謎めいた女性と僕の4日間。
こんにちは。桜之玲です。
この度、カクヨムで掲載させて頂いていた作品を、小説家になろう。様でも掲載させて頂きました。
自分だけの1冊、という特別なモノを作りたいと思い書き出した作品です!是非みなさんにも見ていただき、アドバイス等を頂けると嬉しいです。
最高の1冊にしたいと作者として考えているので、これからも頑張らせて頂きます。
前書き長くてすみません…………笑笑
─散々世界を湿らせてきた黒い雲が開き、その隙間から地上に向かって光が差し込む。
ずっと雨が降っていたからだろう、学校帰りの道は閑散としている。
三尋木友也は傘を閉じ空見上ていた。
この空は、どこまであるのだろうか。
視覚で捉えているこの限りなく広い景色に意味も無く手を伸ばす。
けれど、やっぱり何も掴めずにまた歩き始めるのだった。
僕が彼女に出会ったのは、夕暮れの秋祭りだった。
それは毎年、近所の神社付近で出店を構え、ここらでは結構有名で多くの人が参加するお祭りで、かくいう僕も無論、お祭り事は好きなので夕食のついでに妹と一緒に回っていた。
神社に着き、賑わっている屋台をひとしきり見回ったあとに2人でヨーヨーすくいをし、りんご飴を食べていた時だった。
「ねぇねぇ、おにぃ。さっき友達見つけたから回ってきていい?」
「そうだな、じゃあ自由に回ってるから、遅くなるなよ」
「わかった、おにぃの分もチョコバナナ買っておくからまた後でね!」
そういうと妹、三尋木令奈は神社の敷地内で見かけた友達に駆け寄る。
その「おにぃ」という呼び方は令奈には何度も中学生らしくないと注意しているんだが、なかなか変えようとしない。令奈と別れた僕はとりあえず歩き疲れた足を休めるべく、座れる場所を探して歩き、賽銭箱のある向拝所の前の階段に行き着く。
「ふぅ…。」
倒れ込むように座ると人混みで疲れた足への負担が無くなり、体が軽くなるような気分に浸る。
令奈は後で僕と合流するつもりのようだし、それまで僕は何をしていようか。そんなことを考えていた時だった。
「…賑やかですね」
ふいに、少し口調に笑みを含んだ声をかけられる。
声をかけられ横を見やると桃色に花柄を散りばめたような浴衣を着て、黒く艶めいた髪を背中あたりまで流した少女がそこに座っていたことに気付く。
「あぁ、そうですね。たまにはこういうのも良いです」
くす、と笑いながら答えると、少女は一瞬、驚いたような表情をした後、僕に釣られて微笑む。
「おひとりですか?」
「いや、妹と来てたんだけど、友達見つけたらしくって行っちゃいました。あなたは?」
「ふふ、私はひとりで来ました」
そういう彼女は微笑んだままだったが、僕にはどこか、少し寂しげな表情をしたように見えた。
「そう、ですか。随分綺麗な人だからてっきり彼氏とかと来ているのかと」
僕は思わず目をそらして答える。
「はい。しばらくおひとりなら、良ければ私と一緒に回って頂けませんか?退屈しちゃって」
彼女は苦笑するような表情を浮かべ僕の瞳を見つめる。
─僕は、あの時断るべきだったのだろうか。けれど、きっと正解なんてものは無かった。
「あ、こっちに綿菓子売ってる」
そう言って僕の袖を引っ張る彼女は、とても楽しそうに屋台を回っていた。
彼女は最近こっちの方に越してきたらしく、あまり友達がいないらしい。だから仕方なくひとりでお祭りに来たそうだ。
「あの、そういえば名前はなんて言うんですか?」
「あぁ。私、椎名葵って言います」
「椎名さん…、僕は友也、三尋木友也って言います。気軽に友也って呼んでください」
「友也くん…、うん。友也くんね」
彼女、椎名さんは僕の名前を復唱すると、僕を見上げ、百合のように美しい笑顔で にこ、と微笑んだ。
「友也くん、楽しいね」
雪みたいに白い指で綿菓子を食べながら歩く椎名さんはそう言う。
「うん」
こんな、秋祭りを男女1人ずつ、まるでカップルみたいな事を今まで経験したことがない僕はなんと言うことが正解なのか分からずそう答えることしか出来ない。別に友達がいないとか、女子に告白されないわけではない。ただ、僕が特別一緒にいたいと思わなかったから今までそういう事を経験してこなかった。
「あ、友也くんにも分けてあげる。はい」
「ありがとう」
機嫌が良さそうに軽いステップを踏んだ彼女に貰った綿菓子は、体中に染み渡るくらい、とても甘かった。
「友也くんは、お友達と回らなくて平気?」
「あぁ、回ろうかなって考えたんだけど、妹が一緒に行こうって言うから止めた。まぁ、その妹はさっき友達見つけて行っちゃったわけだけど」
全くひどい話だ。一緒に行こうと提案した本人から別行動を取るとは。まぁいいけど。
「ううん、違くて。私と回っていて平気なのって意味だよ」
「え?ああ、大丈夫だよ。むしろ椎名さんの方が僕なんかと回っていて平気なのかなってくらい」
「ふふ、私も大丈夫だよ。というか、一緒に回れる人がいて良かった」
そう告げた椎名さんは一瞬どこか寂しげな表情をした後に、さっきからしているにこやかな表情に戻る。不思議な人だ。こんなに可愛いなら友達だっているだろう。それとも、僕と同じような人なのだろうか。
「1人で回るのも良いけど、やっぱりお祭りは誰かと回らなきゃね」
くす、と微笑む椎名さんと、その微笑みに惑わされる僕は川沿いの土手を歩く─。
…どうでしたでしょうか。
まだ序盤なのですが、謎めいたこの女子高校生?と主人公、三尋木友也が織り成していく物語となっています。
2話以降も、展開が早いんじゃないか。と感じるようなところがあれば、補強作業もしていくつもりなので、アドバイス等頂けると幸いです!
「彼女の映る世界:1話」お読み頂きありがとうございました!
これからもよろしくお願いします!




