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イザナミンパワー

ガキィン!

サエキ『うぐ!なんてパワーだ!』鍔迫り合いするも数倍に膨れ上がったセッショーのパワーに圧倒される。

セッショー「ふふふ、力加減ができんなぁ、この体。」

バキン!

サエキ「!」

四天王「刀が折られた!?」

セッショー「おっと、まだだ、まだこの死合を楽しもう。」

サエキ「風神!」

ズヒュン!

風神「オラァ!」ボッ!

ガキィン!

風神の金剛の拳をセッショーは持っていた赤い紋様の刀で受ける。衝撃で後ろに弾き飛ばされそうになるのをセッショーは耐えた。

ズサァ

セッショー「おっと!そんなものも隠してたのか!?」

サエキ「シャクジョーソード!」サエキはシャクジョーに似た細剣を持ち出した。

サエキ「チェストォォ!」

数手、打ち込むが、直刀はあまり斬撃に重さが乗らない。セッショーはため息混じりでそれを刀で受けた。

ジョーモンブレイドからは火花ではなく黒い粒子が飛び散る。

セッショー「ダメだな。それは。」

バキィン!

サエキ「うぅ!シャクジョーソードが!」折れた刀身が宙を回転しながら地面に突き刺さる。

サエキ「迦楼羅天!」

ズヒュン!

迦楼羅天「任せろ!」

迦楼羅天はサエキの頭の上を滞空し口から業火を吐いた。

しかし、セッショーは火にビクともしなかった。

セッショー「ぬるい!ぬるい!」

ビシ!ビシ!

セッショーのはなった指弾を数発受け、鎧を貫通した弾丸に、体を貫かれた迦楼羅天は地面に落下した。

迦楼羅天「うぐぁ!?」

ドサッ!

風神「オラ!」ボッ!

ガシィ!

セッショー「甘いわ!」風神「!」

殴りかかる風神も腕を掴まれ塀に投げ飛ばされた。

ドグシァ!!

大きな音を立てて崩れた塀の下敷きになった。

風神「!大将!」風神は身動きが取れない。

サエキ「ドッコガン!」

光線は片手で弾かれる。

セッショー「効かんなぁ。」

サエキ「くっ!ニョライバズーカ!」

ドン!

セッショー「実体弾はなぁ!」

スバン!空中で切り払われた砲弾はセッショーの直前で不完全に爆発し有効打にならない。

セッショー「ふふふふふふ、いい死合だったな。クウカイレッド?名残惜しい。」

打つ手無し、サエキは迫りくるセッショーに自分の死を覚悟した。

フシミキョーコ。

立ち尽くすサエキの脳裏には笑いかけてくれるフシミの姿が写った。

スゥ!上段に構えたセッショーが柄に力を込めた、その時。

ガシィ!

その手は蛇革のムチに絡み取られた。

刀を振り下ろそうとしたセッショーは自分の力でつんのめった。

フォックス「あきらめちゃだめ!サエキ君!」

ムチで必死にセッショーを取り押さえるフォックスが言う。

サエキ「フォックス!?」

セッショー「女は邪魔をするな!!」

フォックスはセッショーのパワーで壁に叩きつけられた。

フォックス「あっ!」

フォックスは気絶してしまった、反動で狐の仮面が堕ちる。サエキはすぐさまフォックスを抱き起こした。

このままでは二人ともやられてしまう。

サエキはフォックスの顔を見た。目を閉じ、苦痛に耐える苦悶の表情、血の滲んだ唇。

そんな姿は見たことがなかったが、サエキにはそれが誰だか分かった。

サエキ『こんな終わり方かよ!フシミせんせぇ!』

セッショー「今度こそ、さー」

ブオ!

その時、巨人刀、八柄の剣がセッショーめがけて飛んできた。

ドゴォ!

