夢の中で夢かと疑うようなそんな夢。
「大丈夫マリア!? 顔が真っ青だ」
アジャンさんが振り向きわたしを見るなりそう声をかけてくれた。
よっぽど変な顔してるのかな……。わたし……。
「あららマリアったらふらふらしてるじゃない。ねえリーザさん。そろそろ休まない?」
「だよな。俺らはまだ大丈夫だけどマリアはまだ新人だしな。もうちょっと気を使ってやろうぜアジャンねえさん」
「そうだね。あたしが悪かった。少し交代で仮眠しようか」
「じゃぁアタクシあったかいスープをつくりますわ。携帯スープの素ですけど」
「ああありがてぇ。美味いんだよなあのスープ」
「でしょう? アタクシが材料厳選して乾燥させたんですもの。その辺の携帯食とはものが違いますわ」
ふふ。優しいなみんな。
「ありがとうございます。アマリエさんのスープ楽しみです」
そう、少しだけ微笑むことができた。
なんだかちょっとだけ、落ち着けたかな。
カプセルの中のベッドはラバー部分が劣化してぼろぼろになっていた。
まあそれでも床で寝るよりはマシだとそのカプセルを使うことにしたわたしたち。
携帯毛布を体に巻いて寝転がって。
なんだかね。変な気分。
SFにでも出てくるようなこんな機械がこんなところにある不思議。
何百年? 何千年? そんな昔の機械のはずなのに、どこか懐かしいような気がするのも不思議だった。
あったかいスープも飲んで身体も温まって。わたしは睡魔に襲われ、横になった途端に寝てしまったらしい……。
☆☆☆☆
「ありがとうハクア。お世話になりました」
「いえいえ。流石にね、貴女の意識が戻らなかったときには焦りましたけどね。蘇生一号でしたし。もし貴女が眠り姫になってしまっていたら、このプロジェクトが失敗だったと言うことになってしまっていました。マザーAIが貴女の脳死を判定する前に目覚めてくれてほんとうに良かった……」
「ほんと心配をかけたわね……」
イシスプロジェクト。
最終戦争が終わって。地球の再生と人類の存続を賭けたプロジェクト。
マザーAIの管理の下、地上の再生をナノ再生機に任せ、人類はこの方舟で時が来るまで眠りにつく。
発案者の天城博士があたしのマシンメアっていう小説のファンだったという関係で、あたしはオブザーバーとしてプロジェクトに参加したのだ。
人工冬眠装置でのコールドスリープ。そしてその際に脳をVR世界に接続して心を生かしておく事。
ナノ再生機は自身をも再生複製しつつ地球環境をコントロールし、ゆっくりと時間をかけてまた人の住める世界として再生する。
いったい何年? 何千年? もしかしたら何万年になるかもしれないそんな地球再生を目指して、そんな希望を目指して、人々は眠りについた。
あたしはその一人目。
実験も兼ねて、あたしは名乗りをあげたのだ。
ほんと、失敗していなくてよかった。
☆☆☆☆☆
え?
何これは。夢?
夢の中で夢かと疑うようなそんな夢を見ている。
コレハゲンジツジャナイ。
そう、この夢を見ているわたしはそう感じている。
でも。
これは……。
実際にあった出来事?
はう。もうわからないよ……。




