竜の剣。
「ジル! 右にレッサービースト!」
「アマリエは上空!」
「マリアはバフ! 早く!」
「前面はあたしが抑える! バニッシュシールド!」
光のシールドが前面に飛ぶ。薄く広がった透明なそれは、正面からのグールの突進を完全に押さえ込んだ。
この地方に定期的に起こる魔物のスタンピード。
その兆候がみられてから半日、わたしたち竜の剣の面々は斥候も兼ねてこの魔の森にやってきたのだったけど。
どうやらもう遅かった。魔物たちは完全にその場から溢れ出ようとしていた。
とにかくここで魔物を抑えないといけない。連絡用の魔法弾を上空に撃って、そのまま戦闘になったのだった。
白騎士団と黒騎士団、この国が誇る二大騎士団がこちらに向かっているはず。それまで持ち堪えさえすれば!
一番近くに居たのが不運だったのかどうだかわからないけどわたしたちみたいな冒険者パーティは本来ここまでの戦闘は期待されて居ない。せいぜい下見程度の斥候として依頼されていただけなんだけど。
「みんな! いいかい? 騎士団が来るまでの我慢だ、とか、そんな悠長なこと考えてるんじゃないよ! せっかくの名を売るチャンスなんだ。あたしらの力を見せつけてやろうぜ!」
「アジャン姉さんはすぐそんなふうに無謀なこと言うから! ほら、マリアちゃんだって居るんだよ? まだ冒険者始めたばっかりの新人さんにこんなの酷じゃないかねえ」
「あはは! みんなアタクシの炎で燃え尽きるがいいわ! 燃え上がれ赤く赤く天まで赤く! ファイアストーム!」
「ほら、ジル! よそ見すんじゃないよ! アマリエを見習いな! マリアなら大丈夫。あの子はあんたより肝が座ってるよ!」
「ええ、わたしならまだいけます! はい! 全体回復行きます!」
両手を広げ掌を上に向ける。わたしの上空に金色の幕が浮かび上がり皆を一瞬包み込んだ。
「ありがてえマリア。その調子だよ!」
はー! っと叫ぶとアジャンは上空に無数の剣を顕現させ、一斉に前面へと放った。
剣と盾。創造魔法を駆使して戦うリーダーのリーザ・アジャン。
おもに攻撃力でガンガンいくタイプ。魔法剣士のジル。
暁の魔女。攻撃魔法が得意なアマリエ。
そして、わたし。補助魔法回復魔法専門ではあるけど最近このパーティに誘ってもらえた聖女修行中のマリア・アストリンジェン。
そして。わたしといつも共にある、使い魔 (と、いうことにしてある)ドラこ。
それがわたしたち竜の剣。
なんとかね。わたし、頑張ってます。
ブクマ、評価、誤字報告ありがとうございました。
なんとか異世界転生恋愛ジャンル日間で204位に載ることができました。
ほんとうにありがとうございます。
このお話は頑張ってなるべく早くエンディングまで持っていこうと思ってます。
それまで、お付き合いくださいますと嬉しいです。
よろしくお願いします♬




