07 まさか、ゲートが霞が関にあるだなんて_03
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これまで、江古田のキャンパス近くに下宿していた英子だったが、……。
そこも、ついに引き払った。
今後しばらくの間、英子は霞が関近くの公務員宿舎に入居することが決まった。
英子は普段着やらなんやら、最小限の荷物を詰めたキャリーケースを引きずって現地にいくと、……。
そこは千代田区という日本でも有数の超高級地で、英子がこれまで過ごした、ごみごみとした庶民の街とは、まるで雲泥の差なんだよなぁと率直に思った。
この就職難なご時世において、公務員という人達は雲の上の人々。とにかく別格の存在なんだよなぁと英子はしみじみと思う。
「こちらは女性のみ入居しておりますので、後は彼女に引き継ぎますね」
斎木から、施設コンシェルジュの女性の職員を紹介される。
「これからしばらくの間、お世話になります」
そう言って、戸惑いながらその女性職員に挨拶をすると、「では、ご案内致しますね」といって、施設の中に案内された。
「わぁ、……」
英子は、思わず声を漏らした。
施設内には、静かなクラシックの音楽が流れ、アイボリー色の清潔な壁に、ライトが随所に設置され、まるで新築直後の建物のように思われた。
アクリル板で外部の見えるエレベーターからは、バブルの頃、一世を風靡した歓楽街が一望できた。
それが今、英子の眼にはどこか煤けて、小さくしょんぼりと見えて、……。
ホンと、何なんだよなぁ、……と思った。
16階の角部屋が、英子の部屋だった。
「大藪英子さん。これからしばらくの間は、こちらの部屋を利用して頂きます。何かご不明な点があれば、こちらの内線から連絡を入れて下さい。24時間対応しておりますので、ご遠慮なく、お申し付け下さって構いませんよ!」
そう言って、まるでアンドロイドのような美貌のコンシェルジュが、作り物のような笑顔を浮かべた。
英子は絵描きだ。だから、彼女にもの凄い違和感のようなものを感じた。
この女性、全身整形してるんだ。小鼻を弄ったり、二重にするくらいなら見たことあるけど。これほど徹底的な人は、ホンと初めてかも。
もう、それだけで一瞬背筋がゾクリとした。
「あっ、ありがとうございます。途中、男性の職員の方もいらっしゃるエリアがあったようでしたが、……」
「そちらは、男女共用棟ですね。体育施設等の訓練施設は、男性の職員の方もいらっしゃいますよ」
ニコリと、笑顔を浮かべるコンシェルジュに、英子は「ありがとうございます」といって、笑顔でひとつ頷いた。
「魁!断筆姉さん!!」をお読み頂き、ありがとうございます!
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