セッショーが飛んで後ろにかわすと八柄の剣は地面に突き刺さった。

セッショー「何ぃ!こんなモノどこから!?」

フシミをかばうサエキの前に二人の男女が写った。

サエキはひと目見ただけでそれが誰だか分かった。

イザナギ、イザナミ。

イザナギ「よく、頑張ったな。偉いぞ。それでこそ男だ。サエキリョータ。」

イザナミ「さぁ、起きなさい。フシミキョーコ。」

フシミ「うぅ。」

フシミはサエキの腕の中で目を覚ました。

イザナミ「二人で力を合わせて、未来を切り開くのですよ。」

フシミはその光景に驚愕した。

フシミ「皇親すめみおや様……。」

イザナギ、イザナミがスゥッと消えると二人は顔を合わせて頷いて、一緒に八柄の剣に触れた。

八柄の剣はみるみる人のサイズになっていく。

フシミ「天の沼矛。あの伝説は本当だった。」

セッショーは狼狽していた。

セッショー「なんだ?!どうなってる!?」

サエキとフシミは見つめ合った。

サエキ「俺は君が好きだ。フシミキョーコ。」

フシミ「私も好き。サエキリョータ。」

セッショー「ぐぁぁ!おのれ!クウカイレッドぉ!」

迫りくるセッショーに二人は矛を上段に構えた。

サエキ&フシミ「「天地開闢てんちかいびゃく!!時空割断斬り!!」」勢いよく振り下ろした光る刀身から時空をも斬り裂く光波が出てセッショーに迫る。

ブブブブブブ……!

セッショーは迫りくる光波をジョーモンブレイドで受けた。

セッショー「くそぉ!俺は!負けない!愛の力なぞ!妄想だ!」

しかし、セッショーは刀ごと時空を両断され、地面に倒れた。

そこへようやく、ワカマツとヌキナが駆けつけてきた。

ワカマツ「無事か!?サエキ!」

ヌキナ「遅れてごめん!」

すると、セッショーの体が怪しく光り、みるみる巨大化した。

セッショー(巨大化)「俺は負けない!ナンマイダーに勝つ!」

サエキ「!」

ヌキナ「なんてやつ!まだ生きてるなんて!」

ワカマツ「アミダーZ!降臨!」

巨大化したセッショーがこれまた巨大化したジョーモンブレイドを振り下ろす。ナンマイダーたちはかわしたが、寺は破壊されてしまった。

サエキ「あぁ!釈迦如来が!」

そこへ天から勢いよくアミダーZが落ちてきて、そのケリがセッショーにクリーンヒットする。

セッショー(巨大化)「うぐぇ!」

セッショーはアミダーZの全重量に耐えかねて後ろによろけた。

ナンマイダーたちはアミダーZのコックピットに瞬間移動した。

ヌキナ「まだ武器はないの?!」

ワカマツ「まだだ!完成してるのは本体だけだ!」

サエキ「アレに頼るしかない!」

ヌキナ「八柄の剣ってやつ?!」

サエキは刀印で五芒星と九字を切った。

サエキ「臨兵闘者皆陣烈在前!八柄の剣!」

アミダーZの手には虚空から出現した八柄の剣が握られた。

セッショー(巨大化)「うぅ、そんなものどうやって受ければいいんだ!!」

セッショーはたじろいだ。

ワカマツ「お前の負けだ!」

サエキ「行くぞ!皆!」

ナンマイダー「「「天地開闢!!!時空!!!割断斬り!!!」」」

ズバァ!

時空をも斬り裂く光る刀身がセッショーを刀ごと両断する。

セッショー(巨大化)「ぬぁぁ!バカな!この俺が!

チュドーン!

セッショーが爆散すると止まっていた時間がもとに戻りだす。

ばきばきばき……

サエキ「よかった、寺が元通りになっていく。」

時間停止世界で変わった地形が元の状態に戻っていく。

そして何事もなかったかのように世界は動き始めた。

アミダーZが消え、ナンマイダーも変身が解ける。

3人と何処かへ消えたフォックスだけが時間停止世界の出来事を知っていた。

サエキの心に四天王が語りかける。

四天王「我らは常に共にある。サエキリョータ。」

サエキ『ありがとう、皆。ありがとう、フシミ先生。』

ヌキナ「さぁて、帰る前に、どっか軽く食べに寄りましょ?」

サエキ「え?!俺は引率が……」

いいから、いいから。と、ヌキナはワカマツとサエキの腕をつかんで寺の外へ向かって歩き出した。

サエキ「ワカマツ、いつもこうなの?」

ワカマツ「はぁ、聞くな。」

ワカマツは呆れていたが、ヌキナの天真爛漫さが好きなのだろう。まんざらでもない顔をしていた。

サエキ『俺も、フシミ先生とこんな関係になりたい。』

三人は昼下がりの街に消えていった。

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