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落とし物.その十五

お久しぶりです。

異世界への行き来を管理するとある施設の一角にそこはある。


‘異世界落とし物お預かりセンター’


そこには今日も様々な落とし物が届けられてくる。


「それじゃあ、お願いするっす」


「はい、お届けくださりありがとうございました」


さて、今日は一体どんな落とし物が届いたのでしょうか。


「さてと、これは一体何なんですかね」


カウンターに置かれた落とし物を眺めながら、秀は一人考えてみた。そこにあるのは一つの真っ黒い正方形の箱。とりあえず預かっただけなのでまだ中身は確認していない。


「中身の確認は他の二人が出勤してきてからでいいか」


そう思いその箱を持ち上げた秀は奥のテーブルまで持っていくと、隅の方にコトリと置いた。


「さてと、他の二人が来るまでゆっくりお茶でも飲みますかな」





それから数十分後。ケイベルグとジェシカが出勤してきた。二人共若干遅刻してきやがった。


「おはようございます。お二人共お寝坊さんですね」


秀はそう皮肉たっぷりの口調で言った。


「いやー、だって外寒いしさぁー。中々布団から出られなくてよ」


「私もこのまま毛布にくるまって出勤しようかと思ったにゃ」


「そんな変に器用なことしないでください。全く最近たるんでるんじゃないですか?」


「なっ!! 秀くん女性に向かってたるむなんてひどいのにゃ!!」


えーん、と泣いたふりをするジェシカ。いや、いい年こいてえーんってあんた……


「あー、秀が泣かしたー」


からかうような口調でケイベルグが茶化す。うわ、何その顔イラッときた。


「はいはい、そんな小学校低学年みたいなことしてないで……」


「お前、小学校低学年を馬鹿にしてんのか!! あのな、あいつらだってな!!」


「うるせぇ!! 話を遮らないでくださいよ!! そんなことよりも、今朝落とし物が届いたんですよ! だからさっさと確認してください」


「こんな朝っぱらから落とし物を届けに来るたぁ律儀なもんだな」


「全くご苦労様にゃ」


秀はテーブルに置いていたあの黒い箱を二人の前に持ってきた。それを三人で一緒に覗き込む。


「なんにゃ、これ?」


「結構小さいな。俺の手のひらよりも少し大きいくらいか?」


「とりあえず預かったんですけど、まだ中身は確認していません。ちなみに届け主の方は‘ダバング世界’の男性の方でした」


ダバング世界とはこれまた少し変わった国で、この世界の約七割が砂漠地帯となっている。気候は年中暑くてこの世界では雨が滅多に降らない。その為この世界と行き来ができるようになったばかりの頃はかなりの水不足で、それをどう解決するかが問題となっていた。今となってはその問題も色々な技術で解決することができているそうだが、当時のダバング世界を知る人たちからすれば本当に昔とは全く違ういい世界になっているとのことだ。

そして、この世界にはもう一つ特徴がある。それがこの世界の至るところに謎の遺跡や古代建造物が眠っているということだ。誰が何のために造ったのか。そして、何の目的でそれを建てたのか。

そんな謎を解明するため様々な学者や研究員が大勢この世界にはいるんだとか。それでもまだ多くの謎が残されているあたり、全てを解明するのは遥か遠い未来になりそうと言われていたりもする。



「ダバング世界ねぇ、そんなところからよくもまぁこんな場所まで届けてくれたもんだ」


「そんな場所に落ちてたこの箱は一体何なのかにゃ?」


「さぁ……箱だから何かの贈り物とか?」


「それにしては見た目がシンプルすぎねぇか? それならもっとこう何かで包んだりするんじゃねぇの? リボンとかおしゃれな梱包しとかさ」


リボン何てケイベルグからは程遠い存在の言葉が出てきて少しだけ驚いた。え、ケイベルグさん意外とそういうの気にするタイプなのか?


「た、確かにそうですね」


「じゃあ、これは何なのかにゃ? っていうかこの箱の中には何が入ってるのかにゃ?」


そう、さっきから気になっているのはそこだ。この箱には一体何が入っているのか。持ち上げた時はそこまで重さを感じなかったから大きなものは入っていないだろうけど。


「預かった以上どんなものかを把握しておかないといけないからその場で開けようと思ったんですが、何かあったら怖いんでお二人が出勤してから開けようと思ったんです」


「そうか、じゃあさっさと開けて確認してみようぜ」


「そうするかにゃ」


ジェシカは箱の蓋に手をかけ、一気にパコっといい音をたてながら開け放った。


「さて、中には何が……」


その瞬間だった、箱の中から黒い霧のようなものが急にぶわっと飛び出してきたのだ。


「うお!?」


「にゃぁあああ!!」


「な、何だ!?」


そしてその霧はあっという間に三人の体を包み込みそして箱の中に吸い込んでいった。


「なあああああああ!!」


「うにゃあああああああ!!」


「また、こんな感じかよおおおおおおおおお!!」


全ての霧が箱の中に収まったあと蓋は自動的にまた閉まった。そして、落とし物お預かりセンターから三人の職員が全員消えた。









ケセランパセランの次回作にご期待下さい!!









と、いうのは冗談ですがとりあえずここで一旦区切りたいと思います。

というのもこの先のネタがまだ思いついていなくて、このままだらだらと連載中にしておくのも何だか気持ちが悪いので思いつくまでは完結ということにしようかなと思った所存でございます。

一応もう少しだけお話は続く予定なのでネタが思いつくまで待っていただければと思います。

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