い敵がいるそうよ。]
するとレガクロスが険しい顔になった。
[…まさか。]
[レガクロス?]
[もし俺の予想通りなら、トレン達じゃ勝てねぇ。]
シーラレイは静かに告げた。
[敵の名前は――【黎玄武雷獣ライガボルドキャッツ】]
[[[[嘘だろ!?]]]]
部屋に衝撃が走る。
[南エリアのエリアボスが、何でそんな場所にいるんだよ!?]
さらにシーラレイが続けた。
[しかも【鋼鉄翠魔獣ジーグライバス】は、そのライガボルドキャッツに殲滅されたそうよ。]
[[……っ!?]]
[急ぐぞ!!]
[でも、ここからじゃ2日は掛かる!]
するとシーラレイが言った。
[【ワープ】機能が復活してる。ただし数回に分けないとMPが足りないわ。]
するとレガクロス達は一斉に【エリクサーポーション】を差し出した。
[使わなかったのか?]
[トレンから貰った御守りだからな。]
[これなら洞窟まで行けるわ。]
[よし!! 予定変更だ!! 北東の洞窟へ向かうぞ!!]
[[[[了解!!]]]]
【炎國乃黎闘翠】のメンバー達は、直ちに出発した
…………………………………………………………
洞窟内部――
俺たちは奥へ進みながら【捜査】と【鑑定】を発動した。
[いたな。]
ダークギババットとスネークジェイを確認した瞬間――
従魔達が一斉に動いた。
次々と敵が消し飛んでいく。
……相変わらず強過ぎる。
これでクエストは完了だ。
[終わったみたいね。戻ろうか。]
[そうね。従魔達の実力も分かったし。]
だが――
俺たちだけは警戒を解かなかった。
今まで感じた事の無い異様な気配。
従魔達も完全に臨戦態勢へ入っていた。
その瞬間――
奥から何かが飛来した。
[[【防圧壁】!!]]
轟音。
凄まじい衝撃が障壁へ叩き付けられる。
[ナナ! マイ! 後退しろ!! ヤバい敵が来る!!]
[いいから指示に従え!! 殺されるぞ!!]
俺たちは瞬時に理解していた。
相手は――危険過ぎる。
しかし、後退する間も無く、敵が凄まじい速度で襲い掛かってきた。
[リョウ!! 行くぞ!!]
[了解っす!!]
[[【水防壁】!!【風防壁】!!]]
[[防御魔法!!【シールドバリアプロテクトガードウォール】!!]]
幾重もの障壁へ激突し、敵が吹き飛ばされる。
俺は即座に【鑑定】を発動した。
[……なんでここにいるんだよ。嘘だろ!!]
[トレン!! まさか……!!]
[ああ。アイツは――]
【黎玄武雷獣ライガボルドキャッツ】だ!!!
[マジっすか!? ナナさん! マイさん! 今の内に逃げて!!]
[わ、わかった!!]
ナナとマイは出口へ向かって走り出した。
俺は深く息を吐いた。
[さて……これで本気を出せるな。]
[そうっすね。]
リョウは武器を構える。
[ナイトディラン!! ヴェイルガー!! サクメ!! ニーナシュン!! 行くぞ!!]
俺も従魔達へ叫ぶ。
[エアネス!! ヴィーシュ!! ペルナギ!! レイディア!! 力を貸してくれ!!]
[[【黎玄武雷獣ライガボルドキャッツ】討伐開始だ!!!]]
こうして俺たちは――
エリアボス【黎玄武雷獣ライガボルドキャッツ】との壮絶な戦いへ挑むのだった。
次回は黎玄武雷獣ライガボルドキャッツ編を
お送り致します。
これまで読んて頂いてる皆様、評価して頂いてる皆様
本当にありがとうございます。(`・ω・´)ゞ
本当にランキング入りも予想外の位置にいるので
驚いています。
ひとえに読んで頂いてる皆様のお陰です。本当にありがとうございます。
ブックマーク登録して頂けたら幸いです。




