EPISODE.165話〘魔人武器の公開と水の精霊の里での、未確認素材〙
翌日、俺たちは帰る準備をしていた。
[かなり滞在してる気分だったな。従魔達も楽しんでいたし、俺たちは素材まで頂いて、本当に感謝しかないよ。]
[そうっすね。火の精霊の里に、地の精霊の里。そして最初に採掘させてもらった水の精霊の里。本当に感謝しかないっすよ。]
[そうだな……でもリョウ、水の精霊の里で採掘と採取した件で、みんなと別れた後に話があるからいいかな?]
[?? 了解っす。]
俺たちはそう話しながら宿屋前へ向かい、みんなと合流した。
[さて、そろそろ戻るか。ナナとマイがヴィズワニーム素材もゲットしてるしな。]
[ええ。里に来てからレガクロスさん達に護衛をお願いして、私たちで倒して素材をゲットしたわよ。]
[そうか。それならパラエムの街に戻るか。]
[それじゃ帰るか、パラエムの街に。]
俺たちは地の精霊の里を出発した。
里を出た俺とリョウは振り返り、里へ一礼した。 従魔達も主を見て、同じように一礼する。
こうして俺たちは無事、パラエムの街に到着した。
商業ギルドへ到着し、ナナとマイは無事依頼を納品した。
そして俺たちは商業ギルド前で別れることになった。
[今日はありがとね、トレン。お陰で私たちも変われたわ。本当にありがとね。]
[本当よ。私たちもトレン達の闘いを見て変わったよ。護衛してくれた【炎國乃黎闘翠】のみなさんも、本当にありがとうございました。]
ナナとマイ、そして従魔達は【炎國乃黎闘翠】のメンバー達へ一礼した。
[こっちも里でいい物を買えたから満足してるよ。もしまた護衛を頼むなら、いつでも来なさい。俺たちが引き受けるから。ギルド長にも伝えておくな。]
レガクロスさん達はそこで別れた。
[さて、俺たちも楽しかったよ。この後予定があるんだ。俺たちもここで別れるな。]
リョウは話に気付き、自然に合わせた。
[そうっすね。そろそろ行かないと。]
[わかったわ。それじゃまたね。リアルで会いましょう。]
ナナとマイはそう言って別れて行った。
一方、俺たちは別れた後、【炎國乃黎闘翠】のギルドへ向かった。
[来たか、トレン、リョウ。]
[すみません。待たせてしまって。]
[大丈夫よ。私が無理にお願いしたんだから。]
[それで、見せてくれないかい? トレン、リョウ。]
俺たちは武器を取り出した。
[…改めて見ると、とんでもないオーラを感じるな。]
[トレンの武器も凄まじいオーラを感じるわよ。]
[なんだよこの感覚……普通の武器じゃねぇな。]
[確かにな。槍から今まで戦ってきた激戦の気配まで感じる。]
[そうよ、トレン、リョウ。教えてほしいわ。このオーラを放つ武器の正体を。お願い。]
シーラレイさんが頭を下げた。
俺たちは【炎國乃黎闘翠】のメンバー達へ説明することにした。
[わかりました。自分の拳武器――【黎緑月麗ヴィグロズナックル】です。]
[そして自分の槍武器――【轟緑麗炎雷ヴァイザランサー】っす。]
トレンとリョウの武器名を聞いた瞬間、 レガクロスさんとオーガロさんが何かに気付いた。
[トレン……もしかして、俺と一緒に戦った相手って……]
[そうです。自分の武器に使った素材は【魔人四天王】、魔人ヴィグロッガズの角です。]
それを聞いたオーガロさんも確信した。
[リョウ……まさか、その武器も……魔人クライザーヴァイザの素材なのか?]
[そうっす。【魔人四天王】の魔人クライザーヴァイザの角を使って製作した槍っすよ。]
[[[[[なっ!? 魔人の角だと!?]]]]]
【炎國乃黎闘翠】のメンバー達は驚愕していた。
[まさか……俺たちと戦った相手、【魔人四天王】を殲滅して、その素材を使ったのか?]
[はい。素材の合成にはかなり苦戦しましたけど。]
トレンは魔石については話さなかった。 リョウもそれに気付き、自然に話を合わせる。
[自分も素材合成には苦戦したっす。]
[……だから武器から感じる圧が普通じゃなかったのか。納得したよ。]
[すみません。この事を知っているのは【炎國乃黎闘翠】と【翠烈陣氷帝】のメンバーだけです。]
[なっ!? ギールオルドラ達にも話したのか!?]
[それは話しましたよ。……詳しくは本人達から聞いて下さい。俺たちは……あの討伐を、あまり思い出したくないので。]
トレンとリョウは、あの討伐を思い出し、拳を握り締めながら感情を抑えていた。
[済まない。そこまで言いたくないなら、これ以上は聞かない。安心してくれ。]
[…すみません。ところでお願いがあります。近いうちに護衛依頼をお願いするかもしれません。その時はよろしくお願いします。]
[ああ。それは大丈夫だ。]
[ありがとうございます。その時はお願いします。]
その後、俺たちはしばらく話した後、別れた。
バザドルの街を出発し、街が見えなくなった所で【ワープ】を使用する。
スヴァログの街手前へ移動した俺たちは、そのまま街へ入りホームへ戻った。
待機していた従魔達と遊んだ後、俺たちは一旦ログアウトした。
[ふぅ~……もう夜だったか。かなり長時間プレイしてたんだな。今日一日、本当に濃かったし楽しかったな。……明日に備えて寝るか。]
こうして休暇二日目が終わり、 東条は晩飯を食べ終え、入浴を済ませて就寝するのであった。
――だが翌日。
東条は、とんでもない出来事へ巻き込まれる事になるのだった。




