07 まさか、ゲートが霞が関にあるだなんて_04
* *
「大藪さんっ、そろそろ息が上がっていますよ!」
「はっ、はいっ! まだイケますっ!」
「ナイスですっ! もうワンサーキット、いきますよ!」
「はいっ!」
英子が、こちらの公務員宿舎を兼ねた施設に入居して、早くも2週間が経過した。
英子には専属のスポーツトレーナーが付いて、施設内の体育館で、ここんところ毎日体力づくりに追われていた。
「ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ、……」
3周目のサーキットメニューを終え、肩で荒い息を吐いていると、……。
「では、これから5分ほど休憩を入れます。まだ半分しかこなしていませんからねぇっ!」
「うへぇ~っ」
英子本人としては、3徹くらい当たり前の生活をこれまで送ってきたから、結構体力のある方だと認識していた。
でも、実際スポーツトレーナーにこうして絞られてみると、如何に自身の体力が貧弱だったのかを思い知った。
くそぅ。ちょっと、私ってだらしないよぅ、……。なぁ~んて英子が思っていると。
いつもと同じ時間とタイミングで、斎木が颯爽と現れた。
くぅ~っ。斎木さん。今日もきてくれたんだ!
英子にとっては、今や頼れるものは斎木以外におらず、彼がこうして定時で訪ねてくれることが、大いに力となっていた。
「トレーナー、英子さんの調子はどうですか?」
「えぇっ。順調に仕上がっていると思いますよ」
「そうでしたか」
そんな具合に斎木がトレーナーと笑顔で二、三やり取りをしていると、……。段々とトレーナーの頬が赤みを帯びてきた。
むむむ、……。トレーナーも斎木さん派だったか、……と、英子は傍で見て思った。
「はいっ、では残り3周、サーキットスタート!」
「はいっ!」
英子は斎木が見守る中、張り切って残りのメニューに打ち込んだ。
やはり、斎木さんからはよく思われたいからね。
体育施設での基礎訓練を終えた後、汗を拭いて直ぐに、立て続けに次の座学や実習やら研修やらが待ち構えていた。
これから向かうヤムント国の歴史やら語学研修やらの座学を、夕飯前まで講師とマンツーマンで受けた後、食事のマナー研修も兼ねた夕食を頂く。
「それら全て、今回の任務の一環なんですよ!」
斎木のその言葉に、英子は力いっぱい頷く。
だって、こうしてお給料をたくさん貰って、一人前にやっていけてるんだからね。
ホンと、斎木さんには感謝だよ、……と英子は思った。
「魁!断筆姉さん!!」をお読み頂き、ありがとうございます!
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