EPISODE.101話〘静寂の武人達の死闘〙
トレンVS魔人ヴィグロッガズ編序章編を
お送り致します。
最後まで読んで頂けたら幸いです。
ギャレックヌーバを倒した俺たちは、そのまま先へ進み、現れる魔物達を次々と殲滅しながら戦い続けていた。
[【魔人四天王】……か。
集中を切らしたらヤバい感じがするな。]
俺はギャレックヌーバを倒した後も、さらに警戒を強めていた。
[早いところ、次の魔法陣を見つけないとな。]
[そうね……。魔物の数が多過ぎるわ。]
その横で、レガクロスさんが小さく呟く。
[それにしても……セーラアス。トレンの様子、どう思う?]
[尋常じゃないわね……。
集中しているというより、“ゾーン”に入ってる感じがする。正直、少し怖いわ。]
[俺もそう思う。
バザドルの住人達の遺体を投げつけられた時から、トレンの怒りは異常だった。威圧だけで空気が変わっていたからな。]
二人が警戒するように周囲を見渡している。
俺はそんな二人へ声を掛けた。
[レガクロスさん、セーラアスさん。どうしました?
少し休みますか?]
[いや……少し周囲が気になってな。気を張っていただけだ。]
[……なら少し休憩しましょう。]
俺は従魔達へ指示を出した。
[エアネス【風神壁】。
ヴィーシュ【風の大地】。
ペルナギ【防圧壁】。
レイディア【雷光壁】。]
従魔達は即座に周囲へ防御壁を展開した。
[リョウ達の方は大丈夫かしら……。二手に分かれたままだけど。]
[それなら大丈夫ですよ。]
[どうしてそう思うの?]
[前にシーラレイさんへ渡した結晶アクセサリーがありますから。]
[!!……そうか! あれがあったか!]
だがセーラアスさんは不安そうな表情を浮かべる。
[でも、連絡手段も【ワープ】も封じられてるんでしょ?
確かそう聞いたけど……。]
[それは――……!?
【ガードプロテクシールド】!!]
俺は咄嗟に防御魔法を展開した。
直後――
バキィィィン!!
従魔達の防御壁が破壊され、俺の防御魔法へ強烈な衝撃が叩き込まれる。
[……やっぱり居たか。
休憩する前から気配には気付いてたんだよ。
出てきたらどうだ?]
すると、暗闇の奥から一人の男が姿を現した。
[……なるほど。
気配は完全に消していたはずだが。]
[魔物を蹴散らした時、そこだけ壊れてなかった。
明らかに不自然だったからな。]
[それは予想外だった。
だが、ひとつ気になる。
我の位置に気付いていたなら、何故攻撃しなかった?]
俺は小さく笑う。
[それはあんたも同じだろ。
休憩前なら攻撃出来たはずだ。
……いや、“攻撃しなかった”が正解か。]
[よく言う。
貴様は隙だらけだったが、僅かに殺気が漏れていた。]
[……バレてたか。
抑えていたつもりだったんだけどな。]
[お互い様だ。
貴様の名は?]
[俺はトレン。
貴様は?]
男は静かに名乗った。
[我名は【魔人四天王】ヴィグロッガズ。]
俺は後ろへ振り返る。
[レガクロスさん。
セーラアスさん。
エアネス、ヴィーシュ、ペルナギ、レイディアをお願いします。]
[…わかった。
トレン、頼んだぞ。]
[了解です。]
俺は従魔達をレガクロスさん達へ預ける。
ヴィグロッガズは興味深そうに俺を見ていた。
[…従魔と共に戦うと思っていたが。]
[戦うのは俺一人で十分だ。
小細工無しの本気で殺る。
さっきのクズは滅殺したしな。]
[ギャレックヌーバの事か。
アイツなら滅殺されても当然だ。
……トレンの奥義を真正面から受けた時点でな。]
ヴィグロッガズは静かに続ける。
[残る二人も、リョウという男に敗れたか。
だが、“主”の場所まで辿り着けなかったようだな。]
[!!……何故それを知っている?]
[そう威嚇するな。
教えてやっているだけだ。]
ヴィグロッガズは淡々と語る。
[リョウは【魔人四天王】の一人……オーガデビルデオを圧倒的に殲滅した。
その後、クライザーヴァイザとも戦い、勝利した。
……だが重傷だ。]
[どうしてそんな事を俺に話す?]
ヴィグロッガズは自嘲するように笑った。
[どうせ我ら【魔人四天王】など捨て駒に過ぎん。
北側には“真の魔神様”がおられるからな。]
[……何故、その事まで教える?]
[勝てばそのまま従うだけ。
負ければ、ようやく消滅出来る。
だから我は――]
ヴィグロッガズは静かに構える。
[トレン。
貴様と真剣勝負がしたいだけだ。]
その言葉を聞き、俺も双剣を構えた。
[……不思議だな。
本気で戦える相手に出会うって、こういう感覚なんだな。]
俺は静かに笑う。
[なら俺も、その真剣勝負を受けて立つ。]
[では、行くぞ!!
トレン!!]
[ああ……来い!!
ヴィグロッガズ!!]
こうして――
トレンとヴィグロッガズによる、本気同士の死闘が幕を開けた。
次回はトレンVS魔人ヴィグロッガズ編戦闘編をお送り致します。夕方に投稿になります。ご了承下さい。お楽しみに
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